HOME > お楽しみ > 日本馬の世界挑戦!現地レポート > 2010 フランス凱旋門賞現地取材レポート
馬車に乗ってパドックから本馬場の表彰台に向かいます。
凱旋門賞のレース後のワークフォースWorkforceです。道中はずっとヴィクトワールピサVictoire Pisaの内を進んでおり、常識的には抜け出すのが困難な位置取りでしたが、4コーナー手前で迷わず馬群の中を突き進むと、直線を向いても躊躇せず隙間をどんどん突いて、あっという間にナカヤマフェスタNakayama Festaの内に取り付きました。一旦ナカヤマフェスタの前に出たら、ゴールまで差し返させないのも技ありでした。着差は頭でしたが、現地で見ている限りではワークフォースが着差以上の完勝だったように思います。何よりライアン・ムーアRyan Moore騎手の手腕には舌を巻くばかりです。マイケル・スタウトSir Michael Stoute師にとっても、これが悲願の凱旋門賞初優勝となりました。
凱旋門賞のレース後のサラフィナSarafinaです。レース前は時計のかかって追い込みの利かない馬場では実力は発揮できないだろうと思われており、実際に馬場は重く勝ちタイムが2:35.30もかかっている中、1頭だけ桁違いの末脚を発揮したのには驚かされました。
凱旋門賞のレース後のナカヤマフェスタNakayama Festaです。蛯名正義Masayoshi Ebina騎手の悔しそうな表情は、まさに掴みかけていた栄光を逃した表れに他なりません。多くの日本人が同じ気持ちでこのシーンを見守っていたことでしょう。
凱旋門賞のレース後のロペデヴェガLope De Vegaです。今年の仏ダービー・ジョッキークラブ賞Prix Du Jockey Club (Group 1) の優勝馬で、前走のムーランドロンシャン賞Prix Du Moulin De Longchamp (Group 1) はフィッセFuisseの5着でした。凱旋門賞は追加登録料を払っての出走でしたが、直線での不利もあって11着に敗退しました。鞍上はマキシム・ギヨンMaxime Guyon騎手です。
凱旋門賞のレース後のベカバッドBehkabadです。前走のニエル賞Prix Niel (Group 2)を勝って有力視されていましたが、最後の直線で前がごちゃつき、馬群を振り切ったときには既に大勢は決しており、なんとか4着を確保しました。鞍上はクリストフ・ルメールChristophe Lemaire騎手です。
凱旋門賞のレース後のヴィクトワールピサVictoire Pisaです。
凱旋門賞のレース後のダンカンDuncanです。好位の外でレースを進めていましたが、直線を向いて一杯となり15着に敗退しました。
凱旋門賞のレース後のフェイムアンドグローリーFame And Gloryです。アイルランドのエイダン・オブライエンAidan O'Brien師の管理馬で、昨年の3歳時は英ダービーDerby (Group 1)でシーザスターズの2着、続く愛ダービーIrish Derby (Group 1)を5馬身差で優勝しました。前々走はコロネーションカップCoronation Cup (Group 1) でサリスカSariskaに11/2馬身差を付けて優勝。これを含めて目下重賞4連勝中でしたが、凱旋門賞は直線で大きな不利があり、ベカバッドBehkabadから1馬身遅れた5着でした。鞍上はジョン・ムルタJohn Murtagh騎手です。
もの凄い大歓声が湧き上がる中、このシーンを目の当たりにしたときには、思わず涙腺が緩むのを感じました。まだ味わったことがない、凱旋門賞を日本馬が勝つという感激がどれほどのものなのか、それはこれまで経験したことのある喜びの類とは全くの別物であるということだけは、今回はっきりとわかりました。結果は本当に悔しいものでしたが、凱旋門賞制覇を目指すことがこれからの日本競馬界の大きな原動力になればとも思います。