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烏森発牧場行き

吉川良 烏森発牧場行き

2016年の記事一覧

第264便 寸又峡

 東京競馬場へ行ったときの私は、いちどはメモリアル60スタンドの3階へ行き、道をへだてて装鞍所が見える窓辺に立つ。レースの時間が近づいてきた馬たちが鞍をつけ、木立ちのまわりを厩務員に引かれて歩いている。その景色が私の好きな絵なのだ。

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第263便 種牡馬の眼

 9月10日のこと、私は社台グループが営む共有馬主クラブの会員が参加する牧場ツアーに同行していた。ノーザンホースパークのグリルでの夕食会を終え、苫小牧のホテルへバスで移動する。闇がひろがる勇払原野にぽつんぽつんと光る家の明かりを眺めながら競走馬を見るためのツアーだなんて、縁のない人からすれば特殊な集団だろうなあと思った。

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第262 ありがとう

 2年前の夏の日の夕方のこと、鎌倉市大船の大型スーパーマーケットに隣接する回転寿し店で、テーブル席にいた時枝さんと目が合って私は面食らった。時枝さんといっしょにマスダさんがいたからである。

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第261便 雲の上から

 朝早く、新聞を読む。ベラ・チャスラフスカさんのことが記事になっていて、1964年の東京オリンピックの体操競技をしている彼女と、2016年6月の74歳になっている彼女の写真が並んで載っている。

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第260便 相良の人たち

 2008(平成20)年の皐月賞とダービーと菊花賞に、いずれも武士沢友治騎乗で出走した小桧山悟厩舎のベンチャーナイン(父エイシンサンディ、母グラッドハンド、母の父コマンダーインチーフ)の馬主は、静岡県牧之原市相良で自動車のボディミラーを製造する本杉芳郎さんである。

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第259便 おれの五月

 2016年5月31日、晴。明日は6月。
 「70代になったら、どうしてこんなに月日の流れが早くなるの?」
 と2日前の、ダービーの日の東京競馬場で会った山野浩一さんが言っていたのを思いだした。

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第258便 ピロスマニ

 印鑑証明をもらいに市役所へ行った5月2日、そこから近い鎌倉駅周辺は、連休の人出でごったがえしていた。公民館の椅子で汗をふいて休み、催し物の宣伝物のある棚へと行った私は、「放浪の画家ピロスマニ」という活字にドキッとし、息を詰めてしまった。

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第257便 カラジによろしく

 昭次は18歳のときに高知県四万十市から神奈川県小田原市に来て大工の親方の家に住みこみ、大工の腕をつけてから藤沢市、鎌倉市へと移り住んだ。鎌倉にいた10年ほどのあいだ、私とは酒場友だち、競馬友だちだった。

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第256便 ふたりの友だち

 私の家からバスと電車で一時間かかる海辺の町の病院へ出かけた。
 「会いたいなあって言ってます」

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第255便 野深卯助

 正月2日、年賀ハガキといっしょに届いた封筒の差出人が、岩手県紫波郡の野深卯助となっていた。

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