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第30回 問題後の対処が肝心

2012.09.14
 37歳、自分の年齢を書いてみると、もう大人なんだなぁ~と思うのですが、どこかでその感覚がなく、まだ子供時代の延長線上にいる気分。
 ふとなんでだろうと考え、周囲を見渡すと、やはりこの境界線の一つには、自分自身が親となっているか否か?このあたりも私にとって大きく影響しているのかなぁ~と感じます。

 もちろん全てではないのですが、少なくとも、子供を育てることで、親の自覚が芽生え、社会性へと発展し、大人としての自覚が、より生まれてくるようにも...。

 また最近、同世代の知人の出産ラッシュと、年齢的なこともあってか、周囲から「純ちゃんも、そろそろじゃない?」との声。まぁこればかりは旦那さまの多大な協力と、神のみぞ知ること。現実、まだまだ難しい気も...。

 また先月号でも書きましたが、自由人な私が親だなんて想像もつかないですし、不安だらけ...。そう考えると、やはり親の存在というのは、本当に偉大なものだなぁ~と感じます。

 私自身の子供時代を振り返ってみると、あまり両親に「あーしなさい、こーしなさい」と言われた経験がなく育ち、唯一家訓を挙げるとするならば「結婚と職業だけは、自分で選びなさい」というものでした。

 でも考えてみれば、それ以外のことについても一切指示をされた記憶がないわけですから、言ってみれば全てが自由だった気がします。とは言え、逆に自由過ぎたからこそ、躓くことも多く、その度に周囲と衝突し、へこみ、落ち込み、挫折をし、モガキの繰り返し...。ふり返ってみれば、遠回り、寄り道大歓迎人生で、今、世の中に出回っているHow to 本の真逆の道を進んできた感じがするのですが、だからこそ、時折、父が口にした言葉が、妙に記憶に留まっていることもあるのです。

 例えば、何かで取り返しのつかないミスをしてしまい、落ち込んだ際「失敗してしまったことよりも、そのおかしてしまったことに対して、どう対処するのか?実はその方が重要であり、人は、そこで問われていることの方が多い」と。

 騎手時代も含め、今もなお、その言葉に沿うような生き方はできないのですが、この夏競馬を見ていて、その言葉が思い起こされた人物が二人いました。

 池添騎手と太宰騎手。
 デビュー戦から共に歩み挑んできたオルフェーヴルとの別れ。これは池添騎手にしかわからない複雑な思い、計り知れない悔しさがあったことでしょう。しかしその週、池添騎手が見せた姿は、初コンビとなったアイムユアーズでの重賞勝利でした。気持ちを切り換え、結果を残す。私自身、これまで以上に池添騎手の強さを感じるものでした。

 また強さと言えば、フミノイマージンで札幌記念を制した太宰騎手。コンビ解消となった前2戦中、私がトレセンで目にした太宰騎手は、悔しさを顔や口に出すことなくジッと耐え、変わらぬ日々を過ごしている姿でした。そしてそんな姿とは対象的に、コンビ復活となった札幌記念で見せた、アグレッシブ溢れる騎乗振り。一貫した流れから、太宰騎手の人としての芯の強さ、たくましさには、心底、魅了されるものでした。

 二人とも私より年齢は下ですが、ほんとに見習うべきことが多いなぁ~と、そんな風に感じた今年の夏でした。
 それでは皆さん、また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ。
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