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川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

川島正行厩舎 川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

年男マズルブラスト健在です!

 馬好きには特別感いっぱいの午(うま)年。その年明け間もない川崎の大師オープンで、2002年うま年生まれの年男・マズルブラストが12歳での先頭ゴール!人気薄ながらもベテラン馬らしい堂々とした競馬で"マズルブラストまだまだ健在"を大いにアピールしました。

 手綱を取った御神本訓史騎手によると「12歳馬ですが、乗っていると7歳馬くらいの印象」とのこと。御神本騎手とのコンビで多くのファンを魅了したフジノウェーブと同世代ということもあり、マズルブラストの大師オープンでの勝利は多くの人に感動を与えるものとなりました。

 そのマズルブラスト。多田厩務員から引き継いだ飯田厩務員とも名コンビぶりを発揮。洗い場での"ふたり"はまるで会話をしているかのような雰囲気もあります。マズルブラストは飯田さんを信頼してすっかりリラックス。顔を拭いてもらう時にはちょっとした隙を見てスポンジをパクリと咥える遊び心を見せ、飯田さんが「返して」と手を差し出す・・・。その様子は"馬と人のハッピーな時間"を感じさせて、見ている側もシアワセな気分にしてくれます。

 多田さんが担当していた頃には紐を束ねた手作りの"もだわら"で馬体を磨いていたそう。以前、古い"もだわら"を見せてくれた多田さんが「これでマズルの手入れをしていたんだよ。マズルの毛、まだ付いているかな(笑)」とマズルブラストへの愛情いっぱいの口調で話してくれた時のことは、今でもよく憶えています。

 そんな風に、ひとつひとつ大切に積み重ねてきた時間が12歳のマズルブラスト勝利という大きな喜びを運んでくれたのでしょう。
 今回の勝利で、来年も南関東競馬に所属できる権利を得たマズルブラスト。代々の担当厩務員さんや牧場スタッフに、競走馬として大切にされながら歩む道は、まだこの先も続いて行きます。

 ちなみに、飯田厩務員になってからのマズルブラストは「頑張りまずる」の刺しゅう入りのメンコでもお馴染み。その下の素顔は短めに揃えてもらったパッツン前髪がとってもチャーミング。馬房の扉に鼻を寄せる人懐っこさも健在です。

 さて、地元船橋での今年最初の重賞となった船橋記念(SIII)では、ナイキマドリードが3連覇を達成しました。ゴールの瞬間には普段は控えめな川島正太郎騎手が「よっしゃー!」と雄叫びをあげて喜びをいっぱいに表わすほどのアツいレース。

 前走の浦和のゴールドカップ(SIII)で5着になった時には、思った通りの騎乗ができずにぐっと悔しさを噛みしめ、報道陣の問いかけには絞り出すように「僕のせいです・・・」と語っていた正太郎騎手。船橋記念での優勝は、ナイキマドリードが得意とする浦和で結果を出せなかった無念の思いを乗り越えて掴んだ、渾身の勝利でした。

 「3連覇はなかなかできないね。毛ヅヤもいいし8歳だということを忘れるような走りを見せてくれました。今回のレースはジョッキーが焦らずに3、4コーナーで我慢したことが勝因のひとつでしょう。前がちょうど開いたタイミングでいい脚を使えましたね。競馬はいろんな経験をしないとね。天才といわれる人でもやっぱりいろいろな経験を積んでいる。乗りたい馬がいても乗れないという苦しさがあったりもするだろうけど、それを乗り越えて、その馬に他の騎手が乗っているのを見ていろいろ覚えていくこともあるわけだから。そういう苦しさも大切ですね」と、自らも騎手として切磋琢磨した経験を持つ川島調教師。「いつも叱ってばかりだから、今日は褒めてやらないと(笑)」と、父親の表情も垣間見せていました。

 なお、2010年のジャパンダートダービー(JpnI)を制し、重賞路線で頑張っていたマグニフィカが、笠松・川嶋弘吉厩舎に移籍しました。1月24日には移籍初戦となる東海クラウンに出走し2着になっています。船橋の馬房ではいつも人なつっこく鼻を寄せてくれたマグニフィカ。笠松の皆さんにも愛される存在となりますように。