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第6回 南関フリーウェイの舞台裏(船橋編)

2015.05.28
 今回は、南関東4場でブログやコラム執筆を目的とした取材を、どんな風に行っているのかを綴ってみたいと思います。
 南関東4場で似ている所とそうでない所がありますが、'南関フリーウェイ'の舞台裏について、船橋競馬場での様子(重賞レース)を例にご紹介することにしましょう。

 船橋競馬場でのパドックの撮影は、業務エリアにある馬主さんとの共有エリア内で行ないます。2010年のJBC開催によって、屋根付きになり、足元にもマットが敷かれて撮影もしやすくなりました。もちろん、一般エリアでの撮影も可能です。

 ここでは、オーナー関係者の皆さまの邪魔にならないよう、前でしゃがんで撮影します。この時、馬の様子や厩務員さんの仕草をくまなくチェック。入れ込む馬をなだめていたり、晴れ舞台のためにおしゃれ馬装をしていたり。レースの魅力はもちろん、馬たちに添えられた'プラスα'を見逃さずにしっかり伝えていきたいですものね。

 ゴール前写真を撮る際は、スタートまでは所定の場所での待機がお約束。スタート後に決められた場所へと進入します。距離によって1周目のスタンド前を馬が通過する場合は、それを見送ってから進入。どちらも混乱を避け、レースを安全に行うためのルールで、南関東4場でほぼ共通の事項となっています。

 さて、レースが終わってからが怒涛の取材タイム!際どいレースだと、撮っている場所によっては、勝ち馬が判別できない場合も。大外から一気に差し切った馬が勝った場合などには「撮りそこなった(泣)」などということもありますが、ここはひとつ気をしっかり持って臨みます。

 戻って来る馬たちの中から勝ち馬を見つけ出して撮影しつつ、他の馬や騎手の様子もチェック。ファンエリアから見えづらい場所だからこそ、しっかり撮って伝えなくちゃ!この時、他のカメラマンさんの邪魔にならないよう、移動は前後左右に気をつけながら、が基本です。(写真はそうやって撮った2011年・かしわ記念優勝時、戻りたてほやほやのフリオーソ)

 第6回 南関フリーウェイの舞台裏(船橋編)の画像
 騎手のコメント取りに向かうか、そのまま撮影を続けるかの判断はその時のレースや勝ち馬によって変わってきます。あと少し、あと少しだけ・・・と撮っているうちに、騎手のコメント取りに間に合わないこともあるため、なかなかムズカシイところ。

 船橋競馬場の場合、検量室と騎手の皆さんがいる部屋との間に廊下がありますが、レース後はここで'出待ち'をしてコメントを取ります。騎手の皆さんが検量室から出てくる順番はまちまちで、時には、待っている反対側の出口に向かってしまう場合も。一人の話を聞いている間に、他の騎手が出て来ることもあるため、後から出て来た騎手の話を聞き逃してしまうことも。そういった時には聞くことができた方からコメントを教えてもらいます。私も何度助けていただいたことでしょう。

 ちょうど口取り撮影の時間帯は、ぎゅっと詰め掛けた報道陣(主に記者さん)が騎手の皆さんを出待ちしている時間帯になりますね。

 こういった取材は晴れていれば比較的スムーズですが、天候が悪いとなかなか大変。馬の安全確保のために傘を使用できないエリアの取材では、メモをすれども書いているうちからインクが雨で流れ、さらに紙がふにゃふにゃになってしまうのです。私は主にICレコーダーを使用していますが、慣れないうちは、強風によるノイズで音声が消され、肝心な所が聞き取れないという非常にカナシイ出来事もありました。

 重賞の後は、バタバタな雰囲気。急ぐ時も、常に周囲に馬がいないかどうかしっかり確認しながら'静かに'急ぐようにします。

 フリーのマスコミというと、一見華やかなイメージがあるかも知れませんが、雨に濡れ、砂にまみれ、囲みインタビューではテレビカメラに映らないよう、膝を付いたり、しゃがんだりして手や足がプルプルしてくるのを必死にこらえていたり・・・。そんな地味な苦労も多々。

 それでもやっぱり馬のそばにいられることはシアワセだなぁと思うのです。
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