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第4回 オンナ心と強さ

2010.07.09
 ウオッカが3度目の交配で,ようやく受胎したとのこと。(2歳のデビューから見続けてきたウオッカが,私より先にママ...しかもお相手は,年下でヨーロッパチャンピオンのシーザスターズ様。ウラヤマシイ...ナンチッテ)
 三十路独身女のヒガミはこのあたりとしまして,ウオッカのダービー勝利後を機に,近年,オンナ馬の活躍が目立つようになりました。つい最近では,レッドディザイアが初海外遠征において優勝の快挙を成し遂げ,ドバイワールドカップに出走,同期であるブエナビスタも,素晴らしいパフォーマンスを見せ,世界にその名前・走りを印象付けました。

 また今年のクラシック戦線で言えば,同着となったオークスで,アパパネが2冠を達成。レース後,蛯名騎手は,「発走前でも堂々としている。この時期は,オトコ馬でもソワソワ・バタバタするのに...。人間も馬も,女の方が精神面が強いわ~」と,アパパネちゃんのハートの強さに感心しきり。しかしながら一般的には,オトコ馬よりも扱いが難しいとされるオンナ馬。昔から,「オンナの仔は,すぐヘソをまげるから,むやみやたらに怒れないし,大変やわ~」なんて言われたもの。

 また,一度,気持ちが走る方向からずれてしまうと,その後,中々好走するのは難しく,昔の走りが嘘だったかのように勝ち星から遠ざかり,ヒッソリと繁殖入りする馬も少なくなかったように思えます。

 そんな中,引退まで国内外の一線級と走り続けることができたウオッカは,特別な存在なのかもしれませんが,それでも近年,オンナ馬の活躍,競走期間の長さには,目を見張るものがあるように思えます。

 では,その要因とは?調教内容や,獣医療の進歩,短期放牧の導入など,いろいろなことが挙げられると思いますが,個人的に強く感じることの1つに,馬のメンタル面を重要視するようになった馬づくりにあるのではないかと思います。

 つい最近も,牝馬の重賞レースに際し,厩舎回りをしていると,あるベテラン厩務員さんが,「僕の担当馬も気が強くて大変な女の仔だけど,あのマイネレーツェルは,上をいくわ~。あの馬,競馬場についてから,担当する若い男の子の姿が見えなくなると暴れだすから,彼,トイレ以外の時間をずっと愛馬の横で過ごしているんだよね。6時間近くだよ。中々できることじゃないよ。もし,もういいやっと思って,馬房に入れっぱなしにしておけば,そこで体力を使い果たし,心身共に疲れ果ててレースに向かい,結果は出ないだろうね」と話されていました。

 確かに,愛馬を思う気持ちの深さがあるからこそ,できる行動であり,またその愛があるからこそ,馬もレースで力を発揮できるのでしょう。

 これが私だったら,(もうちょっと落ち着いてよ!もう知らない)と逆ギレをして,仮眠室で寝ていたことでしょう~。当然馬は,レース前に終了...みたいな...。しかしながら,レーツェルを担当する田中さんと言い,アパパネを担当される福田さんと言い,見るからに,おおらかで優しい雰囲気の男性。レーツェルもアパパネも彼らには心を許しており,私が間に入ろうものならば,「何よ!あんた!こないでよ」と耳を絞り,キツイ目つきに。その表情には,女を感じると同時に,繊細な気持ちの持ち主だからこそ,安心できるパートナーの存在は,何よりも大きな心の支えとなり,気持ちのON・OFFがとれるのではないでしょうか。それが,牝馬の活躍,そして競走生活の長さへと繋がるように思えます。

 やはり女にとって大事なのは,愛されること。信頼できるパートナーの存在。あ~自分で書きながら,心がイタイ...。
 女・ワガママ・気が強い,その点は私も彼女たちと一緒ですが,年齢は...35歳ちょっといってますが,どなたか私の面倒を見てくれないでしょうか?またまたナンチッテ...。

 それでは皆さん,また来月お会いしましょう~。
 ホソジュンでした。
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