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第28回 クリソライト(JRA)、ダイオライト記念(JpnII)でレース史上初の3連覇達成。

2017.03.24
 3月15日に船橋競馬場で行われたダートグレード競走 第62回ダイオライト記念(JpnII)で、クリソライト(JRA 栗東 音無秀孝厩舎)がレース史上初となる3連覇の偉業を達成しました。
 第28回 クリソライト(JRA)、ダイオライト記念(JpnII)でレース史上初の3連覇達成。の画像 「非常に強かったですね。勝ててほっとしました。過去2回と比べても馬の状態がすごく良かったと思います。スタッフがきっちり仕上げてくれましたね。いいスタートが切れて、枠が内だったので他の馬の出方次第で乗ろうと思っていました。道中手ごたえが良すぎて折り合いを欠きそうなほどでした。この舞台(船橋)は合っているし、強気なレースでも大丈夫だと思って安心して乗りました。まだまだ元気なのでこの先楽しみですね」。

 そう語ったのは、騎手としてレース史上2人目となる3連覇を達成した武豊騎手。ちょうどこの日は武騎手の48歳のバースデーということで、表彰式もいつもとは一味違う華やかな雰囲気に。武騎手の行く方向へと引き寄せられるように、多くのファンが瞬時に移動。それは本当に'引力'のようで、武騎手が多くのファンに愛されているということを、'目に見える動き'として実感した瞬間でもありました。やっぱり武豊騎手ってすごい!!

 管理する音無調教師は、「3連覇達成、嬉しいですね。クリソライトは船橋には何度も来ていて慣れていますし、到着してからも落ち着いていました。昨年はハナに行きましたが、今回は他に行く馬もいたので下げた形での競馬になりましたね。あのまま競っていくと最後に脚を無くしてしまいますので、ジョッキーの良い判断でした。特に指示はせず、武騎手に任せっきりです。秋にはまた韓国(昨年コリアカップで優勝)にも行きたいと思っていますよ。まだ馬も若く、年齢(7歳)ほど年も感じさせません。ここ(ダイオライト記念(JpnII))はいつも休み明け。調整の難しさもありますが、そういう点も管理する立場としてやりがいがある馬です。来年またここに来て4連覇を目指せればと思います」とのこと。

 ちなみに、騎手としてレース史上初の3連覇を達成したのは川島正行'騎手'で、1977年のホウユウヒダカ、78年、79年のエドノボルという戦績。川島正行'調教師'としてはダイオライト記念(JpnII)を4回制覇しています。他に、このレースを4回制覇しているのは出川己代造元調教師。4連覇、4回・・・来年のダイオライト記念(JpnII)では、'4'という数字の行方も楽しみ!わくわくしながら幸運の四つ葉のクローバーを探しているような気持ちです。

 '4'といえば、クリソライトは2014年の日本テレビ盃(JpnII)も制しているので、船橋競馬場で交流重賞4勝。口取り撮影に向かう際の表情にも余裕があり、「この場所と雰囲気に慣れている」と語った音無調教師のコメント通り。その様子は、6馬身差で圧勝した余裕や自信をも感じさせました。

 クリソライトの父が今年2月18日に急逝したゴールドアリュールという点にも触れておきましょう。産駒たちの活躍は華々しく、1月25日のTCK女王盃(JpnIII)と3月1日のエンプレス杯(JpnII)を制したワンミリオンス(JRA 小崎憲厩舎)、2月22日の浦和 ユングフラウ賞(SII)を制したステップオブダンス(大井 藤田輝信厩舎)と、ダイオライト記念(JpnII)を含めてここまで南関東だけでも今年重賞4勝(うちダートグレード競走3勝)をあげています。今回のクリソライトによる3連覇達成は、父の偉大さを改めて感じさせるものでした。

 放牧を経た後、5月20日の平安ステークス(GIII)への出走を予定しているクリソライト。今後は、クリソライトが再び船橋へやって来た時、迎え撃てるだけの力を備えた南関勢の存在についても気になります。鮮やかな圧勝劇も美しい。けれど、やはり、手に汗握る接戦で、大歓声が降り注ぐ中でのゴール前というレースも見てみたい。

 そんなことを思いながらも、レース史上初の3連覇を達成したクリソライトの、光の中に立つ美しい写真にしばし見とれてしまいます。
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