文字サイズ

文字サイズとは?



架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

綱本将也 架空名馬生産牧場 ギャラクティカ・ファーム

第35回 架空:第57回 有馬記念

馬名:トレーラーブレス
毛色:鹿毛
父:ゼンノロブロイ
母:ララエ
母の父:フォーティナイナー
クロス:Mr.Prospector M3×S4
生涯成績:23戦7勝(現役)
主な成績:有馬記念 (GⅠ)、京都記念(GⅡ)、アルゼンチン共和国杯 (GⅡ)

 2012年の有馬記念を制したのは、ブリーダーズカップターフにも挑んだ、これがGⅠ初制覇となるトレーラーブレスだった。トレーラーブレスにはそれだけの能力と、日本馬では唯一となる経験があった。

 89年以降、「ジャパンカップで4着に入着したJRA所属馬」の、「GⅠ3着以内実績」を並べてみよう。


89年スーパークリーク
=天皇賞春1着、天皇賞秋1着、菊花賞1着、有馬記念2着
90年ホワイトストーン
=菊花賞2着、ダービー3着、有馬記念3着
91年メジロマックイーン
=天皇賞春1・1・2着、宝塚記念1・2着、菊花賞1着、有馬記念2着
92年レガシーワールド
=ジャパンカップ1着、有馬記念2着
95年タイキブリザード
=安田記念1・2・3着、宝塚記念2着、有馬記念2着
01年ステイゴールド
=天皇賞春2着、天皇賞秋2・2着、宝塚記念2・3着、有馬記念3着
03年ネオユニヴァース
=皐月賞1着、ダービー1着、菊花賞3着
04年リンカーン
=天皇賞春2着、菊花賞2着、有馬記念2・3着、宝塚記念3着
07年ウオッカ
=安田記念1・1着、ヴィクトリアマイル1・2着、ジャパンカップ1着・3着、天皇賞秋1・3着、ダービー1着、阪神JF1着、桜花賞2着、秋華賞3着
08年マツリダゴッホ
=有馬記念1着
10年ジャガーメイル
=天皇賞春1着、ジャパンカップ3着
11年トレーラーブレス
=なし


 12頭中8頭がGⅠを勝っていて、勝っていなかった4頭中3頭には複数回のGⅠ3着以内実績があった。
 続いて、04年以降の「京都記念優勝馬」の、「GⅠ3着以内実績」を並べてみよう。


04年シルクフェイマス
=宝塚記念2着、天皇賞春3着、有馬記念3着
05年ナリタセンチュリー
=宝塚記念2着
06年シックスセンス
=皐月賞2着、ダービー3着
07年アドマイヤムーン
=宝塚記念1着、ジャパンカップ1着、天皇賞秋3着
08年アドマイヤオーラ
=ダービー3着
09年アサクサキングス
=菊花賞1着、ダービー2着、天皇賞春3着
10年ブエナビスタ
=ジャパンカップ1・2着、ヴィクトリアマイル1・2着、天皇賞秋1着、桜花賞1着、オークス1着、阪神JF1着、宝塚記念2・2着、有馬記念2・2着、秋華賞3着、エリザベス女王杯3着
11年トゥザグローリー
=有馬記念3・3着
12年トレーラーブレス
=なし


 9頭中8頭にGⅠ3着以内の実績があった。
 ジャパンカップ4着に入着するのも、京都記念を勝つのも、GⅠ級の能力がなければならないということなのだろう。
 両方合わせて21頭中、GⅠ3着以内実績がなかったのは、両方に名を連ねるトレーラーブレスのみ。これは裏を返せば、「トレーラーブレスにはGⅠ3着以内の実績はないが、それに見合う能力は備わっている」とも言えたのだ。
 実績面は申し分ない上に、トレーラーブレスは前走で得難い経験をしていた。それも他の出走馬はおろか、日本の現役競走馬の中で唯一の経験だった。

 トレーラーブレスは前走、アメリカのサンタアニタパーク競馬場で行われたブリーダーズカップターフGⅠ(芝2400m)に出走し4着だったが、サンタアニタパーク競馬場の芝2400mのコースは、有馬記念が行われる中山芝2500mのコースを左右ひっくり返したような形状をしている。
 有馬記念が荒れることが多いのは、その小回りでトリッキーなコース形態によるものとも言われるが、サンタアニタパーク競馬場のトリッキーさは、中山芝2500mを超えている。途中でダートコースを横切り、1周は1408mしかない。中山競馬場の内回りは1周1667mであり、日本の競馬場で最も小回りの福島競馬場でも1周1600mだから、その小回りさ加減は群を抜いている。
 ほとんどが東京コース(※1周2083m)か京都外回り(※1894m)からの臨戦になる他の出走馬たちが、小回りでトリッキーなコースに手を焼く中、トレーラーブレスにはこうした大きなアドバンテージがあったのだ。