南関フリーウェイ
第47回 父譲りの気性で3連勝。鎌倉記念(SIII)を制覇したミューチャリー
2018.10.25
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早くも来年のクラシック候補についての話題もちらほら出始めた南関東競馬。10月17日に行われた鎌倉記念(SIII)で優勝したのは、船橋・矢野義幸厩舎のミューチャリーでした。8月のハイビスカスデビュー2歳新馬を7馬身差で圧勝すると、9月のJRA認定 サプライズパワー・メモリアルも快勝。鎌倉記念(SIII)では見事1番人気に応え、6馬身差、3連勝で重賞ウイナーとなりました。
「この馬の強さに脱帽です。能力試験から乗っていますが、スピードがあることに加えて前走のように長く良い脚も使えるし、今回のように瞬発力で弾ける脚も使える。脚色に幅があるのがこの馬の良さだと思います」。そう語ったのは、勝利へとエスコートした御神本訓史騎手。「2歳馬離れしたレースセンスを持っていますね」とミューチャリーの能力の高さを讃えていました。
管理する矢野義幸調教師は「輸送で馬体重が減って(マイナス10)、パドックではいつもより大人しかったですね。それで少し心配しましたが、思った以上に走ってくれました。好位につけられてロスなく走れましたね。並んでからはやっと安心して観ていられました」と語り、1500メートル1:33:6という好タイムに、にっこり。鎌倉記念のひとつ前に行われたA2クラスの同距離のタイムが1:34:8だったことを思えば、いかにミューチャリーの走りが'弾けていた'のかが伺えます。
「この馬の良さは、普段はテンションが高いけどレースでは真面目に走るところですね」と話したのは、ミューチャリーを担当する森久保仁志調教師補佐。矢野調教師も「テンションが高い馬だけど、レースではいい方に出ている。荒々しいのが余計な方向に行かずに競馬に出ているのが強味ですね」とコメントしていらっしゃいました。
ミューチャリーは矢野調教師が牧場で見つけて来たそうですが、「パイロ産駒が気になっていた」とのこと。「ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスの種牡馬展示でパイロを見た時、荒々しさがすごくてね。展示中に2回くらい立ち上がったり転んだり(笑)手入れするスタッフも頑丈そうだったけど、その人の他にもう一人が見張り役でいる。馬じゃないみたいな馬(笑)。これはすごいな、この馬からどんな産駒が出るのかなと思っていたんだよね。うちの厩舎ではノーキディング(2011年生まれ 元管理馬 6勝)がパイロ産駒の最初だった。パイロ産駒でも大人しい馬がいるけど、ミューチャリーには父親のああいう荒々しいところが競走馬としていい方向に伝わればと思っています」(矢野調教師)。
テンション高めといわれるミューチャリーですが、馬房ではなかなかの愛嬌もの。隣の2歳馬(こちらもパイロ産駒)に注目していると、「ボクもここにいます!こっち見て!」と馬房の仕切り板から鼻を伸ばしてかわいく存在をアピール。その様子は2歳馬らしい、そして牡馬らしいちょっぴり「クスっ」としてしまう愛らしさを感じさせました。そういえば、新馬勝ちした後、後検所から出てきたミューチャリーは、藁をいっぱいに口にくわえたまま。「いいお顔してるね」とシャッターを切ると、ドヤ顔で厩舎へと戻って行きました。
「まだ距離がどうかわからない部分、未知数ではありますが、能力が高い馬なので使い減りしないように大事に育てていきたいですね。全日本2歳優駿(JpnI)への出走は馬体の回復を見て決めたいと思います」と矢野調教師。その言葉からも、ミューチャリーへの期待の大きさを感じました。
一緒に暮らしたことも、会ったこともない父に気性が似ている、という血統のロマンをはっきりと感じさせるミューチャリー。一見黒っぽい毛色に見えますが、実は芦毛馬。祖母にJRAの芝のオープンで多くのファンに愛されたゴッドインチーフ(父コマンダーインチーフ)がいる血統で、今は尻尾の毛にほのかな芦毛感をかもしだしています。これから先、そのレースぶりと共に、芦毛らしくなっていく姿も楽しみです。
「この馬の強さに脱帽です。能力試験から乗っていますが、スピードがあることに加えて前走のように長く良い脚も使えるし、今回のように瞬発力で弾ける脚も使える。脚色に幅があるのがこの馬の良さだと思います」。そう語ったのは、勝利へとエスコートした御神本訓史騎手。「2歳馬離れしたレースセンスを持っていますね」とミューチャリーの能力の高さを讃えていました。
管理する矢野義幸調教師は「輸送で馬体重が減って(マイナス10)、パドックではいつもより大人しかったですね。それで少し心配しましたが、思った以上に走ってくれました。好位につけられてロスなく走れましたね。並んでからはやっと安心して観ていられました」と語り、1500メートル1:33:6という好タイムに、にっこり。鎌倉記念のひとつ前に行われたA2クラスの同距離のタイムが1:34:8だったことを思えば、いかにミューチャリーの走りが'弾けていた'のかが伺えます。
「この馬の良さは、普段はテンションが高いけどレースでは真面目に走るところですね」と話したのは、ミューチャリーを担当する森久保仁志調教師補佐。矢野調教師も「テンションが高い馬だけど、レースではいい方に出ている。荒々しいのが余計な方向に行かずに競馬に出ているのが強味ですね」とコメントしていらっしゃいました。
ミューチャリーは矢野調教師が牧場で見つけて来たそうですが、「パイロ産駒が気になっていた」とのこと。「ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスの種牡馬展示でパイロを見た時、荒々しさがすごくてね。展示中に2回くらい立ち上がったり転んだり(笑)手入れするスタッフも頑丈そうだったけど、その人の他にもう一人が見張り役でいる。馬じゃないみたいな馬(笑)。これはすごいな、この馬からどんな産駒が出るのかなと思っていたんだよね。うちの厩舎ではノーキディング(2011年生まれ 元管理馬 6勝)がパイロ産駒の最初だった。パイロ産駒でも大人しい馬がいるけど、ミューチャリーには父親のああいう荒々しいところが競走馬としていい方向に伝わればと思っています」(矢野調教師)。
テンション高めといわれるミューチャリーですが、馬房ではなかなかの愛嬌もの。隣の2歳馬(こちらもパイロ産駒)に注目していると、「ボクもここにいます!こっち見て!」と馬房の仕切り板から鼻を伸ばしてかわいく存在をアピール。その様子は2歳馬らしい、そして牡馬らしいちょっぴり「クスっ」としてしまう愛らしさを感じさせました。そういえば、新馬勝ちした後、後検所から出てきたミューチャリーは、藁をいっぱいに口にくわえたまま。「いいお顔してるね」とシャッターを切ると、ドヤ顔で厩舎へと戻って行きました。
「まだ距離がどうかわからない部分、未知数ではありますが、能力が高い馬なので使い減りしないように大事に育てていきたいですね。全日本2歳優駿(JpnI)への出走は馬体の回復を見て決めたいと思います」と矢野調教師。その言葉からも、ミューチャリーへの期待の大きさを感じました。
一緒に暮らしたことも、会ったこともない父に気性が似ている、という血統のロマンをはっきりと感じさせるミューチャリー。一見黒っぽい毛色に見えますが、実は芦毛馬。祖母にJRAの芝のオープンで多くのファンに愛されたゴッドインチーフ(父コマンダーインチーフ)がいる血統で、今は尻尾の毛にほのかな芦毛感をかもしだしています。これから先、そのレースぶりと共に、芦毛らしくなっていく姿も楽しみです。