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第83回 代替競馬、生徒、そして親心は...

2017.02.15
 まだまだ寒い日が続きますね...。1月には大雪の影響で4日間開催となり、携わった方々は本当に大変だったと思います。短き騎手時代でしたが、冬の開催時の朝の調教は、ただただ過酷。それに加え大雪ともなると、調教時間の変更に振り回され、馬場も限られる為、混雑や、馬によっては物見の心配も...。
 そして代替競馬となれば、休みなしの状況。現場で働く方々にとって、この冬の時期というのは、最も大変なシーズンだと思います。

 さて、前回の代替競馬において印象に残ったのが、武豊騎手のコメント。「天候だから仕方のないことですが、夜も大掛かりで除雪をする姿を調整ルームから見ていたので、その人たちの為にも開催してほしかった」と。

 仕事とはいえ寒い中、必死で雪かきをされた方々の心は救われ、温かくなられたことでしょう。

 以前に何かの雑誌で書いた記憶があるのですが、競馬学校の騎手課程時代には、様々な見学や催し物があり、その都度、感想文を書き、それが文集としてまとめられるのですが、私も含め、多くの卒業生が、その事実やそこであった事柄を記しているのに対し、武豊騎手は、競馬見学に行けば、競馬場近辺の道路を整備する方々、馬場をならす人々、関係者、そしてお客様が入って競馬が行われる全体像を捉え、何一つかけても成り立たないことを感じたと記し、同期みんなで海水浴に行けば、普段競馬学校で見ていた姿とはまた違う面が見られ、より深く同期を感じることができたことが良かったと、書き記していました。

 10代で既に周囲を見て、いろいろなことを感じとっていたのだなぁ~と驚かされるとともに、卒業から30年経ち、数々の実績を積み上げられた今においても、その気持ちは変わられていないのだなぁ~と感じ取れるコメントに感動しました。

 さて競馬学校といえば、昨年の秋に今年デビュー予定となる騎手課程生徒の公開模擬レースのお手伝いに足を運びましたが、あれから数か月、デビュー目前に1名の名前が存在していませんでした。しかも彼は、留年も経験していただけに、4年近く競馬学校で過ごし騎手を目指していた生徒とあって、あの模擬レースの日、彼のお母さんとおばあちゃんが必死にカメラを回し喜んでいた姿が思い起こされるだけに、本人もさることながら、ご家族の気持ちの切り替えも大変だっただろうなぁ...と、切なくなってしまいました。

 またその時に1年生として在籍していた女性候補生も競馬学校をあとにしたとのこと。

 二人とも、その理由や胸の内は分かりませんが、費やした時間や注目を集め、周囲の期待も感じていた中での退学を考えると、本人たちの心が大丈夫かな?と少し、気になってしまいました。また、尽力をつくしてこられた、教官の方々もそれぞれ思うところ、感じるところがおありのことでしょう。私自身も40歳を過ぎた最近になりようやく、何事にも理由があり、辛いことが降りかかると、「人間万事塞翁が馬」だと自分に言い聞かせられるように徐々にはなってきてはいますが、まだまだ気持ちの持って行き方に戸惑うこともありますし、ましてや息子のことともなると、それは別の話で...。

 今回の親御さんとしての気持ちを考えると、複雑なものがあるだろうなぁ...と考えてしまいます。とにかく気持ちの切り替えが1日でも早くでき、新たな夢や目標、楽しみを見つけられることを陰ながら願うばかりです。

 それでは皆さん、また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ。
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