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川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

川島正行厩舎 川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

フリオーソ 大丈夫です

 9月23日、船橋開催4日目。日本テレビ盃(JpnII)に出走するはずだったフリオーソが競走除外になったという衝撃のニュースが流れました。地方競馬の王者が地元船橋での大一番に登場ということもあり、朝早くから多くの皆さんが競馬場に足を運んでくださっていた中での除外。そういったことをよく知っているだけに、この件について川島正行調教師も沈痛な面持ちで次のように語りました。

 「楽しみに待っていてくださった皆さんには申し訳ない気持ちです。今回は当日の馬の状態をよく見極め、ここで無理をさせてはいけないと言うことで大事をとり出走を断念しました。こんな時はじたばたせずに、"その時"が来るのを待つのが大切でしょう」

 当日、競馬場内でも「フリオーソの除外はショック」「症状は?」「大丈夫なの?」という心配の声もたくさん聞こえ、改めてこの馬の存在の大きさを感じる出来事にもなりました。幸いフリオーソは大事に至っておらず、次走を視野に入れ、厩舎での時間を過ごしています。

 大事には至らなかったことは幸いでしたが、除外が発表されて間もなくの"フリオーソから出ている雰囲気"からは「騒がせてゴメンなさい」という気持ちが伝わってきたような・・・。気分のいい時、調子のいい時には馬房に立ち寄ると、お気に入りの立ち位置から「来てくれたんだね」とパッと明るい表情で駆け寄って来るのが常ですが、この日は馬房の奥で脚先をちょこんと立てる"休め"の姿勢のまま。顔だけをこちらに向けチラリと視線を送る仕草。賢いフリオーソだけあって、それはまるで"除外の責任"を感じているような「そっとしておいて」と言っているような様子でした。

 それでも、担当の波多野さんが近寄ると「ニンジンちょうだいよ」と駆け寄って鼻を鳴らし、連れ出された洗い場では鼻先をクイっとさせるお馴染みの表情。「この通り、大丈夫だよ」と担当の波多野さん。応援してくださっている皆さまにはたくさんのご心配をおかけしましたが、ご安心いただければと思います。

 さて、ここからは9歳となっても重賞を制覇し、まだまだ健在のマズルブラストについてお話していきましょう。5月に大井記念(SII)を制し、8月のサンタアニタトロフィー(SIII)で2着。9月14日に行われた大井の東京記念(SII)でも2着となり、まだまだやれる若々しさと大舞台慣れした安定した走りを見せつけてくれました。このレースでは混戦となる中で堂々の1番人気。得意のコースで58キロを背負っての奮闘に「斤量が同じなら・・・」とコンビを組んだ戸崎圭太騎手もレース後語っていた通り、今後の活躍もまだまだ楽しみな存在です。

 このように、ダートの猛者らしい渾身の走りを見せてくれるマズルブラストですが、馬房ではおとなしく、そばに行けばふんふんと鼻を寄せてくれる愛らしい一面も持ち合わせています。この春、放牧先で震災を体験し、その後のメンタル面でのケアも重要課題のひとつでしたが、厩舎に戻ってからはクラシック音楽が流れる馬房で精神的にもゆっくり過ごせる環境にするなど、普段の生活から積み重ねたケアが実を結んだ結果とも言えそうです。

 現在は宮城県の山元トレーニングセンターに放牧に出て来期に備えているマズルブラスト。川島正行調教師、そして担当厩務員の多田さんも絶賛するそのガッツ溢れる走りを再び皆さまの前でお見せできる日も遠くはないはずです。

 一方で、9月23日のレース終了後には、船橋競馬所属騎手による被災馬支援のためのチャリティー活動も行われました。川島正行厩舎所属、騎手会の会長としても積極的に支援活動に協力している佐藤裕太騎手が中心となり、各ジョッキーがファンの皆さんと一体となってのチャリティー活動となりました。

 秋も深まり、ダート路線もクライマックス到来の季節。今後も所属馬、騎手へのご声援をよろしくお願いいたします。