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架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

綱本将也 架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

第16回 架空:第78回東京優駿

馬名:オールフェイス
毛色:栗毛
父:ステイゴールド
母:エキゾチックアート
母の父:メジロマックイーン
クロス:ノーザンテースト M3×S4
生涯成績:8戦4勝(現役中)
主な成績:東京優駿(GⅠ)、皐月賞(GⅠ)、スプリングS(GⅡ)


馬名:グランドフレスコ
毛色:栗毛
父:タニノギムレット
母:マンハッタンフィル
母の父:サンデーサイレンス
クロス:Hail to Reason S4×M4、Graustark S4×S5
生涯成績:6戦3勝(現役中)
主な成績:京都新聞杯(GⅡ)

 今年の東京優駿は皐月賞馬オールフェイスが優勝し、二冠達成。
 2着は、京都新聞杯馬グランドフレスコだった。この結果は、過去の東京優駿の歴史を紐解けば、あまりにも順当な結果だった。

 1970年以降、41頭の皐月賞が誕生したが、21/2馬身以上差をつけて勝った皐月賞馬は、7頭いる。彼らの皐月賞での着差と、東京優駿での成績を見てみよう。

1位 76年トウショウボーイ =5馬身 :2着
2位 94年ナリタブライアン =31/2馬身:1着
3位 73年ハイセイコー   =21/2馬身:3着
    75年カブラヤオー   =21/2馬身:1着
    77年ハードバージ   =21/2馬身:2着
    92年ミホノブルボン  =21/2馬身:1着
    05年ディープインパクト=21/2馬身:1着

 以上のように、すべて3着以内に好走していた。
 この7頭のうち、トライアルである弥生賞もしくはスプリングSも勝っていた皐月賞馬は5頭で、うち4頭が二冠馬に輝いた。敗れたのは、3月以降に4戦も走り、消耗していたと思われるハイセイコーのみ。

 今年の皐月賞馬オールフェイスは3馬身差で圧勝。歴代3位の記録である。さらに3月以降に2戦しか走っていず、消耗していなかった。

 皐月賞での3馬身差は、圧倒的なライバルたちとの差と同義で、二冠達成へのパスポートでもあった。そしてその差は、皐月賞で敗れ去ったライバルたちに戦意を喪失させるに十分だった。

 94年以降誕生した二冠馬は5頭。その二冠馬たちに迫った2着馬たちには共通点があった。

 94年エアダブリン、97年シルクジャスティス、03年ゼンノロブロイ、05年インティライミ、05年アドマイヤメイン。すべて皐月賞には出走していなかった馬で、前走、青葉賞か京都新聞杯(※前身の京都4歳特別含む)を勝って、勢いに乗って参戦してきた馬たちだった。

 また5頭のうち4頭までが、二冠馬と未対戦の馬たちだった。二冠馬の強力な能力を、身を持って体感していなかったからこその肉薄だったのだろう。彼らは怖いもの知らずの馬たちだった。

 グランドフレスコは、オールフェイスとは東京優駿まで未対戦だった。怖くなかった。青葉賞馬バリアウィナーは、オールフェイスとの対戦があり、怖かった。

 恐怖感の有無が、両者の成績を分けたのだ。


 今年の東京優駿は5月29日。
 あなたは、二冠馬誕生の瞬間、強烈なデジャ・ヴに襲われる。

 ......はず。