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第121回 新型コロナウイルスの競馬界への影響に思う ~武豊騎手から発せられるコメントの力~

2020.04.17
 このコラムが掲載される頃、新型コロナウイルスはどうなっているのでしょうか...?

 そして経済は...?

 競馬も無観客が続き、静けさの中での開催が行われていますが、景色や歓声の違いはもちろんのこと、3階席のパドックブースに入ると、パドックを周回する馬たちの蹄の音や、隣の部屋のパドック実況も聞こえ、普段とは違う音が耳に入ってきます。またある騎手によっては、「普段はいれ込む馬がいれ込まず、それもあって勝利できた気がする」との声も聞こえれば、「普段のパドックの様子と、さほど馬の様子は変わらなかった」と愛馬を曳く担当者の方の意見も。

 当初は、大変な事態と思いながらも、時間とともに収束していくと思っていましたが、世界各国で死者数が増え、外出禁止や渡航禁止措置をとる国もでてきている状況。

 対応策の違いに、日本はこのままの状況でいいのだろうか?と、心配になるとともに、子育てをする上で不安になるのが、子供たちの消毒。「子供のうちは免疫をつける為にも、触れるべき菌がたくさんある。だから公園での砂遊びなども大事」と言われて育ってきたところも。

 今回の件以降、至るところに消毒スプレーがおかれ、子供たちが手にしている姿に、皮膚組織への影響も含めて疑問に感じてしまいました...。

 馬でもそうですが、海外進出が盛んになればなるほど、いかに普段において薬や治療に頼りすぎずにすごせるかが、それがいざという時に、効果があるとのこと。

 今後は、新型コロナウイルスに対するワクチンの製造に期待をするしかありませんが、その一方で、また新たな菌やウイルスがうまれ、ボーダーレスとなった現代においては再び全世界を震撼させる状況になってもおかしくないようにも...。

 個人レベルでは清潔を保ち、日ごろからの免疫力を高めておくしかないのかな?と思うところも。

 よって私自身は、食べ物に気を配り、できる範囲ではありますが、大豆や野菜、発酵食品を取り入れての自炊を心がけています。

 さて、そのコロナの影響により、ドバイワールドカップも中止に。

 仕方のないこととはいえ、サウジアラビアからドバイ入りをし、調整を続けてきた馬や人、そして東西のトレセンから出国し、現地入りをした陣営にとっては言葉を失う状況でしょう。

 と同時に、調整をしてきた馬たちの気持ちの面でのガス抜きができないまま飛行機での帰国となると難しさや危険も生じるようにも思え、様々な面で大変さを感じます。

 またこういった事態となった際、毎回思うことの1つが、武豊騎手から発せられるコメントの力。特にそれを感じたのが、雪で開催が中止となった際、「天気だから仕方のないことだけど、調整ルームの窓から、夜や今朝も除雪をする姿を見ていた。その方々のためにも開催したかった」と。

 雪や今回のコロナによる中止は、誰のせいでもないと同時に、関係者は皆、一丸となって開催に向けてベストを尽くした果ての結果。

 だからこそ、武豊騎手のコメントは、中止という事実に深い視点で納得させられますし、寒い中、雪かきをされた方々の気持ちも救われるもの。

 そういえば以前、勇退されたある調教師の奥さんが、「武豊騎手のデビューによって、世間からの競馬のイメージが変わった。昔はギャンブル色も強く、競馬関係者ということで肩身の狭い思いをすることもあったから...本当に有難い」と話されていらっしゃったことも。

 どの世界でもそうですが、トップに立たれる方の人間力というのは、本当に大切なことであると今回いろいろなことがある中で感じた月でした。

 それでは皆さん、また来月お目にかかりましょう。

 ホソジュンでしたぁ。

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