第3回 競馬評論家 古谷 剛彦さん
競馬評論家。グリーンチャンネルのKEIBAコンシェルジュ、ホッカイドウ競馬のパドック解説など幅広く活躍。昨年、楽天競馬スペシャルアドバイザーに就任。
競馬に関する様々な仕事をされている方に「JBIS-Search」を使っていただき、その使用感をレポートしていくこのコーナー。
-3回目となる今回のゲストは、楽天競馬スペシャルアドバイザーの古谷剛彦さん。古谷さんは生産者の方々とも親交が深く、北海道の各市場にも毎年足を運ばれています。その辺を中心に、お話を伺ってみましょう。
古谷:先日、フェアリーSをコスモネモシンが制しました。私もすべての市場取引馬を覚えている訳ではないのですが、ゼンノロブロイ×デュプレという血統に何となく覚えがあり、トップページのフリーワード欄に馬名を打ち込んで検索してみました。すると08年の北海道サマーセール1歳で取引されていたことが発覚。取引価格(367.5万円)や生産牧場の名前を見ていると、当時の馬の姿を思い出すことができました。また、市場取引価格のすぐ上に、これまでに稼いだ総賞金が載っているのも分かりやすいですね。
-08年のサマーセールといえば、NARグランプリに輝いたラブミーチャンも取引された市場ですよね。
古谷:そうなんですよ。ラブミーチャンは315万円で取引されたのですが、すでに6670万円も稼いでいるから凄いですね(2010年1月20日現在)。このJBIS-Searchでは、市場ごとの『価格別売却頭数』でどの価格帯が一番売れていたかを調べることも可能です。08年のサマーセールは300万円~400万円が最も多く、その中にコスモネモシンもラブミーチャンも含まれていたことになりますね。09年はその価格帯がワンランク下がっていることも判明し、良い馬を安く買うことができる時代になっていることが分かります。
-最近の種牡馬事情はどうですか。
古谷:JBIS-Searchのトップページにサイアーランキングがリアルタイムで更新されていますが、先述のコスモネモシンの父ゼンノロブロイを例にとって調べてみると、初年度の種付けは216頭とかなりの頭数を集めていますが、2年目、3年目はともに158頭、昨年は116頭と大幅に減っています。初年度はファーストシーズンサイヤーランキングでトップに輝いたゼンノロブロイも、今年の2歳世代が今後を占う試金石になると推測できます。
-やはり種付頭数とサイアーランキングは関連してきますか。
古谷:そうですね。例えば、JBIS-Searchの『世代別サイアー』で07年生まれ(今年の3歳世代)のランキングを見てみると、アグネスタキオンが9位(2010年1月20日現在)になっています。これは、この世代の種付け頭数が前年より46頭も減っていることが影響していると推測され、種付頭数とサイアーランキングは一定の比例関係にあると思われます。前年との比較でどれだけ種付数が増えたか、あるいは減ったかを調べることにより、活躍馬の出る可能性を探ることもできるのではないでしょうか。『産駒一覧』を調べると、どの繁殖牝馬と配合しているのかも分かり、注目の馬を見つけ出す楽しみもあります。
-今年はユキチャンの活躍でクロフネがクローズアップされそうですが。
古谷:クロフネはダートグレード3勝のユキチャンを筆頭に、ホワイトメロディー(関東オークス、クイーン賞)などの産駒もいて、地方のダートに強い印象があるのですが、地方馬に限定したランキングを調べてみると、それほどアベレージが高くないことに気づき意外でした。JBIS-Searchのランキングは、中央・地方それぞれに分けて見ることができるので便利ですね。
-それでは最後に、JBIS-Searchを使ってみた全体の感想をお聞かせください。
古谷:競馬ファン、特に中央・地方ともに馬券を楽しむファンからすると、トップページからあらゆる主催場の馬柱も見ることができるのは、非常にありがたいことです。また、中央・地方全体の騎手・調教師・馬主・生産牧場別のランキングや、『芝』『ダート』など、条件を指定してそれぞれの成績を検索することができるのは、他のホームページにはない魅力ではないでしょうか。データ量も豊富で、たいへん便利なサイトだと思います。
古谷さん、ありがとうございました。これからもデータをフルに活用して、鋭い分析をお願いします。