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第53回『J-PLACE』

2013.05.16
 地方競馬の施設を利用した発売所である「J-PLACE」が、門別競馬場やホッカイドウ競馬の場外発売所の「Aiba」で3月23日からJRAの勝馬投票券の発売を開始。自称「ウインズマニア」として潜入捜査に行ってきた。
 自分が足を運べる札幌圏だけでなく、地方の J-PLACEの様子も知るべく、釧路に住む高校の同級生F君を「馬産地ファイターズ捜査員」として、開幕を迎えた J-PLACEくしろに潜入捜査してもらうことにした。以下、23日の夜にF君からかかってきた電話である。

 「あ、浩平元気?行ってきたよ J-PLACEくしろ。で、今日のメインだけどよ...(以下略)、それで J-PLACEくしろの感想だけど、普段のホッカイドウ競馬が開催されている時のお客さんと、人の数なんかはあまり変わらねえかもな。まあ、釧路にはウインズもあるしこんなもんなのかも知れないな。ところで明日のメイン何買うの?俺は逃げ馬が一波乱起こすと思うんだけど...(以下略)」とりあえず、F君はJ-PLACEでも競馬を楽しんでいるということがよく分かったので(笑)、明くる24日、自分はJ-PLACE札幌中央へと向かうことにした。

 なぜにこの場所を調査地点に選んだのかというと、他のJ-PLACEとは違い、競輪の場外車券売場とAibaが併設された札幌中央と、そして石狩(J-PLACE石狩)は、なんと競馬と競輪を同じ場所で購入することが可能となっていたからだ。

 しかも24日はJRAではGⅠ高松宮記念、競輪はGⅠ日本選手権の決勝が行われていただけでなく、ばんえいではBG1のばんえい記念まで発売。3つのGⅠを全て購入しようと考えていた自分には願っても無い場所であった。

 J-PLACE札幌中央には、高松宮記念が行われる約30分前の午後3時に到着。競馬、競輪、ばんえいのファンが集まった館内はもの凄いことになっているのではと思ったが、F君が話していたように、前回、この場所に足を運んだ時とそれほど人の数は変わらないようにも見えた。

 JRAの馬券を購入するファンは、徒歩圏内にあるウインズA館やB館へと向かったのだろう。
 ウインズが隣接していることやメインレースしか発売していないことも J-PLACE札幌中央や札幌駅前にJRAファンの足が向かなかった理由かもしれない。

 そんな中、賑わいを見せていたのは館内の1階で発売されていた競輪のフロア。札幌中央は1階が競輪の発売所、2階が競馬の発売所と分けられているのだが、元々サテライト札幌として開設された J-PLACE札幌中央は競輪ファンの比率が高いようで、高松宮記念の出走前でも2階の椅子は空席があったのに対し、1階のモニター前にはレースごとに多くの人が集まっていた。

 それでも高松宮記念が発走した後には、歓声やどよめきが至る所から起きていたのを見た時には、競馬関係者としてホッとする思いがした。

 競輪はやるけど、競馬はやらないという人がこの中にどれだけいたかは分からないが、少なくとも競馬により興味を持ってもらえるレースだったことは、盛り上がり方からしても感じ取れた。

 高松宮記念の約1時間後に行われたのが、日本選手権の決勝。その約1時間後にばんえいグランプリが発走したが、自分を含めてばんえいグランプリまで館内を離れる人の数は少なかった。まあその分、馬券や車券の購入金額が増えた(しかも払い戻しは...)のは仕方のないことではあるが、それでも競馬、競輪、ばんえいにおける最高峰のレースを1つの場所で楽しめたのは、サテライトが併設された J-PLACEならではと言える。

 一方、F君が潜入捜査をしてきてくれた釧路地区のように、ウインズが近い場所にある
 J-PLACEは、Aibaに普段から足を運んでいるファンが大多数を占めているようで、新規のファンを獲得するのはこれからとなりそうだ。
 ただ、Aibaの中には大型の駐車場を併設している場所も多く、車での移動が多いファンの中には、距離的な面も含めてウインズより足を運びやすくなったということも考えられる。

 いずれにせよ、J-PLACEが競馬により親しめる場所となっていくことは間違い無さそうだ。今後はウインズとの差違や、ダービー、有馬記念といった売上高の大きいレースにおける際の対応なども問題となっていくのだろうが、「地方を含めた競馬の魅力が一ヵ所で楽しめる場所」との長所を全面に押し出せれば、また新たなファンの獲得に繋がる可能性もある。

 個人的には各方面と協力の上で、今回のように競馬、競輪などでビッグレースが重なる時は、その1着を全て当てる馬券(車券)の発売があってもいいと思うのだが...。
 まあ、あの日はマイナス収支に終わった自分が書いても、説得力の無いアイディアかもしれませんが(笑)。
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