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北海道馬産地ファイターズ

村本浩平 北海道馬産地ファイターズ

第102回 『オフ会』

 先日、生まれて初めてのオフ会に行ってきた。そのオフ会とはこれまでに16のクラブ法人に出資を行い、現在、出資している現役馬の数は優に200頭を超えるという、一口馬主界の人気ブロガー「ぐりぐり君」の、札幌では初めてとなるオフ会だった。

 とはいえ、自分は会報などで仕事こそさせてもらっているものの、実際にクラブ法人の募集馬に出資したことはなく、今回は「馬産地の一口情報に精通するゲスト」として、このオフ会に呼んでいただいた。

 とはいっても、ぐりぐり君とはこの日が初対面であり、しかも、シークレットゲスト扱いだったので、オフ会参加者の皆さんから、「よりによって、ゲストは村本かよ!」と引かれるのでは無いかといった不安も生まれていた。

 しかし、会場に行ってその不安は一気に解消された。この日、招かれたのは自分だけでは無く、開業を予定している中央の調教師や、レースを終えてから駆けつけた地方の調教師、そして知り合いの生産者など、ぐりぐり君の人脈の広さを証明するかのように、各テーブル毎にゲストが座っていた。

 しかも、自分のテーブルに座ったオフ会の参加者の方も非常にフレンドリーで、馬産地や生産にまつわる色々なことを質問してくれただけでなく、「TVで見ているよりも噛まないんですね」と有り難いやら、悲しくなるやらの言葉もかけていただいた。

 オフ会の終盤ではぐりぐり君とのトークもあったのだが、競馬好きというだけでなく、その柔和な物腰が、オフ会でもこれだけの人を集められるのだろうなあと改めて感じさせられた。

 こうしたオフ会に参加するのは初めてだが、似たようなイベントとしては、クラブ法人のパーティーやクラブ法人見学ツアーの懇親会にも参加したことがある。

 本来自分はライターなのだが、グリーンチャンネルの「馬産地通信」などに出演させてもらっているからか、競馬ファンの方に存在を以前よりも気付いてもらえているようだ。

 仕事、時にはプライベートで競馬場やウインズに行った際でも、「写真撮らせてください」や「握手させてください」との言葉をかけられるようになり、その度に、笑顔を見せながらも、「自分でいいのかなあ...」と申し訳ない気持ちになっている。

 だが、人前に顔を出すことは、それほど悪いことでもないな、と最近になって思ってきた。このオフ会だけでなく、パーティーや懇親会などでも、ファンの方から率先して話しかけてもらう機会が増え、その時に聞かれることや話す内容などが、今の競馬ファンの視点なのだろうと思えてきたからだ。

 ライターといえども、「馬産地」というエリアで仕事をしている以上、どうしても視点はそちらを向きがちになる。馬産地から正しい情報やそこで働いているホースマンたちの声を届けるという意味では間違っていないのだろうが、その分、競馬ファンや読者が求めている情報とズレが生じてしまっているのではないかと感じることもある。

 そのズレを修復するのがTwitterやブログといったSNSとなるのだろうが、平々凡々とした日常を送っている自分は、そこまで皆さんに伝えようと思えるような内容が思いつかず、Twitterやブログもいつしか過疎化していくことが容易に想像できる。

 その一方、それなりに几帳面な自分の性格からすると、コメントの返しやリプライを一度始めたら、収拾がつかなくなってしまいそうな気もしており、SNS時代には向いてない性分なのだなあともつくづく感じてしまう。

 それを全て取っ払ってくれるのがオフ会ということになるのだろう。やはり、ファンの方と実際に顔を合わせながら、色々と話し合えるのは楽しいだけでなく、リアクションや会話の間も含めて、本当の言葉が聞ける気がする。勿論、ネットの言葉も大多数に届くという意味では非常に重要であるが、「炎上」という単語を目にするたびに、使い方が難しいなあとも感じてしまう。

 そんなことを書いておきながら、自分の言葉や、今の馬産地の姿を雑誌媒体以外から届けるためには、Twitterやブログ、なんならユーチューバーも始めなければいけないとも考えている。もし、自分もぐりぐり君のように、みんなにアピールすべきことや、あの人間力があれば、SNSも気軽に始められるのに...と思うが、今のところはFacebookの友達を増やすのが精一杯でもある。しかし、オフ会なら気軽に始められそうな気がする。手始めに、このコラムをお読みの方とオフ会やります!と書いてみようかと思ったのだが、そうなると、いつも集まるメンバーしか来なさそうだなあ(笑)。