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架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

綱本将也 架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

第25回 架空:第62回 ダイヤモンドS

馬名:ノーステイ
毛色:栗毛
父:ゼンノロブロイ
母:ノーガール
母の父:Silver Hawk
クロス:Mr.Prospector M3×S4、Hail to Reason S4×M4、Nashua M5×M5
生涯成績:9戦4勝(現役)
主な成績:ダイヤモンドS(GⅢ)

 このダイヤモンドSに、菊花賞を圧勝した三冠馬オールフェイスが53kgの軽量で出走していたとしたら、誰もがその勝利を疑わないはずだ。単勝は間違いなく1.0倍、その支持率は史上最高の数値を叩き出していただろう。
 現実には、凱旋門賞を狙う三冠馬がハンデ戦のGⅢに出走してくるはずもなく、たとえ出走してきたとしても、課されるハンデは低く見積もっても軽く60kgを超え、その能力を完全に発揮できるかどうかは疑わしい。
 三冠馬オールフェイスが53kgの軽量でダイヤモンドSに出走するという仮定は、現実感も面白さの欠片もない夢物語でしかない。
 しかし菊花賞に出走していれば、オールフェイスに三冠馬の称号を名乗ることを許さなかったかもしれない馬が、53kgの軽量で出走してきたとすれば、どうだろう。

 昨夏、菊花賞のDATAを精査していた中で感じた、「オールフェイスを破って菊花賞を勝つのは、この馬」という予感。大穴馬を見つけ出した喜びに、街を飛びまわりたくなる衝動に駆られた直後、悪いことしてないのに襲ってきた悪寒。なんと、その馬には菊花賞の出走権は初めから用意されていなかった。そう、セン馬だったのだ。
 セン馬であるがゆえに、菊花賞には出走できず、出走できなかったゆえに、その超長距離適性は隠され、隠されたゆえに、ハンデが53kgの軽量で出走できたのだ。
 その馬は、ノーステイ。

 08~10年の菊花賞馬3頭および菊花賞2・3着馬6頭中4頭、計7頭の血統表には、はっきりとした共通点が見て取れる。

08年:
1着オウケンブルースリ=Northern Dancer S4×M4
2着フローテーション=Hail to Reason S4×M4
09年:
1着スリーロールス=Hail to Reason S4×M4
2着フォゲッタブル=Northern Dancer S4×M4
3着セイウンワンダー=Hail to Reason S4×M4
10年:
1着ビッグウィーク=Northern Dancer S4×M4
3着ビートブラック=Hail to Reason S4×M4

 以上のように、S4×M4の「やや奇跡の血量」を持っているのだ。しかもHail to Reason(4頭)、Northern Dancer(3頭)、いずれかの4×4のクロスである。昨年は、このクロスを持つ馬は1頭も出走していなかった。ノーステイ(=Hail to Reason S4×M4)が出走できていれば、唯一ということになった。

 また84年以降、「皐月賞とダービー、ともに不出走」だった菊花賞馬は12頭いるが、84~00年までの17回では5頭(=29.4%)だったのが、01~10年の10回で7頭(=70.0%)と倍増し、さらに08~10年は3連勝中だった。さらに01年以降の7頭中6頭は「3歳7月までは1000万条件以下のクラス」で、ノーステイはこれにも該当。

 過去5年のダイヤモンドSで、「上がり3Fが最速」だった馬の成績も見てみよう。

07年トウカイトリック=1着
08年コンラッド=2着
09年モンテクリスエス=1着
10年フォゲッタブル=1着、メインストリーム=4着
11年コスモメドウ=1着

 以上のように5年中4年で、上がり最速の脚を繰り出した馬が優勝している。
 ノーステイは去勢後、東京コース6戦中4戦で上がり最速。中2週以内での出走なら、3戦全戦で上がり最速の脚を繰り出していた。中2週での出走のここなら、上がり最速必至。


 あの夏感じた、予感は本物。
 そんなダイヤモンドだね――。