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第23回 馬産地見学ガイドツアー

2010.11.11
 10月1日から3日まで行われた「2010年秋北海道馬産地見学ガイドツアー」。昨年,同時期に行われたツアーは,同行者の自分ですら,「全部回れるのか?」と思ったほどの盛りだくさんの行程だった。
 今回は訪れる牧場施設の数こそ減ったものの,それでも白老から浦河まで,全走行距離は昨年の3割増し(あくまで個人的な感想)となっており,その分,馬産地の様々な風景を見ていただけたのではないかと思っている。

 残念ながら筆者は,2日は札幌競馬場で札幌2歳Sの取材,そして3日は原因不明の目眩に襲われ,結局,1日に行われた懇親会しか,ツアーの皆さんと接する機会が無かった。

 ツアーの募集要項には「現地の情報に精通した馬産地ライターもガイド役として参加」と表記してあったはず。参加者の方から「嘘つき!」と責められても仕方のない状況を,自分の虚弱体質が招いたとはいえ作ってしまったことを,この場を借りてお詫びしたい。

 重ね重ね,この方無しではツアーは成り立たなかったであろう馬事通信記者の山田康文さん,JBBAスタッフ,そしてふるさと案内所スタッフの皆さんにもお詫びとともに,ツアーを無事かつ最高の形で遂行できたことの,お礼を申し上げさせていただければと思う。

 結局,ツアー参加者の皆さんと接したのは,先ほども書いたとおりに金曜日に行われた懇親会だけとなった。この懇親会でツアー参加者の皆さんは6つのテーブルに分かれており,スタッフから指示されたそのテーブルに着くや否や,「グリーンチャンネル見てます!」と言われた時には,恥ずかしさとともにTVの影響力の大きさを感じずにはいられなかった。

 それでもTVに出演しているものとして,このテーブルのトークを回さなければと思い,様々な質問をぶつけてみたのだが,思っていたよりも意外な答えを聞き出すことが出来た。

 まず参加の理由だが,最も多かったのは,「普段は見学できない繁殖牝馬を見たい」というものだった。確かにツアーの行程を見ると,白老ファームではフラワーパークやキストゥヘヴン,下河辺牧場ではロンドンブリッジにダイワエルシエーロなど,防疫の関係などで見学が不可能となっている繁殖牝馬にも会えるのは,このツアーならではの醍醐味と言えそうだ。

 また,参加者は20代や30代前半といった若い競馬ファンが多かったのにもかかわらず,トウカイカイテイオーやサッカーボーイなど,昭和の競馬を沸かせていた馬のファンが多かったのも意外だった。ディープインパクトのファンが少なかったのは意外ではあったが,「ディープインパクトの凱旋門賞を見てから競馬を見るようになりました」との声が聞かれていたことからすると,ディープインパクトは新たな競馬ファンを取り込むのに,格好のポップアイコンとなったのを感じずにはいられなかった。

 見学内容についてもおおむね好評で,特に実際に馬を囲んだグループ写真を撮らせてもらえたりもしたらしい。後で山田さんから話を聞くと,その中にはブライアンズタイム(USA)もいたらしく,ツアーに参加出来なかったことをちょっとだけ悔やんだりもした。

 同じテーブルについた生産者を交えてトークも弾んだ懇親会の最後には,ツアーの目玉と言えるレアグッズ・チャリティーオークションのせり名簿が配られた。そこで初めて何が出品されているのかを見たのだが,昨年を遙かに上回るレアグッズの数々に目が点になった。

 このツアーの前に,取材で幾つかの生産牧場やスタリオンを回ることがあったのだが,その時から「ツアーいつ来るんだっけ?」と話を向けられることがあった。昨年から始まったツアーにも関わらず,ここまで周知されていることは,同行者の1人として嬉しく思ったし,だからこそレアグッズを提供していただけたのだろう。

 先ほど,ツアーに協力した方に感謝の言葉を書かせてもらったが,本当に感謝をすべきは,今回,ツアーに協力していただいた牧場関係者の皆さんにである。参加者の声もおおむね好評だったことからしても,また来年もこのツアーで皆さんのご協力を仰ぐこととなるはず。その時は3日間同行しながら,感謝の気持ちを実際に伝えられたらと思う。
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