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架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

綱本将也 架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

第31回 架空:第48回 札幌記念

馬名:フラワーシュート
毛色:栗毛
父:オレハマッテルゼ
母:シャンハイエンゼル
母の父:シャンハイ
クロス:Northern Dancer M4×S5
生涯成績:8戦4勝(現役)
主な成績:札幌記念(GⅡ)、チューリップ賞(GⅢ)

 単勝1.7倍の圧倒的1番人気、昨年の天皇賞秋馬トーゼンジョークが、余裕の手応えで4コーナー先頭の横綱相撲。直線も脚色が衰えることなく、悠々と優勝するかと思われた残り100m。衰えていない横綱の脚色を遥かに超える切れ味で、土俵際の逆転を狙う馬が弾け飛んできた。可憐な3歳牝馬、フラワーシュートだった。その差はみるみる迫り、差し切ったところがゴールだった。

 圧倒的人気を誇っていたトーゼンジョークだったが、死角もあった。
 トーゼンジョークは今年の天皇賞春2着馬だったが、過去10年の天皇賞春2着馬の次走を並べてみよう。

11年エイシンフラッシュ 宝塚記念3着(3番人気)
10年マイネルキッツ   札幌記念7着(6番人気)
09年アルナスライン   宝塚記念6着(4番人気)
08年メイショウサムソン 宝塚記念2着(1番人気)
07年エリモエクスパイア オープン10着(10番人気)
06年リンカーン     宝塚記念9着(2番人気)
05年ビッグゴールド   宝塚記念13着(9番人気)
04年ゼンノロブロイ   宝塚記念4着(2番人気)
03年サンライズジェガー 目黒記念9着(1番人気)
02年ジャングルポケット ジャパンC5着(3番人気)

 成績合計は[0.1.1.8]で、1頭も勝っていなかった。
 さらに、この馬たちのその後の戦績を見てみよう。

11年エイシンフラッシュ 6連敗中
10年マイネルキッツ   6戦目で優勝
09年アルナスライン   2連敗で引退
08年メイショウサムソン 4連敗で引退
07年エリモエクスパイア 5連敗で引退
06年リンカーン     1敗で引退
05年ビッグゴールド   10連敗で地方移籍
04年ゼンノロブロイ   3戦目で優勝
03年サンライズジェガー 8連敗で引退
02年ジャングルポケット 2連敗で引退

 最長距離のGⅠの激戦を駆け抜けた先で、あと一歩足りずに負けてしまった精神的ショックが癒えるまでには、しばらくの時間が必要なのだろう。

 さらに、トーゼンジョークは6歳馬だが、6歳馬の成績は[0.2.1.38]で未勝利。複勝率はわずか7.3%しかなかった。
 トーゼンジョークの敗戦は、約束されていたのかもしれない。

 先頃のロンドンオリンピックでは、日本が躍進。その原動力となったのが、女子の奮闘だったが、札幌記念も女子がもっとも活躍しやすいGⅡなのである。
 1800m以上の古馬混合GⅡは15レースあるが、札幌記念がGⅡに昇格した97以降、牝馬の優勝が最多だったのが札幌記念の6勝。2位が日経新春杯の3勝。
 札幌記念での牝馬の成績は[6.4.2.15]で複勝率は44.4%とハイアベレージ。また4歳以下の牝馬なら[3.3.0.5]で複勝率は50%超。「夏は牝馬」の格言が実感できる重賞なのだ。

 フラワーシュートの重賞優勝はチューリップ賞(GⅢ)だけだが、そのレースで破ったのは、阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)を勝ち、単勝1.3倍の圧倒的1番人気だったジョワドヴィーヴル。彼女はGⅠ馬キラーであり、圧倒的1番人気馬キラーでもあったのだ。

 また能力の裏付けもあった。フラワーシュートはそのチューリップ賞で「上がり3F最速タイム」で優勝していたが、改修後の07年以降、チューリップ賞で「上がり3F最速タイム」で優勝していた馬は、ウオッカ、ブエナビスタ、レーヴディソールの3頭。いずれもGⅠ馬であり、フラワーシュートにもGⅠ級の能力が備わっていた証拠だろう。
 
 札幌記念を優勝した牝馬は、エアグルーヴ、ファインモーション、ヘヴンリーロマンス、フサイチパンドラの5頭。いずれもGⅠ馬だ。
 いずれフラワーシュートも大舞台での金メダルを獲得することになるだろう。