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川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

川島正行厩舎 川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

はじめまして! 川島正行厩舎です。

 「厩務員さんは日頃どんな仕事をしているのですか?」「大好きなあの馬をどんな人が世話をしているのか知りたい」「馬をもっと身近に感じたい」・・・

 競馬好きなみなさんからのそんな声を耳にすることがあります。私自身、この仕事に携わる以前、そして今もそういう思いを抱いています。

 はじめまして。

 今回から船橋競馬・川島正行厩舎のリポートをお届けする阿部典子です。普段は千葉県調教師会のWEB制作、川島正行厩舎や矢野義幸厩舎の公式サイトの運営、船橋競馬の広報誌SYUN-MEの編集、うまステの携帯サイト内にある厩舎探訪のコーナーのミニコラム書きなど、どっぷり「船橋競馬三昧」な生活。仕事の内容をひとことで言えば、"厩舎とファンのみなさんを繋ぐ橋渡し的な立場"になるでしょうか。競馬ファン、馬好きであれば、きっとこういうシーンを観て、こういうことを知りたいのでは・・・と、自身が厩舎に通う以前に抱いていた気持ちを元に、馬や厩舎のみなさんのことを伝える日々を送っています。


 さて、早速ですが川島正行厩舎と聞いてみなさんが思い浮かべるのはどんなイメージでしょう。

 世界の大舞台・ドバイWCにも参戦したNARグランプリの常連、「川島軍団」とも言われる地方競馬最強厩舎というイメージでしょうか。あるいは「強い馬作りを目指すと共に、見せる競馬・魅せる競馬でファンに楽しんでもらいたい」という川島正行調教師の存在感でしょうか。これからはこのコラムを通じて、川島正行厩舎の新たな一面や、所属馬たちの素顔、厩務員さんと馬との触れ合いなどを知っていただき、より競馬を楽しんでいただければと思っています。

 今回は初回ということで川島正行厩舎のおおまかなプロフィールをお伝えしましょう。

 川島正行厩舎は1990年開業。初出走は1990年7月25日でその翌日に初勝利を挙げ、2010年3月現在厩舎開業通算1000勝目前となっています。もともと騎手だった川島正行調教師は千葉県山武郡松尾町(現・山武市)出身。騎手として1977年にホウユウヒダカ、78年と79年にエドノボルでダイオライト記念3連覇を果たしています。

 騎手としても輝いた成績の裏では、育ち盛りでたくさん食べたい年頃の見習い騎手時代に減量に苦しみ「3日間レモンだけをかじって過ごしたことがあるんだ。辛くてふとんにもぐりこんで耐えていたんだよ。」そんな話を伺ったこともありました。そのせいもあり「食べられることは幸せだ。一緒に食べられるのは楽しいよ。みんなに喜んで食べてもらうのが嬉しいんだ。」と祝勝会の席などでは「どんどん食べなさい。」「ちゃんと食べてるか?」と周囲に気を配る姿もよく見かけます。以前、早朝に厩舎に行った際には「アベちゃん、朝早かったからお腹すいてるだろ。これ食べなさい。」とパンを手渡されたこともありました。

 その川島正行調教師が管理する"川島正行厩舎"。初めて訪れたみなさんが口を揃えておっしゃるのが「きれい!!」という言葉です。厩舎というと馬がいて、寝藁があって、独特の臭いが漂っていて、汚れていて・・・という印象をお持ちの方も多いかも知れませんが、川島正行厩舎にいらした皆さんからは「馬房に住めそう」という声をよく耳にします。馬が好きな方ならなおさらそういう思いをお持ちになるのかも知れませんね。

 馬房では寝藁は使わずチップを使用。馬房特有の臭いも非常に少ない環境になっています。掃除は徹底され、厩舎内の通路にはゴミひとつなく、午前の作業時間後には厩務員さんたちが箒で掃いた跡がきれいに残り、例えれば庭園「川島正行厩舎の枯山水」といった雰囲気。壁などに落書きが多い場所では犯罪が増える、粗悪な環境では精神が不安定になりやすいといった調査結果を聞いたことがありますが、馬も生き物。やはり清潔で快適、風通しの良い環境で過ごしていれば、その能力を損なうことなく発揮できる状態になることでしょう。一度バナナやニンジンの箱の蓋が開けっ放しになったままだった時には「誰だ?!こんなんじゃダメだろう!」と躾に厳しい川島正行調教師から声が上がりました。恥ずかしながら私も以前厩舎の事務所入口で「(あがる時は)入口に置いてある靴が乱れていたらそれを直して入るんだよ、女の子なんだから(笑)」と言われたことも・・・。

 また、川島正行厩舎ではBGMとして小鳥のさえずりを流し極力自然に近い環境にして馬がリラックスできるようにしています。4年連続NARグランプリに選ばれているフリオーソなどは馬房で丸くなり、寝息で鼻先のチップをふわふわ飛ばしながら気持ち良さそうにお昼寝していたりもするんですよ。それはまさに安心できる環境だからこその姿。このように馬房環境だけではなく、飼葉など全ての面において馬に良いことは惜しまない、馬のためになるなら・・・その一言に尽きるといった印象です。

 現在川島正行厩舎で馬の世話をしている厩務員さんは22人。ベテランの多田圭治厩舎長を筆頭に馬と向き合う日々を送っています。調教や手入れに丁寧に時間を割き、そういった時間のほかにも馬とのコミュニケーションを大切にしている日々のその積み重ねが"結果"に繋がっていると言えるでしょう。

 この原稿は雨続きから久し振りに晴れた、春の訪れを思わせる朝に書いています。馬産地では新しい命が生まれ、育まれる季節。もしかしたらこの朝生まれた仔馬が2年後にここ川島正行厩舎に入厩してくるかも知れません。そんな未来への想いを抱けるのも競馬の素晴らしいところですね。この先、このコラムを通じてそういったこともみなさんと共有していければと思います。

 今回は川島正行厩舎のプロフィール、おおまかな紹介をさせていただきました。次回はどんなお話をしましょう。この先、たくさんのことをみなさんにお伝えしていけることが楽しみです。