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川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

川島正行厩舎 川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

生きものだもの

 2010年7月5日、川崎競馬第5レース・ダート 1500m。このレースに出走したアミーゴ(3歳牝馬 父スペシャルウィーク 川島正太郎騎手騎乗)の勝利で川島正行厩舎は通算1000勝を達成しました。1990年の開業以来3481戦目での大きな節目。地方競馬全国協会による記録が残っている1973年(昭和48)以降では南関東地方競馬初の記録となりました。この勝利直後から各方面からの取材やお祝いで厩舎は賑やか!「けして短い道のりではありませんでしたが、いいオーナー、いい馬、いい厩舎スタッフに恵まれ、みなさんからのご声援のおかげです」と川島正行調教師。魅せる(見せる)競馬のオシャレのポイント・帽子コレクションが収められている事務所の棚にも胡蝶蘭などのお祝いのお花がたくさん飾られています。7月の船橋開催では表彰式が行われる予定。1000勝については表彰式での様子も絡めて次回改めてお届けしたいと思います。

 さて、この季節は2歳馬たちの入厩などもあり、いつにも増して厩舎内に華やいだ雰囲気が漂います。「新しい仔入ったよ、見た?」「すっごくかわいいよ」「あの馬の弟(妹)だよ」と聞き、わぁ~会いたい、どこ?どんな仔?と様子を見に行くのも楽しみのひとつ。
実はこのとき、なんとなく・・・ではありますが、牝馬より牡馬の方がフレンドリーに迎えてくれることが多い?!ような気がします。馬にも個々の性格やその時々の気分があるので、全部が全部とは言い切れませんが、今までの経験上、他の厩舎の馬も含めて、やっぱり「女同士の初対面は警戒しちゃう?」といった印象です。慣れれば仲良くしてくれるのですが・・・。
そういえば牧場での繁殖牝馬の放牧地ではママさん馬たちの派閥があると聞いたことがありました。牝馬の中には自分のお世話をしてくれる厩務員さんが他の女の仔に関わっているとヤキモチを焼く馬もいるようですし、かわいいかわいい、とお姫さま状態で大切にされた馬は気高いとも聞いたことがあります。所属馬ではエロージュあたりはとてもきれいな顔立ちをしている上にかなり気高い印象。その顔立ちはまさに「凛としている」という表現がぴったりで、「遊んでぇ~」と自ら寄り付くタイプではありません。また、他の牝馬の話ですが、厩務員さんに「懐っこい馬ですよ」と紹介されたにも関わらず「あなた誰よ?」という視線を向けられ「あら・・・」となったりすることも。もちろん最初から親しんでくれる牝馬もいます。
逆に牡馬では「こいつ、女の人には懐っこいんだよねぇ」なんて言われる馬(例えばスマートインパルス)も少なくありません。"激しく懐っこい"ルクレルクの馬名は"戦車"が由来ですが、じゃれ具合はその名の通り迫力満点。馬房の奥から入口までの短い距離を全力でドドドド!!!と近寄り、顔を出して「うわぁ~!」「構って~!」とブンブン頭を振ったり顔を寄せたりしてその気持ちを表現するタイプ。対照的にカントリーダンスは大きな馬体の持ち主ですが、気持ちもおおらかなようで、「いつも食べてる」と言われ、顔を抱かれても撫でられても「も。。。。。」としたまま。レースでの迫力ある走りからは想像できないほどの癒し系。彼の前に立つひとの多くは"癒され系"になってしまいそうです。
牡馬と牝馬。異性に対する対応。人間と馬という違いはあっても同じ生きものである以上、そのあたり本能的なものが働いているのかも知れませんね。もちろん、お仕事を共にする厩務員さんやジョッキーと、馬たちとの繋がりはこの内容だけでは収まりきらないものもあるようです。ちなみに馬は担当厩務員さんに似てくる、なんて話も聞いたことがありますので、パドックでの様子などチェックしてみても楽しそうです。

 現在船橋競馬場では11月3日の競馬の祭典・JBCに向けて場内の改修・改善工事も行われるなど、よりお客さまに楽しんでいただける競馬場造りが進められています。今年度から平成23年度までの2年間、千葉県調教師会の会長という新たな重責も担うこととなった川島正行調教師。何よりもまずは「多くのみなさんに競馬場に足を運んでいただきたい」という想いが強いことが伺えます。みなさんに応援していただきたいという思いで馬名を募った所属馬「キアオラ」も近々デビュー予定。キアオラは南半球生まれ。若い牝馬ですが落ち着きのある佇まいに「海外の馬はゆったりした気性が多いね。雄大な大地のせいもあるかも知れないね」と川島正行調教師。間近で見ればきっと競馬の楽しさは何倍にも膨らむことでしょう。馬たちが目の前にいる競馬場へ、ぜひご来場ください。