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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第37回 競馬の「熱」を感じる風景。全日本2歳優駿のレース後。

 12月13日、川崎競馬場で2歳ダート王の決定戦、全日本2歳優駿(JpnI)が行われました。これまでの優勝馬には、海外でも活躍したアグネスワールド(1997年)、芝・ダート両方のGIを制したアグネスデジタル(1999年)、南関4冠馬となったトーシンブリザード(2000年)、地方競馬を熱く牽引したフリオーソ(2006年)など、豪華なメンバーが名を連ねています。

 全日本2歳優駿は、今年からケンタッキーダービー出走馬選定ポイントレースにもなり、海外へ通じる夢の舞台として注目度もアップ。地方競馬のレースが海外GⅠへの出走馬選定ポイントレースとなるのは史上初だそう。地方競馬にとって大きな一歩となりました。

 優勝馬はミルコデムーロ騎手騎乗、JRAのルヴァンスレーヴ(牡 父シンボリクリスエス 美浦 萩原清厩舎)。8月に新潟競馬場でデビューし、3連勝で2歳ダート王の座を獲得しました。

 「すばらしい馬ですね。位置取りはいつもの通り。馬の気持ちが一番大事です。新馬からスタートはあまり速くないです。今日は少しぶつけられましたが、その後は問題なかった。余裕でした。今日は初めてコーナー4つあったけど、自分の気持ちを馬がわかっていました。ゆっくり行きましょうと思って乗っていましたね。(来年のケンタッキーダービー)勝ちたい!行きたい(笑)!楽しみです。お客さん、いつも多いですね。とても嬉しいです」とミルコデムーロ騎手。

 口取り撮影時に、カメラマンのリクエストに応じつつも、レースの熱がまだ冷めきらないルヴァンスレーヴの口元を、手で"もにょもにょ"しながらなだめている姿も、ミルコデムーロ騎手らしい仕草だったように思います。

nf201712pic.jpg 一方、このレースは、ホッカイドウ競馬から南関東競馬へのバトンタッチの場となることも少なくありません。今回もレース後の洗い場では、馬のクセや調教方法などの引き継ぎが行われていました。写真は、そのうちの一頭、道営・田中淳司厩舎から、船橋・岡林光浩厩舎へと移籍したソイカウボーイ(牡 父トビーズコーナー)です。新旧の担当厩務員さんと過ごす時間。それは、丁寧に育んできた競走馬という存在が、手から手へと受け継がれていく、競馬の「熱」を感じさせるシーンでした。

 この時のソイカウボーイの洗い場のお向かいには、同じく岡林厩舎に所属するドンビー(牡 父タイムパラドックス)がいて、2頭は同じ馬運車で船橋へ帰厩。ドンビーは同厩舎の2歳牡馬からも慕われる存在なので、ソイカウボーイの心細さも和らいだのではと思います。私自身、父の仕事の都合で転校が多かったのですが、新しい場所でも頼れる誰かがいれば、その後の時間をスムーズに繋いでいけたような。ソイカウボーイは兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)で地方馬最先着の3着と健闘。これからの走りも楽しみです。

 さて、先日、来年度(2018年4月~2019年3月)の南関東競馬の日程が発表されました。まずは、船橋ケイバが通年ハートビートナイターになるという点が大きな注目を集めています。2018年の1月、2月は昼間開催ですが、2019年はナイター開催となる模様。先日行われたクイーン賞(JpnIII)では、売得金レコードを記録するなど、ナイター開催は好調です。ただ、真冬の夜に屋外、さらに風遠しバツグンという場所での取材はきっとものすごく寒いに違いない。すでに、マスコミの間では寒さ対策の情報交換が活発に行われています。

 通年ナイター開催に向けて、ファンエリアに関してはこれから対応していく予定だそう。船橋競馬場だけではなく、南関4場それぞれ場内の改装も行われていて、変化する風景も楽しんでいけそうですね。その他、昼間は浦和、夜は大井といったダブル開催が増えて、新たな活性化も期待大です。

 競馬をしていると1年あっという間。そのあっという間の中に、手から手へと引き継がれて来た馬たちが創り出す、たくさんの素晴らしいドラマが詰まっていくのですね。2018年も南関東競馬を楽しんでいきましょう!