南関フリーウェイ
2022年の記事一覧
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第97回 受け継がれている「幸運を願う文化」 2022.12.23
今回は、新年がより良い年になるようにという願いを込めて、「受け継がれてきた文化的な側面、縁起担ぎ」について書いていきたいと思います。 競馬は勝負の世界。勝てるように、無事にレースから戻れるようにと、いろいろな「縁起」が担がれ、目に見えるもの、目には見えないもの、その形はさまざまです。 まずはじめは、「日取り」にまつわる縁起です。厩舎では入厩と退厩が繰り返されていますが、この時に引用されるのが、大安や友引などで知...
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第96回 競馬界に灯る「手仕事」「技術」の文化 2022.11.25
先日、民藝運動で知られる柳宗悦(やなぎむねよし)さんの著書と出会いました。日本の手仕事の美しさ、技術の高さ、使いやすさ、そこに息づく歴史を、良いものとして次に繋げていくのが大切だという内容。 競馬の話は出て来ませんが、読み進めているうちに、競馬にもいくつもの手仕事があり、実用と見栄えを兼ね備えた「伝統の技術」や、受け継がれて来た「技」があることに気が付きました。 競馬で目につきやすい手仕事といえば、馬のたてがみ...
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第95回 競馬場のあの頃物語 2022.10.26
先日、船橋競馬場の歴史を調べる機会がありました。その際に参考にしたのが国土地理院の地図・空中写真閲覧サービス。もともと歴史と地図が好きということで、いざ調べ始めると、やめられない止まらない。その流れで各地の競馬場の「あの頃」を見てみることにしました。 まずは、きっかけとなった船橋競馬場。大雨の翌日に「海岸厩舎(向こう正面にある厩舎地区)でウナギが出た」、「馬場にザリガニがいた」という話を耳にしたことがあります。...
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第94回 強く頼もしいヒロイン」 スピーディキック、戸塚記念(SI)優勝 2022.09.26
9月15日、川崎競馬場で3歳重賞・戸塚記念(SI)が行われました。優勝したのは浦和・藤原智行厩舎のスピーディキック(父タイセイレジェンド)。3馬身差の圧勝で重賞6勝目となりました。 スピーディキックは桜花賞(SI)、東京プリンセス賞(SI)を連勝して牝馬クラシック2冠を制覇。その強さと共に、『チーム益田』で掴んだクラシック優勝としても、南関東競馬史にその名を刻んだのは多くのファンが知るところです。JRA勢を迎えて行われた6月...
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第93回 馬産地訪問といえば「競走馬のふるさと案内所」 2022.08.29
今年も早いもので残り4か月となりました。コロナ禍と折り合いを付けて過ごす中で、馬産地旅行を計画されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、初めての馬産地旅行を思い出しながら書いていきたいと思います。 まだインターネットも普及しておらず、写真もフイルムで撮っていた頃のことです。クラブの会員となり、その出資馬の見学に訪れたのが私の馬産地デビューでした。その頃の情報源といえば、中央競馬の中継や、新聞・...
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第92回 新しい楽しみ方も!船橋競馬場新スタンド 2022.07.25
早いもので今年も夏真っ盛りの季節となりました。例年より早い梅雨明けもあり、猛暑との闘いは長くなりそう。競馬場でも、水分補給のすすめなど、熱中症予防対策のアナウンスを耳にするようになりました。さて、今回は、リニューアル工事中の船橋競馬場についてお伝えしてきましょう。 ここでも何度か触れてきましたが、2024年春に予定しているグランドオープンに向け、工事が着々と進行中。2月にオープンした新スタンドAには、グループで楽しめ...
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第91回 南関東競馬3歳世代の頂点へ 東京ダービー(SI) 2022.06.27
6月8日、大井競馬場で第68回東京ダービー(SI)が行われました。この日の大井競馬場はダービーデー特有の賑わい。制限はあるものの、競馬の祭典、ダービーという特別な1日を満喫する多くのファンから発せられるワクワク感が、競馬場いっぱいに満ちているのを感じました。それはきっと、無観客開催での'もの足りなさ'や'空虚感'を体験したせいかも知れません。 その東京ダービーを制したのは、6番人気、浦和・小久保智厩舎のカイル(父トー...
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第90回 チーム益田 スピーディキックで南関東牝馬2冠達成 2022.05.26
5月11日、大井競馬場で3歳牝馬による東京プリンセス賞(SI)が行われました。日没時間も18時半過ぎとなり、メインレースが近づく黄昏時の場内には多数のファンの姿が。キッチンカーから漂う美味しそうな匂いや、明るく煌めくイルミネーションなど、制限付きとはいえ競馬場での楽しみが戻ってきた風景は「やっぱりいいな」と思うものでした。 レースを制したのは1番人気に推されたスピーディキック(浦和)。桜花賞優勝時にこちらのコラムで...
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第89回 名門厩舎に幕 出川克己調教師 2022.04.25
3月15日の船橋競馬9Rで、出川克己調教師(船橋)が管理馬最後の出走を終え、42年間の馬と歩んだ道に幕を下ろしました。厩務員を経て、1996年5月に開業。最後の出走馬・キトゥンズルンバ(父Kitten's Joy アメリカ産)までの地方競馬通算成績は3430戦783勝、2着548回、3着407回。勝率22.8%、連対率38.8%。NARグランプリ2010では勝率36%を超える高い数字で最優秀勝率調教師賞を受賞。その記者会見...
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第88回 益田競馬場の誇り 「チーム益田」 で掴んだ南関クラシック優勝! 2022.03.25
今年も待望のクラシックシーズンが到来。3月17日に浦和競馬場で行われた桜花賞(SI)を制したのは、藤原智行厩舎のスピーディキックでした。道営・石本孝博厩舎でデビューし、浦和の藤原智行厩舎へと活躍の場を移したスピーディキック。NARグランプリ2021で2歳最優秀牝馬に選出された実績通り、堂々の桜の女王の座に輝きました。 「本橋孝太騎手からバトンを受け継いで、しっかり結果を出せてほっとしています。返し馬で跨ってからレースプ...