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架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

綱本将也 架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

第21回 架空:第72回 菊花賞

馬名:アメンラー
毛色:黒鹿毛
父:ディープインパクト
母:クイーンオリーヴ
母の父:Lycius
クロス:Lyphard S4×M4、Northern Dancer M4×S5×M5、Goofed S5×M5×M
生涯成績:8戦3勝(現役)
主な成績:菊花賞 (GⅠ)、きさらぎ賞 (GⅢ)

 トライアル神戸新聞杯を圧勝した二冠馬オールフェイス。最後の一冠、菊花賞での単勝オッズは1.8倍。多くの競馬ファンが三冠達成を信じていた証拠である。
 しかし......。
 オールフェイスの三冠達成の夢を打ち砕いたのは、5カ月前の気まぐれな太陽だったのかもしれない――。

 戦後、良馬場「でなかった」東京優駿を勝ち、菊花賞に駒を進めたのは14頭。その「太陽に嫌われた」優駿たちの菊花賞での成績を並べてみよう。

50.不良 クモノハナ     2着
53.重  ボストニアン    2着
54.稍重 ゴールデンウエーブ 7着
55.不良 オートキツ     2着
56.重  ハクチカラ     5着
59.不良 コマツヒカリ    6着
65.不良 キーストン     2着
68.稍重 タニノハローモア  6着
69.不良 ダイシンボルガード 15着
92.稍重 ミホノブルボン   2着
98.稍重 スペシャルウィーク 2着
01.重  ジャングルポケット 2着
03.重  ネオユニヴァース  3着
06.稍重 メイショウサムソン 4着

 なんと1頭も優勝できていなかったのである。クモノハナ、ボストニアン、ミホノブルボン、ネオユニヴァース、メイショウサムソンは二冠馬だったが、2・2・2・3・4着と惜敗していた。
 力の要る渋った2400mは、3歳春の若駒に幾ばくかのダメージを残してしまうのだろう。
 オールフェイスが勝った今年の東京優駿は不良馬場。もしオールフェイスが太陽に愛されていれば、ダービーウィークに太陽がいっぱいの愛を、東京競馬場に降り注いでくれていたら、オールフェイスは三冠馬になれたのかもしれない。

 太陽に愛されなかったオールフェイスを捻じ伏せ、菊花賞馬の称号を得たのは、古代エジプトの太陽神の名を持つ、アメンラーだった。
 アメンラーには菊花賞を優勝するに相応しい「血の力」を持っていた。
 08~昨年までの過去3年の菊花賞馬には血統的共通点があった。彼らの血統表には、父系と母系の4代前に「同じ種牡馬」の名前が見受けられる。いわゆる「S4×M4のクロス」が生じているのである。

08年 オウケンブルースリ Northern Dancer S4×M4
09年 スリーロールス   Hail to Reason S4×M4
10年 ビッグウィーク   Northern Dancer S4×M4

 菊花賞馬に限らず、08年2着フローテーション、09年2着フォゲッタブル、3着セイウンワンダー、10年3着ビートブラックらも、「S4×M4のクロス」を持っていた。
 今年の菊花賞出走馬のうち、この「S4×M4のクロス」を持っていたのは、アメンラー(※LyphardのS4×M4)ただ1頭だった。


 『sansan』と輝く太陽の光をその背に浴びながら、淀の『san』千mを真っ先に駆け抜け、多くのファンの賞『san』を受けたのは、『san』冠馬ディープインパクトの『son』であり、古代エジプトの『sun』の神の名を持つ、アメンラーだった――。