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第89回 皆さんにとって好きな国は?~夏に思い出す2つの国~

2017.08.22
 夏の楽しみと言えば旅行ですが、競馬に携わり、生き物と共に暮らす状況においては、なかなか長期的な休みは取れないもの。
 よって騎手を引退してからは、年に1回だけ1週間の休みを頂き、旅行へとでかけていますが、十数年前のトレセンでは、365日厩舎へと足を運ぶ厩務員さんや、毎週火曜日から日曜日まで調教に携わる騎手も多くいただけに、引退直後は、旅行にでかけたということに申し訳なさがあり、中々、口にすることができませんでした。

 それが今では、積極的に有休をとりいれる厩舎も増えましたし、騎手の調教に対する考え方も変わりつつあり、人によっては海外旅行も可能な状況に。この夏の時期になると、年々、時代は変わりつつあるな~と思います。

 皆さんは、過去の旅行の中で何が1番の思い出となり、好きな場所となっていますか?

 私は2つ。

 まずは子供が産まれる前に1人で旅行したアイルランド。大好きなエイダン・オブライエン夫妻に会えたこともそうですが、カラ競馬場や調教風景、そして厩舎での馬と人との過ごし方を見た際に、非常にシンプルなことではあるのですが、そのシンプルさが非常に大事であることに気づかされ、これこそが競馬発祥の地である英国、アイルランドの強さの秘訣だとも思えました。

 また歴史とは、環境や事柄・事象だけが受け継がれるものではなく、人々のマインド、心の在り方、受け止め方が非常に大きく深いものが存在しているとも感じました。

 最初の話に戻るのですが、当時、厩務員の子としてトレセンで生まれ育った人間は、休みなく厩舎へといくことを普通と捉えている一方で、私のようにサラリーマンの子として育った人間には、通常との違いを感じ、どこかで歪みが生じてくることも...。

 ほんの小さなことですが、実はその差が馬という繊細な生き物と暮らす上においては非常に大きなウエイトとなっており、その感覚がアイルランドの人々と重なるものでした。

 そして2つ目は、妊娠期間中の1ヵ月間に亘り、語学留学をしたマレーシア。日本人の多くが移住先として選択する国としても有名ですが、とにかく過ごしやすい。簡単にまとめてみると、

 ①食べ物が美味しくリーズナブル
 ②人が優しい
 ③日本の夏よりも湿度が高くなく、想像よりも暑くない
 ④多民族国家
 ⑤競馬場もあり
 なのです。

 まず①に関しては、日本の3分の1の価格ぐらいかな?と思えますし、多民族国家とあって、インド料理、中華料理、マレー料理、イタリア料理と、なんでもあり。ただ1点、料理が安いのに対し、お酒の価格は日本と同じぐらいなので、のんべえの私にとっては少々残念ですが、それでも有り難い話。

 また②については、ガラスに頭を強打し、デパートの隅でうずくまっていると、「これで冷やして。飲んでもいいから」と、見ず知らずの男性が、テイクアウト用に買ってきたと思われるケンタッキーの袋からアイスコーヒーを差し出してくれたことも。

 ④については、いろいろな民族が交わるということは、いろいろな文化や考え方が共存しているということであり、英語のレッスンの際も、1つの課題に対し、1つの答えを出すのではなく、それぞれに意見を出し、その各々の考え方について、どう思うのか?と進められ、気づけば何通りもの考え方に触れているのです。島国の日本といえども、既にグローバル化が進んでいるこんにちの状況を考えると、これは子供を育てる上でも良い国と思えてしまいました。

 もちろん実際に腰を据えて住んでみると、困ることもでてくるのかも知れませんが、魅力を感じる国。もし機会があれば、マレーシアへの旅行、オススメです。

 それでは皆さん、また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ
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