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南関フリーウェイ

阿部典子 南関フリーウェイ

第46回 門別、岩手、南関東。渡されたバトンを繋いで戸塚記念(SI)優勝

 9月12日、今年からSIに昇格した3歳のダート重賞・戸塚記念が行われ、森泰斗騎手騎乗のチャイヤプーン(船橋 川島正一厩舎 父フェデラリスト)が優勝しました。中団のインでレースを進めると、3~4コーナーで外に出し、ためていた脚を一気に弾けさせ、突き抜けて勝利。2着のトキノパイレーツ(1番人気)に2馬身差をつけての快勝となりました。

 チャイヤプーンは昨年8月にホッカイドウ競馬の岡島玉一厩舎からでデビュー。2戦目で勝ち上がり2勝した後、岩手の千葉幸喜厩舎へ移籍。初戦を3着とした後、5連勝で岩手ダービー優勝という大きなタイトルを獲得しました。南関東へ移籍した初戦のひまわり賞では古馬との対決もあり4着という結果でしたが、3歳馬同士の闘いとなった戸塚記念では末脚が炸裂。転入2戦目で秋の3歳ダート王の栄冠を手にしました。

 勝利にエスコートした森泰斗騎手は笑顔で取材に応じ、「岩手の実績馬を任されて責任を感じていたので、勝てて嬉しいです。キックバックを嫌がるなど難しい面も出していたけど、1枠を最大限活かして乗ろうと思っていた通り、良い感じに脚もためられて、直線で弾けることができました。外に出した時にガツンと手ごたえが来ました。弾けましたね。折り合いの心配もないですし、いい馬ですね。まだ精神的な幼さはありますが、基本的なポテンシャルはかなり高いと思います」とレースを振り返りました。

 印象的だったのは、表彰式でもその後の囲み取材でも口にしていた、チャイヤプーンに携わった皆さんへの感謝の言葉。苦労して現在のポジションまで辿り着き、その位置を守っている森泰斗騎手ならではの周囲への気持ちなのでしょう。「前回と比べて、返し馬をした時の雰囲気が雲泥の差でした。厩舎スタッフや調教をしている庄司大輔騎手がよく仕上げてくれて、そういった皆さんのお陰で勝てたのだと思います」と語っていました。

nf201809_アップ用.jpg 必勝を期してレースに臨み、きっちり結果を出した川島正一調教師は「ここを目標に岩手から移籍してきましたので、勝てて嬉しいですね。前走以降調教などを工夫してきましたが、それが上手く当たりましたね。(嬉しそうににっこり)。泰斗くんには特に指示は出していなかったのですが、流れを見て、向こう正面であいた時に『出してくれるな』と思っていたら、案の定上手く出してくれました。勝ちに来ているので、タイトルを獲れて良かったです。調教の様子からも馬の状態が良いのはわかっていましたし、あとは競馬に向かうだけという感じでした」と、大満足の笑顔を見せていました。

 このチャイヤプーンの担当は、岩手出身の千葉厩務員。お父様は岩手の元騎手で調教師だった千葉次男さんだそうです。千葉厩務員は、岩手競馬時代には重賞勝ちの経験もあるそうですが、南関東では初めて。戸塚記念での勝利が、人馬共に嬉しい南関東重賞初勝利となりました。

 「最後の直線ではドキドキしましたね(笑)。南関初重賞、格別です。チャイヤプーンの良いところはオンとオフがはっきりしているところ、心臓も強いんですよ」とのこと。お仕事仲間に教えていただいて知ったのですが、チャイヤプーンのまつ毛って、ビューラーを当てたようにくるんとカールしていてカワイイ!つぶらな瞳とカールしたまつ毛。そんなルックスとあの豪快な末脚とのギャップが、チャイヤプーンをさらに魅力的な存在にしているような・・・。かわいいまつ毛、ぜひ、パドックでチェックしてみましょう。

 チャイヤプーンの口取りには、これまで携わって来た皆さんも参加されていたようで、撮影終了後のチャイヤプーンの首やおでこに、労いの手がたくさん添えられていたのも素敵で、一頭の馬に携わる人々の存在を改めて感じるシーンでもありました。チャイヤプーンは岩手へ再転入とのことで、南関東からは離れますが、いずれまた大きな舞台で再会できる日を楽しみにしていたいと思います。