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第75回 『ドラゲナイ』

2015.03.17
 今、「ドラゲナイ」が熱い。この書き出しに「そうだよね~」と同調してくださったのは、20代で音楽に興味がある方ではないかと思われる。それでも40代で、趣味は野球を中心とした、様々なスポーツ観戦である自分ですら、「ドラゲナイ」という言葉が頭から離れないようになってきた。
 ドラゲナイの語源とは、昨年の紅白歌合戦にも出場した「SEKAI NO OWARI」というバンドの最新シングルである「Dragon Night」。そのサビの部分が「ドラゲナイ」と聞こえることから、「セカオワ」(ちなみにこれはバンド名の略称)ファンを中心に言葉が広まり、またトランシーバー型のマイクを持って歌うその姿は、コラージュ画像という形でインターネットに溢れかえることとなった。

 何を書いているのか分からないという皆さん、僕も「ドラゲナイ」の魅力に取り付かれたのは、ついこの間のことなので何も心配をしなくても大丈夫。さあ、みんなでトランシーバー型のマイクを持って「ドラゲナイ!」.........ではなくて、この「ドラゲナイ」、これをお読みのオーナーの方が、馬名に付けてくれないかと思うようになったのである。

 そのまま「ドラゲナイ」なら、早い者勝ちだが、冠名+「ドラゲナイ」なら汎用性も高い。今年の2歳戦でドラゲナイと名の付く馬がデビューをしたら、言い出しっぺの自分もトランシーバー型のマイクを持参した上、競馬場に応援へと行かざるを得ない(笑)。

 まあ、悪のりはここまでにして、こうした旬な馬名は、ニュースにも取り上げられるだろうし、セカオワファンでなおかつ競馬ファンが、「ドラゲナイって馬がデビューするんだってよ!」とSNSなどで拡散してくれる可能性が出てくる。

 ドクターコパこと小林祥晃さんの所有馬に、アカリアイドル(牝3)がいる。母はイノチノアカリという美しい馬名を付けられた馬であり、母の名から馬名を付けられたのだろうと、競馬ファンは想像するはずだ。

 しかし、SKE48のファンは違っていた。グループに所属する、須田亜香里さんを連想させる(亜香里アイドル)として、握手会などで須田さんにその事実を伝えると、なんとブログにアカリアイドルに関する記事をアップ。しかも小林祥晃さんもフェイスブックやツイッターなどで、「須田さん=アカリアイドル」であることを好意的に受け止めている。

 小林祥晃さんはツイッターで「須田さんに会いたいなあ」とも記述しており、今後は須田さんとアカリアイドルの接点が生まれそうなだけでな、出走した際にはSKE48のファンが応援馬券を買いがてら、競馬場にも足を運んでくれることだろう。

 趣味はスポーツ観戦と書いておきながら、実は東京ドームライブを見に行った程の「Perfume」ファンでもある自分(まさかのカミングアウト)なのだが、最近、Perfumeを連想させる馬名を付けられた馬が、続々とデビュー。地方競馬を中心に活躍を続けている。

 名付け親、というよりオーナーは、浦河で育成牧場を営む山口裕介さん。その馬名なのだが、シングルチャートで上位に入ったようなシングル曲をわざと使わずに、アルバム収録曲の中からタイトルを取ったり、なんとPerfumeが過去にDJをしていたラジオ番組のタイトルを付けるなど、ファンでも「そこから来たか!」というようなマニアックぶり。

 勿論、Perfumeファンの中では話題となっており、所有馬の活躍からしても、「のっち、かしゆか、あ~ちゃん」の3人がだんだん気になるのも、そう遠い日ではないだろう。

 競馬が続く限り、馬名は血統と共にずっと残されていく。奇をてらったような馬名を付けることに抵抗を持たれるオーナーの方も多いはず。しかも、その馬を手に入れるための苦労や投資を考えると、「ドラゲナイなんて馬名を付けるわけないだろうが!」と思われたとしても、なんら反論はできない。

 しかし、馬名を通して競馬に興味を持ってもらい、そして競馬ファンになっていくということは充分に考えられる。競馬を知らない人からすれば「馬」でしか無かった動物が、可愛らしい、もしくは馴染みのある名前を付けられたことで、今で言うところの「ポップアイコン」的な存在となりうるのだ。

 現在、白毛ながらマーブル模様が入ったブチコ(牝3)に注目が集まっている。しかもその可愛らしい見た目と馬名だけでなく、未勝利と500万下を勝利してオープン入りと、能力の高さも証明しており、今後はブチコ見たさに競馬場へ行く人も増えて行くはず。今年の日本競馬界のポップアイコン的な存在は、ブチコとなっていくことは間違いない。

 まあ、「ドラゲナイ」ブームがどこまで続くか分からないが、もし馬名にもしてもいいよ!というオーナーがおられましたら、編集部までご連絡ください!ぜひともこのコラムで取り上げさせていただきますので!
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