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第19回 馬との絆,愛し愛される人との絆

2011.10.20
 いよいよ秋競馬へと突入。今年の注目の一つである2冠馬オルフェーヴルも,順調に夏を越し,前哨戦を勝利。早くも,ディープインパクト以来となる3冠馬達成の空気を漂わせています。
 さぁその神戸新聞杯ですが,スローペースの中,折り合いをつけて勝利した池添騎手の騎乗振りもさることながら,最終追い切りの様子にも,感心させられるものでした。というのも,ダービー以来となった1週前追い切りでは,少々掛かり気味に加え,最後も右によれてのフィニッシュとなりましたが,最終追い切りでは,その修正点を完璧にクリアしてのゴール。翌週に,全てを正してしまうその二人の関係に,改めて,これまで培ってきたその過程の濃密さと,絆を感じるものでした。

 そして一方,中山競馬場で行われたオールカマーも佐藤哲三騎手と共に歩んできたグランプリホース・アーネストリーが完勝。この勝利もまた,ロスのない立ち回りと,あうんの呼吸で加速するギアチェンジにうっとりしてしまうほどのレース内容。まさに人馬一体の,芸術的とも言える騎乗振りでしたぁ。

 競馬というのは,強い馬が勝ってこそと言われますが,その強さを発揮できるか否かは,一戦一戦や,調教において,愛馬とのコンタクトをしっかりと作り上げている騎手との道のりがあってこそ成し得るものなのだなぁ~と,池添騎手と佐藤哲三騎手の姿に,改めて感じるものでした。

 GⅠ馬たちの緒戦に,今年の秋競馬の盛り上がりがより一層期待されそうですね。

 さて話は変わり,先月は競馬界,芸能界に大きな話題がありましたね~。

 三浦皇成騎手とほしのあきちゃんの結婚。あきちゃんとは,競馬番組で2年間共演させてもらいましたが,天性の明るさに加え,上下,男女,各々の立場に関係なく,全ての人を受け入れてくれる優しさ溢れる女性。私も含め,多くの人が,あきちゃんの存在に救われ,気づけばあきちゃんの大ファンになっている,そんな人柄。また女性としても,愛する人のために全力で尽くし,真っ直ぐに相手を信じるピュアな心と,相手の立場に立って物事を考え行動を決める大人な面が交じり合い,ワガママで自己中心的な愛の形を押し付けようとする私とは正反対なタイプ。同じ女性としても,あきちゃんから教わることは本当に多く,尊敬しています。

 一方の皇成騎手も,5歳にして自分の進路を決め,それに向かって歩んできた男性。華々しいデビューと共に,まだまだ閉鎖された社会ゆえの,理不尽さもあったことでしょう。しかしそんな苦しい時期も,一切,周囲に,自己防衛する言葉を発しなかった彼の姿には,改めて芯の強さと,大人を感じるものでした。21歳の決断,年齢だけ見ると早いといえるかもしれませんが,既にアダルトな皇成騎手には,関係のないことのようにも...。

 それ以上に,自分を愛してくれる人の存在に応えたいと思う彼の気持ちが,騎手としてさらなる輝きを増す気がしてなりません。年齢的にも入籍もちょっとばかり私の方が先輩ですが,二人からは見習うべきことが本当に多く,今回の入籍,心から嬉しく思いましたぁ。

 それでは皆さん,また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでした。
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