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第51回 クラシックに向けて。フリオーソ産駒たち活躍中!

2019.02.25
 種牡馬展示、2019年産駒誕生のニュース、そしてクラシックを占う若駒たちのレース。いよいよ春の足音も間近となってきました。
 南関東競馬では、名馬フリオーソの産駒が2週連続で3歳重賞を制覇しました。

 第51回 クラシックに向けて。フリオーソ産駒たち活躍中!の画像 フリオーソといえば、2006年に川島正行厩舎(船橋)からデビュー。2008年の全日本2歳優駿(JpnI)、2009年のジャパンダートダービー(JpnI)を制するなど、早い時期から世代を代表する存在となり、帝王賞(JpnI)、川崎記念(JpnI)、かしわ記念(JpnI)などダートグレード競走で数々の好敵手を相手に大活躍。生涯獲得賞金845,446,000円は、現時点での地方所属馬の最高記録となっています。2007年、2008年、2010年、2011年と史上最多となる4度のNARグランプリ年度代表馬を受賞する偉業も達成。強さはもちろん、きゅっと鼻をすぼめた表情も愛らしく、オンオフ共に多くの競馬ファンを魅了しました。

 さて、そのフリオーソ産駒の活躍ですが、2月7日の大井では今年から重賞に格上げされた雲取賞(SIII)でヒカリオーソ(3歳牡馬 川崎 岩本洋厩舎)が勝利。昨年の平和賞(SIII)に続いて重賞2勝目をあげました。

 「初めての右回りということもありますし、これから先のレースを考えて控えて行こうかと思っていたのですが、あまりにもスタートダッシュが良かったので思い切って逃げました。道中ずっと外にもたれっぱなしで逃げて失敗したなと思っていましたが、3,4コーナーで軽くポンと合図したらすごい手ごたえでした。最後は遊びっぱなしで、この馬にとっては余裕がある勝ち方だったと思います」。そう語ったのはぐんぐん勝ち星を伸ばしているデビュー7年目の瀧川寿希也騎手(川崎)。

 この日は前日の雨の影響で泥んこ馬場となり、ほとんどの人馬がレース後には「誰?」と思うほど砂まみれな状態でした。そんな中、逃げたヒカリオーソと瀧川騎手はほとんど汚れずきれいなまま。それでも、「ずーっともたれていて腕がちぎれそうだったー!!!」という瀧川騎手の第一声から、レースの激しさを感じました。

 2月13日に浦和で行われたユングフラウ賞(SIII)では、ポッドギル(3歳牝馬 大井 鈴木啓之厩舎)が重賞初制覇。「良く粘ってくれましたね。スピードがある馬でスタートも決まったので良かったです。初めての浦和コースでしたが馬も落ち着いていました。陣営がいい状態に仕上げてくれましたので、思い切って乗りました。大井の1200中心なので課題はありますが、今後も楽しみです」と、勝利へエスコートした矢野貴之騎手(大井)。

 「調教で馬を気にする素振りがあったので、矢野騎手やオーナーと相談して今回はブリンカーを着用させました。調教は私(鈴木調教師)が乗っていますが、ブリンカーをつけたら効果があったのでいいんじゃないかな、と。浦和は独特な馬場なので周りを気にしなければいいなと思いました。ポッドギルは根性があってタフな馬です。完成度は高いですが、まだキ甲が抜けていないのでさらに成長するのではと思います。今回は、ブリンカーを着用したことと、矢野騎手が今までのこの馬のレース経験を活かしてくれた点が勝因だと思います。背中が柔らかくて、飛びもゆったり走る馬。成長するまではマイルくらいまでがいいかなと思います。ミヤサンキューティ(2012年東京シンデレラマイル(SIII))で重賞を勝ちましたが、その時と同じく、今回も自分で調教した馬で重賞を勝てたのが嬉しいですね」と鈴木調教師。桜花賞に向けては「騎手時代に乗りましたが、浦和は独特なコースです。プレッシャーですね(笑)」とのことでした。

 フリオーソが見せてくれたあの名場面の数々。フリオーソの馬名の意味でもある'熱狂'は、産駒たちにどんな風に受け継がれていくのでしょう。今回は先頭ゴールできなかった馬たちの中にも、今後ぐんぐん成長していく馬もいることでしょう。クラシック牡馬路線、牝馬路線、早くも熱い闘いは始まっています。
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