馬ミシュラン
第45回『黒潮盃』
2012.09.11
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お盆開催真っ只中の8月15日、大井競馬場で3歳の地方競馬全国交流第46回黒潮盃(1800m)が行われた。
フルゲート16頭。南関東からは東京プリンセス賞と関東オークス(JpnⅡ)を勝っている2冠馬アスカリーブルを中心に、東京ダービー4着馬のダイヤモンドダンス、羽田盃3着のジャルディーノ等が出走。他地区からは笠松のトーセンオウジ、そして、佐賀の九州ダービー栄城賞を制したエスワンプリンスが出走してきた。
レースは船橋のディーオが掛かり気味に先行。ダービー以来だが太め感もなく仕上がりは良かったが、この馬は高い能力を持つ反面、ひじょうに難しい馬で、この日も1頭だけ早めに本馬場に入り落ち着かせていたが、何が気になるのか知らないが、レース中も舌を出し、物見もするような仕草で、逃げ粘るもまたも2着という結果となった。
2番手にアイキャンディ、その後ろ3番手に付けたのが佐賀のエスワンプリンス。父アジュディケーティング(USA)、母は同じく佐賀デビューで、2歳時門別のエーデルワイス賞を制したエスワンスペクター。栄城賞は早めに先頭に立ち、2着に8馬身差を付ける圧勝だった。このレースでも4コーナーでディーオに並びかけ「さあ抜け出すか」という勢いだったが、ディーオの粘りに屈した「ハミが抜けず、息を入れられなかった」とレース後語った鮫島克也騎手。終始ハミが掛かった状態だったのが、終いに効いてしま
った。
そしてアスカリーブルは道中7~8番手。4コーナー手前でディーオとエスワンプリンスの直後まで迫ったが、牝馬ながらグレード別定57kgがキツかったか、少し鈍い感じに見えたが、上り推定38秒8の末脚で、終わってみれば2着に1馬身1/4差をつけ勝利。着差以上の強さであった。
ひとつ前の開催から、競走馬の故障を減らす目的でクッション砂を日本でもっとも薄い7cmから8cmへと増やした影響か、比較的先行馬に有利な馬場だったが、そういった状況も苦にしない末脚は、ラブミーチャンに続く地方競馬現役屈指の牝馬へと育つ可能性は十分だろう。
さて、地方競馬全国交流となった第37回の1着賞金2500万円から、2000万円、そして今年1800万円に下がりはしたが、今日のこの黒潮盃は、ダートグレード競走が発足する以前のダービーグランプリや、サラブレッドチャレンジカップのようなポジションにあると言える。
5年前の勝ち馬マルヨフェニックスが東海ダービー1着→ジャパンダートダービー12着→黒潮盃1着というように、今や地方馬にとってジャパンダートダービーは「しんどい」存在となった。それをよく表しているのが今年のレースで、11頭が出走したが、JRA枠6頭に対し地方馬は5頭。1~6番人気がJRA馬、羽田盃馬アートサハラが7番人気(3着)、東京ダービー馬プレティオラスが8番人気(6着)とそれなりに健闘してくれた。
昨年の勝ち馬オオエライジンや、今年の3着馬エスワンプリンスは地元のダービーに勝ち、優先出走権を持つジャパンダートダービーをスキップして、黒潮盃に臨みそして好走するパターンであった。恐らくは今後それが主流になるのではないかと思う。地元にこれといった目標となるレースがなければ、大井の1着1800万円は魅力に映るだろうし、勝つチャンスもダートグレード競走よりも高い。16頭のフルゲートも当然だ。
一方、翌日のブリーダーズゴ-ルドカップは7頭立てのところ取消が出て6頭立てで行われた。これまでなら売れないパターンだが、1日の計画比で4000万円のプラスと聞いた。出走頭数が少なければ手当等も少なく済み、それで売れてくれれば文句なし。買いやすいレースであったことが1番の要因だろうが、「頭数が揃えば馬券が売れる」という番組の常識を覆す結果である。もっとも、ダートグレード競走は以前から指摘されている通り勝ち目のない馬が多く、「実質3~6頭立て」の状態であることは確か。「手当狙い」の馬を選定で弾くことは、実際不可能だが、新聞製作の実感では地方馬の出走は減少傾向だ。多くの方が何度も言っているJRA枠の問題も含め「番組の常識」に必ずしも拘る必要はないのかもしれない。
