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川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

川島正行厩舎 川島ファミリーがゆく! 馬道ひとすじ

佐藤裕太新調教師誕生!1番弟子の旅立ち

 6月18日、船橋競馬場で佐藤裕太調教師の"騎手引退式"が行われました。

 6月1日付で"佐藤裕太調教師"ですが、騎手として臨んだ引退式。今回は"佐藤裕太騎手"として綴っていくことにしましょう。

 これまで、騎手会の会長として何度となくファンの皆さんに向けてメッセージを発信してきた裕太騎手。その時は「どんなことを伝えるか」をあらかじめ考えて皆さんの前に立っていたそうです。

 しかし、引退式のこの日は、その場に立って、今の気持ちを言葉にしたいと、ひとことひとことを噛みしめるように、時折こみ上げる思いに言葉を詰まらせながら、集まった多くの皆さんに真っ直ぐに語りかけました。

 21年2か月の騎手生活の間、いくら調教で頑張って仕上げても、レースで乗れず、たくさん悔しい思いをしてきた・・・率直に語られたその言葉の重み。その奥深くにある、本当の悔しさや複雑な思いは、裕太騎手以外の誰にも分からないものなのかも知れません。そんな思いを抱えながらも「馬のため、関係者のため、ファンのため、応援してくれている誰かのため」と、自らの仕事を全うして来た姿は、唯一無二の存在でした。

 そんな裕太騎手の誠実さや、そこから伝わってくる競馬への愛情や熱意は、周囲の人々にしっかりと伝わり、やがてそれは"佐藤裕太騎手"を中心にした大きな輪となって、船橋ケイバが前に進むための力となってきたのだと思います。

 開業から苦楽を共にした1番弟子の新たな旅立ちに、感無量の表情を見せていた川島正行調教師からは、自ら師と仰ぐ北島三郎氏から送られたという言葉と、画家・東山魁夷氏の代表作で、青森の牧場の風景を描いたとされる『道』について語られ、「急ぐと転んでしまう。だから、急がず、焦らず、ゆっくりと、地に足をつけて歩いて行って欲しいですね。よくここまで頑張ってくれました。馬や自分を大切にしながら、佐藤裕太はここまで大きくなったよというところを、ファンの皆さんに見せてあげてください」と、はなむけの言葉が送られました。

 佐藤裕太厩舎の厩舎カラーは勝負服のピンクと白、そこに黒を加えたもの。すでに完成している厩舎のマークは佐藤調教師自らがデザインしたもので、そのマークの中に記された"YUUTA HORSE RACING TEAM"という言葉からは、佐藤調教師の"和"を大切にする気持ちが伝わってきます。来年年明けに予定されている開業が待ち遠しいですね。

 さて、6月18日は川島正行調教師にとっても盛りだくさんの1日となりました。6月1日付で騎手免許を取得した元厩務員の仲野光馬(ナカノカヅマ)騎手が、この日の3R、デビュー2戦目で初勝利。開催初日に行われた『新人騎手紹介式』では、仲野騎手を呼び止め、「お客さまの目の前に、そんな汚れたブーツで行くな」と川島調教師自らが身だしなみをチェックする一幕も。騎手になる夢を追いかけながら、下働きを続けていた仲野騎手。研究熱心な24歳は「いつか川島正行先生に認めていただきたいです」と語りました。

 また、この日のメインレース・京成盃グランドマイラーズ(SIII)ではトーセンアドミラルが川島正太郎騎手を背に、人気に応えて重賞3勝目。「裕太さんのためにもどうしても勝ちたかった」と大きなガッツポーズで喜びを爆発させた正太郎騎手。引き続き調教に携わっている佐藤裕太調教師の騎手引退式に花を添えました。

 6月開催最終日には、マニエリスムの全弟・カンジャンテが2歳新馬戦で勝利。姉にはあまり似ていないとのことですが、「装鞍所での仕草や、擦り傷を負う場所、パドックで引っ張る時に力がかかる部分なんかはマニエに似ているね」と多田厩務員。

 裕太騎手の調教師としてのスタートという、厩舎にとって大きな節目を迎えた月は、新人騎手のデビューや2歳新馬勝ちなど、新たな始まりを感じさせる季節にもなりました。引き続きご声援よろしくお願いいたします。