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第14回 ラブシャッター~馬の仕草から読み取る心のサイン~

2011.05.11
 関東圏での競馬も再開し,23年振りに東京で行われた皐月賞。ファンファーレと共に響き渡る大歓声を耳にした時,改めて競馬っていいなぁ~と感じました。
 たった数分の舞台を見るために,何万人もの人が集まり,それぞれの思いを胸に,同じ時を共有し興奮する。もちろん競馬の楽しみ方というのは人それぞれにあると思いますが,競馬を通して新たな友達や仲間ができるのも魅力の一つ。しかも年齢は関係なしですから,競馬からまたさらなる世界が広がります。

 まさにクラブケイバ。私も今年からBS11で新しく始まった競馬中継の番組に出演させて頂き,様々な方との出会いに影響を受けています。

 そのお1人が,TIMのゴルゴ松本さん。これまでにも,競馬のイベントなどでご一緒させて頂いていましたが,とにかくポジティヴでなおかつあらゆる分野に詳しいんです。特に歴史に興味があるとのことで,その流れから漢字の由来にも。ですから,予想が外れネガティヴな発言をすると,「口にプラスと書いて,叶う。そこにマイナスを加えると,吐くという字になるんですよ。だから口から出す言葉はプラス思考でいかないとね,ホソエさん」と励まされています。

 そして励まされると言えば,ファンの方々の温かいお言葉にも。皐月賞後に行われた東日本大震災チャリティーイベントに参加させてもらったのですが,その際,「ホソエさん,いつもテレビ見てます。楽しみにしてますよ」と,沢山の方に声をかけて頂きました。

 中でも,今,BS11でお伝えしている,「ホソジュンのラブシャッター」が好きという小さなお子さんの声も。このラブシャッターというのは,馬房内や洗い場で見せる仕草や,担当者の方とのツーショットをデジカメでとらせてもらい,その写真と共に,馬の性格や,好きな食べ物,嫌いなもの,嫌いなこと,性格の変化等をお話しするというもの。

 一見,競馬の予想とは直接結びつきがないように感じる部分もあるかもしれませんが,普段のちょっとした時に見せる仕草や個性というものが,レースに現われていることも多く,興味深い部分も存在します。

 例えば阪神大賞典で悲願の重賞制覇をしたナムラクレセント。5歳までの彼はというと,気が強く,洗い場で見せる表情はいつも怒りん坊さん。近くに寄ろうものならば,耳を絞り,目を三角に尖らせて,「コラッ,俺に近づくな!」といった感じでした。それが,阪神大賞典後,「いいよ。僕の隣にいても」といっているかのような穏やかな表情をし,距離感がグッと縮まっていたのです。

 担当される房野さんに確認すると,「体の痛かった部分が楽になったことで,精神的な余裕がうまれ,性格が丸くなりました。これが顕著に馬房での過ごし方にも現れていて,体のボリュームも増しましたね」と。

 やはり競走馬は心身のバランスが大事といいますが,「体が健康であるからこそ,心が安定し,心が安定するからこそ,体が実る」ということなのでしょう。ですから普段の何気ない仕草,その変化こそが馬にとってみれば,言葉の一つでありサインのように感じます。そしてそのサインを最も理解できるのが,一番長い時間を共に過ごす担当者の方々なのではないでしょうか...。

 私自身もまだまだ知らないことばかり。馬の声をもっと皆さんに教えてもらい,それを番組で届けられるようになれたらなぁ~と思う今日この頃です。

 それでは皆さん,また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでした。
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