北海道馬産地ファイターズ
第206回 『2025年の有馬記念』
ここ数年では記録的な盛り上がりともなっていた、2025年の有馬記念。有馬記念ファン投票の有効投票数である6,852,342票は、史上最多となっており、有馬記念当日における、指定席券の一般抽選にも申し込みが殺到した。
自分の身近でも有馬記念の注目度が高まっているのを感じていた。息子がかれこれ30年近く競馬の仕事をしていても、一切、馬券を買おうとしなかった母親が、突然、LINEを送ってきて、「有馬記念は閃いたから、3、5、10の馬。そして、日高の馬を買っておいて」とそこには書いてあった。「日高の馬」との表現で気付かれた方も多いかもしれないが、母親は「ザ・ロイヤルファミリー」の熱烈な視聴者である。
ドラマを見ていく中で、日高の馬VS北陵ファームという図式も理解したようであり、ビッグホープが勝利したドラマの中での有馬記念よろしく、2025年の有馬記念でも日高生産馬が勝ってほしいと思ったのだろう。
そんな有馬記念当日、自分は札幌競馬場にいた。いや、正確に書くとその前日の土曜日も札幌競馬場(そしてウインズ札幌)にもいたのだが、何をしていたかというと、札幌競馬場(含むウインズ札幌)で行われていた、イベントの取材である。
今年の有馬記念当日(そして前日)は、中山競馬場のみならず、パークウインズとして開場している全国の競馬場、そしてウインズでも様々なイベントが行われていた。
札幌競馬場では「5週連続イベント ウィンターパーク」として、ジャパンCの週から5週にわたって様々なイベントが行われていた。
そしてウインズ札幌でもジャパンCの開催日には、陸上のハードル競技で活躍する村竹ラシッドさんを招いて、トークショーが開催されていただけでなく、有馬記念週の土曜日にも、お笑い芸人のコウメ太夫さんをゲストに招き、ネタ披露に加えて、当日に開催されたホープフルSの予想を行った。
ちなみに土曜日の札幌競馬場では、北海道を代表するボーカリストであり、ホッカイドウ競馬のオフィシャルサポーターも務めていた、上杉周大さんをゲストに招いてのミニライブとトークショーが行われた。
そして、日曜日にはお笑い芸人で「JRA-VAN」のCMにも出演中のなかやまきんに君。そして、2021年の東京オリンピックで金メダルを獲得した、柔道家の阿部一二三さんをゲストに招いてのトークショー、その名も「有馬記念筋肉予想&トークショー」が開催された。
札幌競馬場、ウインズ札幌のイベントは共に、競馬を知らない人でも興味が惹かれるようなキャッチーな人選であり、さぞ賑わっているのだろうと思っていたのだが、その予感は更に上振れとなった。
イベントの会場となった札幌競馬場のファンファーレホール、ウインズ札幌のコンコース特設ステージともに、イベントの前から多くの来場者が集まり、人の頭を入れてのステージの様子の写真を撮ろうと思っていたところ、かなり後ろまで下がらなければいけなくなった。
しかも、3つのイベントは揃って盛り上がりを見せていたのだが、その中でもコウメ太夫が有馬記念前日のホープフルSの予想を外した際に、司会者から振られる形で発した、「チクショー!」の持ちネタは、今後、様々な競馬場関係のイベントで使える(その代償として馬券は外れる)なと思わされた。
ただ、こうしたイベントだけが有馬記念週の集客につながったわけではない。JRA北海道シリーズが開催されていた札幌競馬場の、開放感のある雰囲気と違って、有馬記念週は、「馬券を買いに来た」との意気込みが至る所から感じられていた。
この日はビギナーズセミナーの開催こそ行われていなかったが、簡単な馬券に関する質問に答えるビギナーズカウンターは常に賑わっていた。
JRA北海道シリーズの開催中は、ビギナーズセミナーの講師を務めさせてもらっているが、来年はここでカウンターに立たせてもらおうかと真剣に考えた。
そして競馬ビギナーである母親の馬券だが、取材の合間に首尾よく購入し、家で有馬記念を見守った。レースは北陵ファームならぬ、ノーザンファーム生産馬のミュージアムマイルが優勝。2着にはビッグレッドファーム生産馬で12番人気のコスモキュランダが粘り込み、日高生産馬として馬券に絡んだ。
ちなみにコスモキュランダの馬番は10番であり、その結果を見た母親から、「10番惜しかったね。残念だけど、来年も有馬記念の馬券を買えるように健康でいないと」とのLINEが届いた。これからもずっと、そのイベントが続いて欲しいと思った。
