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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第29回 競走馬から誘導馬へ 船橋の新アイドルホース誕生!

 今回は、1月に競走馬登録を抹消し、乗馬クラブへ再就職。競走馬引退からわずか3か月で誘導馬としてデビューしたチャラオについてお伝えしましょう。

 チャラオは、アジュディミツオーでもお馴染みの新ひだか町の藤川ファームの生産馬で、2010年5月31日生まれ。2012年7月に大井競馬場でデビューし、引退時には船橋の岡林光浩厩舎に所属していました。通算成績は53戦5勝で、頑張る姿と個性的な眼差しからも多くのファンに愛される存在でした。
 
 引退と同時にちばシティ乗馬クラブの仲間入りをしたチャラオの誘導馬デビューは4月11日2R、春の雨の中。メンコに黄色と緑の初心者マークを付け、先輩誘導馬と一緒に馬場に向かいました。

nf-201704.jpg きゅっと緊張感が漂う誘導馬デビューを無事に終えて待機馬房に戻ったチャラオを囲んだ関係者は、「初めてなのにしっかり誘導できたね」「雨の中、がんばったね」とホッした雰囲気に。そんな様子を、お隣の馬房から先輩誘導馬で元川崎所属のタカラスノーウェーブ(競走馬名スノーウエーブ)が一緒に見守っていたのも微笑ましいシーンでした。

 デビュー当日の後半戦には単独で誘導をこなせるまでに成長し、開催3日目の交流重賞・マリーンカップ(JpnIII)では、サッポロビール盃に因んだ缶ビールを胸前に着けて牝馬たちを華麗に誘導。真面目で一生懸命な様子がその表情と仕草からも伝わってきて、現役時代を知る厩務員さんたちからも「(慣れない)缶を着けても平気なんだね。チャラオすごいな」という声が聞かれたほどでした。

 「1月の時点では他地区に移籍させようかという話もありましたが、ここまでよく頑張ったので、無理させずにゆっくりさせようと引退させました。船橋の誘導に使ってくれるというので、それならぜひチャラオを引き受けて欲しいと送り出しましたよ。その時には乗馬の適性があるかどうか判らなかったのですが、首も誘導馬らしい形にして歩けていますね。普通、誘導馬になるには引退してから半年くらいはかかると思いますが、こんなに短期間で仕事ができるようになるとは。頑張り屋ですね」と岡林光浩調教師。開催3日目にはチャラオに誘導された管理馬・ミラクルバイオが見事勝利を収めました。

 「船橋で誘導業務もしているし、ちょうど芦毛馬を欲しいなと思っていたのでチャラオが来てくれることは大歓迎でした。クラブではお客様を乗せて乗馬の仕事もしています。競走馬を引退して間もないですが、誘導馬としての仕事も十分こなせていますね」(ちばシティ乗馬クラブ 海宝久敬代表)。

 2月の時点で「5月のかしわ記念で誘導できれば」と語っていた海宝代表。その言葉通り、間もなく行われる5月の船橋開催での勇姿も楽しみです。自らは出走が叶わなかった地元の大舞台・かしわ記念(JpnI)でダートの猛者たちを引き連れて馬場入場・・・。そんな光景は、1年前には想像もしなかった"華麗なる転身"と言えるでしょう。

 「運動中に他の馬のボロがあると丁寧に匂いを確認するんですよ。そういうことをする馬は他にもいますが、チャラオはずっと嗅いでる(笑)。レースでもよく頑張っていますし、えらい馬ですよね」と、担当の上山修一厩務員が話してくれたことがありました。引退後には「一緒にいた時間も長かったし、勝ち星もあげてくれました。思い出も多い馬ですね。現役時代は地面にいる鳩を見つけると脚でちょっかいを掛けに行くようなこともありましたよ。もちろん鳩は飛んで逃げちゃいましたけど(笑)」とも。競走馬時代のチャラオ、お茶目な面がたくさんあったのですね。因みに、乗馬クラブスタッフの話によると、誘導馬になってからはそういうことはないとのこと。

 すでに誘導馬としても愛される存在となっているチャラオ。一生懸命さ、真面目さが伝わる姿と愛嬌のあるルックスで、船橋競馬場のアイドルホースになっていくことでしょう。

 5月の船橋ケイバは1日(月)からの5日間、昼間開催で行われます。競走馬から誘導馬へ。新しいステージで頑張るチャラオの姿を、ぜひたくさんの皆さまにご覧いただければと思います。