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ホソジュンのウマなりトーク

細江純子 ホソジュンのウマなりトーク

第20回 運とは!? 祝・オルフェーヴル

 秋のGⅠ戦線も佳境に入ってきましたが,大きな舞台になればなるほど,競馬関係者の中で談義されるのが,「運」というテーマ。

 「この馬は,運を持っているからなぁ~」と言われる仔もいれば,逆に,「この馬は,運がないからなぁ~」と...。
 確かに馬も人間同様,持って生まれた星というものがあるのか?運の強さを感じるタイプとそうでないタイプに分かれます。

 例えばですが極端な話,ディープインパクトのような圧倒的な能力を持った世代に生まれた同級生は,明らかに運の多くをディープに吸われた感じ...。

 そしてこの秋のGⅠ戦線で,その運のなさを改めて感じたのが,私の大好きな馬の1頭,ビービーガルダンです。発走直前の放馬で出走取り消しとなったGⅠスプリンターズS。実はレース前,ゲート内でのこれまでの雰囲気から,あまり中で待たされない枠,偶数枠がほしいと話していた佐藤哲三騎手。それが...13番。しかも枠入りに時間のかかる馬もいた状況下...。そして結果は,同じ前走のキーンランド組の1・3着馬。

 競馬にタラレバは禁物ですが,前走2着で,しかも当日の返し馬では,「これまでに感じたことのなかったほど,馬の状態が良かった」と,悔しそうに話していた哲三騎手の言葉。

 考えてみれば,このビービーガルダンはGⅠで2回2着。しかもともにハナ差。2年前のスプリンターズSに関しては,長い長い写真判定の末で,場内そして関係者からも,同着でいいじゃないかとの声が上がるほどの内容でした。しかも時計勝負は苦しいと言われていたビービーが1分7秒5の走りを見せて...。振り返れば振り返るほど,かわいそうになってくるビービー。

 その一方で今回,出走時刻が遅れ,ゲート入りをしなおしたことがプラスに働いたのが,勝利したカレンチャンです。レースを振り返り,管理される安田隆行調教師は,「池添君も話していたけど,最初のゲート入りのまま発走していたら,馬も気負っていたので,激しい先行争いに巻き込まれ,厳しかったと思う。枠入りをやり直したことによって,馬の気合いがフッと抜け,前を追いかける形になったのが,良かった」と。

 競馬にタラレバは禁物と言われますが,ほんのちょっとしたことが,大きな別れ道となるのも事実。

 今回も,もしビービーガルダンが13番でなく14番だったら...?

 まぁだからこそ,競馬は筋書きのないドラマであり,一つとして同じレース,同じ結果はうまれないのでしょうね。
GⅠを勝利するということは,能力はもちろんですが,それ以外にも大事なことがいくつもあり,これが「運」というものなのかもしれません。

 さぁ,そしてオルフェーヴルが,史上7頭目となる3冠を達成!
 兄・ドリームジャーニーで培われた絆が,弟へと受け継がれ,大輪を咲かせたその瞬間に,私も胸が熱くなりました。もともとこの血統は気性の激しさを持ち,人間との会話が難しいタイプ。オルフェーヴルも,デビュー戦ではゴール後,騎手を振り落とし,2歳の重賞戦では折り合いを欠いての大敗も...。

 それだけに,一つボタンを掛け違えれば,勝利どころか,競走馬としての生命も危ぶまれていた可能性は十分に考えられます。
やはり今回の偉業の裏には,「池添騎手と厩舎陣営が信頼関係を結んだ中で,馬作りができた」,このことが非常に大きかったのではないでしょうか。レースの強さもさることながら,このオルフェーヴルの走りは,大切なことを改めて提示していた気がしてなりません。

 おめでとうオルフェーヴル!そして,ありがとうオルフェーヴル!

 それでは皆さん,また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでした。