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川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

川島正行厩舎 川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

"年に1度"と"日常"の同居 千葉サラブレッドセールの1日

 4月から始まったこのコラムも今回で3回目となりました。その間に、船橋競馬場の春の大イベント・かしわ記念(JpnI ダート 1600m)に所属馬フリオーソが出走。結果は惜しくも2着でしたが強豪エスポワールシチーを相手に大歓声の中激しい一騎打ちを繰り広げました。

 また、かしわ記念前日には3歳馬による重賞・東京湾カップ(SIII ダート1700m)が行われ、所属馬マグニフィカが優勝。4ヶ月の休み明けとなったこのレースを制し、6月2日、大井競馬場で行われる大舞台・東京ダービー(SI ダート 2000m)に向けて大きなはずみをつけました。

 レースでの姿にはさすがアスリート!というものがありますが、どちらの馬にも共通しているのは馬房でのしぐさがとてもおだやかで人懐っこいということ。走る馬はメリハリの付け方が上手だといいますがこれはこの2頭にも当てはまりそうです。

 さて、去る5月17日。船橋競馬場で千葉サラブレッドセールが行われました。数日前までは雨の予報でしたが、当日は初夏の陽射しが注ぐ中、例年以上にたくさんのお客さまが来場し大盛況!先ほど登場したマグニフィカの半妹にあたるフサイチエレガンスの牝馬(2歳 父マンハッタンカフェ)も上場・落札されました。

 兄姉の活躍からもセール前から注目されていた1頭で、この先どんな走りを見せてくれるのか気になるところです。セール終了後には吉田照哉代表理事から「全体的に育成段階のレベルも上がり、調教供覧での騎乗者の技術も向上。それによって血統や馬体に時計という付加価値が加わった印象」という感想も述べられ、売却された馬たちの活躍がより期待されるセールとなりました。

 このセールは船橋競馬のジョッキーや厩務員さんもお手伝いするのが恒例で川島正行厩舎のスタッフも朝早くから参加していました。慣れない環境にやって来てたくさんの皆さんの前に立つ若駒たちと過ごすセール。もちろん馬によって違いはあるものの、馬と人との精神的な信頼関係がより大切だということです。

 普段一緒に過ごしている牧場スタッフのみなさんにそばにいてもらえる馬もいますが、そうではない場合、この場所を知り尽くす厩舎スタッフやジョッキーが携わることで上場馬たちも安心できるのかも知れませんね。人間も初めての場所に行った時に頼れる誰かがそばにいてくれるだけで心強くなりますから、おそらく馬も同じ気持ちなのではないでしょうか。

 この千葉サラブレッドセール当日は競馬場では数少ない"全休日"でしたが、セールのお手伝いに加え、厩舎では馬たちの食事の用意や馬体のお手入れなど普段と変わらない光景が見られました。

 "全休日"と言われないと気付かないほど。やはり何よりも欠かせないのは馬たちの最大の楽しみであるご飯の用意。空腹にお休みはありませんものね。食事の内容はその馬ごとに違っていますが、おなじみのニンジン、大根やバナナ、ゴマなど"おいしそう!"なものがトッピングされ、それぞれに工夫が凝らされています。

 スタンドの西側ではセール会場の撤収が行われ、東側にある厩舎地区では馬たちが幸せそうに食事をするいつもの午後の風景。彼、彼女たちのほとんどがかつてこういったセールを経験してこの場所にやって来た存在。そう思うとこの日出会った馬たちがそれぞれの地で活躍することを祈らずにはいられません。

 今回、セールということで川島正行調教師に馬を見る時にはまずどこを?と尋ねてみました。その答えは・・・「馬を見る時はまず顔だね。いい馬はいい顔をしているんだ」とのこと。「人間だって同じだろう。ぽかんとした顔してちゃだめだよ」と・・・この"いい顔"とは造りの問題だけではなく、内側からのものも大切だということでしょう。うーん、なんだか自らの表情を鏡で確認、反省したいような・・・。

 「セールが盛り上がるためには、競馬場で馬が結果を出し続けることも大切。そのためにもいい馬、強い馬作りを進めていきますよ」と川島正行調教師。「競馬場に足を運んでいただきたい」と川島調教師も常々言っていますが、いい馬、強い馬を作るためにはみなさんからのご声援も大切なエネルギー。目の前で走る全ての馬たちが、馬産地や育成先などでたくさんの人たちの手を経てやって来ました。ぜひ競馬場に足を運んで、馬たちを応援してあげてくださいね。