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第16回 藤田菜七子騎手デビューと川崎競馬場

2016.03.25
 3月3日の川崎競馬場は朝から大賑わい。多くのメディアにも取り上げられた通り、JRA所属としては16年ぶりとなる女性ジョッキー・藤田菜七子騎手のデビュー!ということで、開門直後からパドックもスタンドも多くのファンとマスコミで埋め尽くされました。
 そう、まさに'埋め尽くされた'という状態。川崎競馬組合の発表によると、この日マスコミは60社以上、約140人の取材申請があったとのこと。事前申請した際に折り返しで届いた'当日の取材に関する注意事項'の資料には、通用門からの通路の変更をはじめ、普段の取材エリア(検量前など)が立ち入り禁止になるなど、まさに厳戒態勢といった雰囲気。戸惑いもありましたが、初めて競馬場で取材するマスコミも大勢いるので、まずは人馬の安全第一ですものね。

 とはいえ、整理番号順にパドックの場所取りへと向かう各メディアの皆さんの様子といえば、まさに'戦場へ向かう武者たち'。マイクは槍に、カメラは鉄砲に、取材の腕章は幟に見えてくるほど。JBCの時でさえ無かった特別対応として、取材の混乱を緩和するために一般エリアの一部をマスコミ用にする措置が取られていましたが、なにしろ60社以上の大軍。3重4重の列となり、番号後半での撮影は前がふさがって、難しかったのではないかと思います。

 私自身、うろちょろして、取材のツワモノが揃った大軍に「黙れ、こわっぱ!」と言われる前に(そんなことは誰も言いませんが)、川崎競馬場を知っている身を活かすチャンス!と、普段は行かないエリアからの撮影を試みました。が、これもまたなかなか大変。

 1Rのパドックが始まるかなり前から、最前列はすでに菜七子騎手の登場を今か今かと待ち構えるファンの皆さんで満杯。ワクワクオーラがすごい!こういう時の取材は大変ですが、たくさんの皆さんが楽しそうにしている競馬場の雰囲気ってやっぱり良いですね。

 そんな中、注目の藤田菜七子騎手は浦和・工藤伸輔厩舎のコンバットダイヤ(牝3 浦和・工藤伸輔厩舎 馬主:(株)ウェルネット様)でデビュー。工藤伸輔厩舎といえば、工藤調教師自らが手作りしているメンコで南関東競馬を盛り上げていることでも知られていますが、この日のメンコもスペシャル!'菜七子'のネーム入り、ひなまつりらしいピンクと黄色の色合いは、優しく降り注ぐ春の陽射しに映えて、多くの皆さんの注目を集めました。

 このデビュー戦の後も、地方中央を問わず各競馬場で菜七子騎手フィーバーは繰り広げられましたが、3月24日の浦和競馬3R・アスキーコード(浦和 酒井一則厩舎 馬主:小林裕典様)で待望の初勝利をあげ、6Rでも勝利して2勝目もマーク。デビュー戦を飾った'浦和'続きというのも何かの縁なのかも知れませんね。

 第16回 藤田菜七子騎手デビューと川崎競馬場の画像

 さて、藤田菜七子騎手のデビューに沸いた川崎競馬場では、今年の11月3日に地方競馬の祭典JBCの開催が予定されています。これに伴って場内をリニューアル。特に2号スタンド4階の有料席エリアは、斬新なデザインが大きな魅力となっています。芝生をイメージしたグリーンのカーペットが敷きつめられた空間でゆっくり過ごせるグループ席や、飛行機のファーストクラスのようなラグジュアリー感たっぷりの個室・プレミアムシートなど、競馬観戦の楽しみの幅がぐっと広がった印象です。

 旧スタンドの跡地には、ショッピングや食事も楽しめるマーケットスクエア川崎イーストがオープン。元スタンドという立地から、すぐ目の前をサラブレッドが疾走する'日本で最もコースに近い商業施設'としても注目を集めています。

 大井、川崎とスタンドのリニューアルが行われ、浦和では新大型ビジョンの'浦和ビクトリービジョン'も完成。4月からは船橋で今年最初のハートビートナイターが始動します。2歳新馬の話題も聞こえ、新しい季節の到来を感じさせます。引き続き、春の南関東競馬の行方をお見逃しなく!
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