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第36回 競馬祭典JBC 現場での撮影

2017.11.27
 11月3日、大井競馬場で競馬の祭典JBCが行われました。
 「祭典」というだけあって、3つのJpnIが連続して行われる豪華な1日。それゆえ、取材・撮影も普段とはちょっぴり違ってきます。今回はそのあたりのお話を中心にすすめていきましょう。

 第36回 競馬祭典JBC 現場での撮影の画像 まずは、第7回JBCレディスクラシック(JpnI)。このレースは地元・大井所属のララベル(荒山勝徳厩舎)が優勝!2007年に同じ大井でJBCスプリント(JpnI)を制したフジノウェーブに続き、地方競馬所属馬として2頭目の栄冠を手にしました。

 口取り撮影まで時間を要したため、ララベルは周回しながら待機。そのため、撮影のチャンスは普段よりも多かったのですが、撮影した写真をチェックしていたりして、決定的な瞬間を取り損ねてしまう危険も無きにしも非ずで油断大敵です。

 この時の狙いは、検量室を出てララベルのもとへと向かう真島騎手。どんな風にララベルを労うのか、どんな表情を見せるのか、そういう一瞬のシーンをいかに収めるか。そして、その場で感じた空気をきちんと伝えられるか。気分はまさに獲物を狙うハンター状態とも言えそう。

 また、この日のように業務エリア内にも多くの人が集う場合には、撮影することに気を取られてしまい、他の撮影者の前に割り込まないようにする注意がいつも以上に必要となります。思った場所にすぐに行けず、シャッターチャンスを逃すことも。イメージ通りの写真は、いろいろな要素(環境やタイミング、そして'腕前')が上手くマッチして、ようやく撮れるのだなと、反省点ばかりの成果物を前に思うことも少なくありません。

 昨年の同レースを除外となったララベル。その無念も晴らした優勝に「言葉になりません。胸がいっぱいです」と、男泣きした荒山勝徳調教師の姿と、その向こうから差し込んでいた夕陽も思い出深いシーンとなりました。

 続いて行われたJBCスプリント(JpnI)の勝ち馬は、道営ホッカイドウ競馬出身のニシケンモノノフ(JRA)。このレースが待望のJpnI初制覇となりました。引き上げて来た時と口取り撮影での、横山典弘騎手の笑顔が眩しかった!それと共に、意気揚々としたニシケンモノノフの勇姿にもほれぼれするばかり。普段から取材に通っている大井競馬場ということで、光や位置関係が読みやすく、その狙い通り、夕陽とスタンドをバックにした勝者の凛々しい姿を押さえることができました。

 JBCクラッシック(JpnI)の覇者は、サウンドトゥルー(JRA)と大野拓弥騎手のコンビ。JBCでは取材希望の事前申請をもとに、カメラマンの配置が決められていましたが、そのレースごとに「見栄えのするシーン」は違っていて、それと同時に、レース結果によって「撮りたい図」も変化することがあります。ゴール前の叩き合いやゴールした瞬間の迫力のあるシーンだったり、馬を労う仕草だったり。

 このレースでの大野騎手は、ゴール板を過ぎてしばらくしてから、控えめにきゅっとガッツポーズ。そのため、後方(ゴールしてからしばらくした位置)ではガッツポーズを撮ることができましたが、ゴール前組はちょっと惜しい雰囲気に。ウイニングランを終えて戻って来た時、「大野くん、ガッツポーズして」というリクエストの声に応えた大野騎手のさわやかな笑顔と、誇らしげなサウンドトゥルーの表情も撮りごたえのあるシーンでした。

 ここまで地方競馬を戦いの場としてきたJBCですが、来年は11月4日(日曜日)、京都競馬場での開催が決定済。新たなJBCの風景を見られそうで楽しみです。

 さて、今年も残すところあと1ヵ月。東京ダービー(SI)とジャパンダートダービー(JpnI)の覇者ヒガシウィルウィン(船橋 佐藤賢二厩舎)も、休み明けとなった浦和記念(JpnII)を古馬相手に2着。これからがますます楽しみになる走りで復帰を果たし、次走に期待が膨らみます。12月の南関東競馬もお見逃しなく!
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