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烏森発牧場行き

吉川良 烏森発牧場行き

最新記事一覧

第287便 競馬学者

 「この一年、こんなに自分が親父のことを考えるなんて思わなかったなあ。なんだか親父の悲しさとか寂しさみたいなものが、死んでから見えてきたような気がするんですよ。

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第286便 厚真の一本道

 2018年9月10日、朝7時、目をさまして私はベッドから手をのばしてカーテンをあけ、雨あがりらしい空を眺めた。薄い青のひろがりにトンビが現れ、すぐに消える。

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第285便 札幌開幕

 札幌に佐藤行夫という友だちがいた。2014年10月に、突然のように病魔に襲われ、62歳で旅立ってしまったのだが、それから夏が来て、競馬が函館から札幌に移ると、よく私は佐藤行夫の影とビールをのんでいる。

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第284便 どうして?

 1983(昭和58)年5月のこと、東京の港区六本木の交差点ですれちがった常盤新平さん(翻訳家。1986年に「遠いアメリカ」で直木賞受賞)が、いい時に会ったと足を止めた。今夜、この近くで、社台ファームのアンバーシャダイの春の天皇賞を勝った祝いの会があり、招かれているのだが、急用が発生して行けなくなり、社台の人に電話しておくから、代わりに出席してほしいと常盤さんが言うのである。

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第283便 ヌマさんのなみだ

 5月の初めだったか、晴れた日の夕方、ピンポーンと玄関が鳴って出てみると、植木屋のヌマさんが笑い顔で立っていた。七十歳。まだ元気に仕事している。私とはウインズ横浜の古い仲間で、去年の暮れには、私の家の小さな庭もやってもらった。横浜の戸塚の造園会社に勤めている。

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第282便 フツウノアルバム

 明日は次兄の三年忌だという夜、ちびちびと酒をのみながら、もうずいぶん、アルバムというのを見ていないなあと思い、納戸の奥に積まれたままのアルバムの山から、気ままに5冊ほど抱えて酒に戻った。

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第281便 マグニさん

 友だちと酒をのみながら、にぎやかにさくらの花を見あげるのも人生の幸せだが、ひとりで静かにさくらの花の下にいるのも幸せである。

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第280便 諏訪湖とユッコ

 2017年の師走のこと、仕事部屋で本の探しものをしながら、ふと目にとまった一冊を手にした。仕事先の京都から帰ったばかりで、この本、たしか、若いときに京都で暮らしていたときからあったよなぁと思ったのだ。

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第279便 恋の12着

 寒い朝、家から徒歩で20分ほどの病院へ、9時に予約の健康診断へ歩いている途中、通りかかりの小さな公園に目が行った。砂場で2歳ぐらいの男の子が遊び、砂場のへりに腰をおろした母親だろう若い女がぼんやりしている。

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第278便 手帳、昔のひと

 戸崎騎乗のアーモンドアイが第52回シンザン記念を勝った日の夜、
 「大野です。大野きよの息子です」
 と電話がかかってきた。

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