逆に地方競馬全国交流は、1着賞金1000万円以上の南関東を中心に、今後更なる盛り上がりを見せるだろう。それがいいかどうかは別だが。
フルゲート16頭。南関東からは東京プリンセス賞と関東オークス(JpnⅡ)を勝っている2冠馬アスカリーブルを中心に、東京ダービー4着馬のダイヤモンドダンス、羽田盃3着のジャルディーノ等が出走。他地区からは笠松のトーセンオウジ、そして、佐賀の九州ダービー栄城賞を制したエスワンプリンスが出走してきた。
レースは船橋のディーオが掛かり気味に先行。ダービー以来だが太め感もなく仕上がりは良かったが、この馬は高い能力を持つ反面、ひじょうに難しい馬で、この日も1頭だけ早めに本馬場に入り落ち着かせていたが、何が気になるのか知らないが、レース中も舌を出し、物見もするような仕草で、逃げ粘るもまたも2着という結果となった。
2番手にアイキャンディ、その後ろ3番手に付けたのが佐賀のエスワンプリンス。父アジュディケーティング(USA)、母は同じく佐賀デビューで、2歳時門別のエーデルワイス賞を制したエスワンスペクター。栄城賞は早めに先頭に立ち、2着に8馬身差を付ける圧勝だった。このレースでも4コーナーでディーオに並びかけ「さあ抜け出すか」という勢いだったが、ディーオの粘りに屈した「ハミが抜けず、息を入れられなかった」とレース後語った鮫島克也騎手。終始ハミが掛かった状態だったのが、終いに効いてしま
った。
そしてアスカリーブルは道中7~8番手。4コーナー手前でディーオとエスワンプリンスの直後まで迫ったが、牝馬ながらグレード別定57kgがキツかったか、少し鈍い感じに見えたが、上り推定38秒8の末脚で、終わってみれば2着に1馬身1/4差をつけ勝利。着差以上の強さであった。
ひとつ前の開催から、競走馬の故障を減らす目的でクッション砂を日本でもっとも薄い7cmから8cmへと増やした影響か、比較的先行馬に有利な馬場だったが、そういった状況も苦にしない末脚は、ラブミーチャンに続く地方競馬現役屈指の牝馬へと育つ可能性は十分だろう。
さて、地方競馬全国交流となった第37回の1着賞金2500万円から、2000万円、そして今年1800万円に下がりはしたが、今日のこの黒潮盃は、ダートグレード競走が発足する以前のダービーグランプリや、サラブレッドチャレンジカップのようなポジションにあると言える。
5年前の勝ち馬マルヨフェニックスが東海ダービー1着→ジャパンダートダービー12着→黒潮盃1着というように、今や地方馬にとってジャパンダートダービーは「しんどい」存在となった。それをよく表しているのが今年のレースで、11頭が出走したが、JRA枠6頭に対し地方馬は5頭。1~6番人気がJRA馬、羽田盃馬アートサハラが7番人気(3着)、東京ダービー馬プレティオラスが8番人気(6着)とそれなりに健闘してくれた。
昨年の勝ち馬オオエライジンや、今年の3着馬エスワンプリンスは地元のダービーに勝ち、優先出走権を持つジャパンダートダービーをスキップして、黒潮盃に臨みそして好走するパターンであった。恐らくは今後それが主流になるのではないかと思う。地元にこれといった目標となるレースがなければ、大井の1着1800万円は魅力に映るだろうし、勝つチャンスもダートグレード競走よりも高い。16頭のフルゲートも当然だ。
一方、翌日のブリーダーズゴ-ルドカップは7頭立てのところ取消が出て6頭立てで行われた。これまでなら売れないパターンだが、1日の計画比で4000万円のプラスと聞いた。出走頭数が少なければ手当等も少なく済み、それで売れてくれれば文句なし。買いやすいレースであったことが1番の要因だろうが、「頭数が揃えば馬券が売れる」という番組の常識を覆す結果である。もっとも、ダートグレード競走は以前から指摘されている通り勝ち目のない馬が多く、「実質3~6頭立て」の状態であることは確か。「手当狙い」の馬を選定で弾くことは、実際不可能だが、新聞製作の実感では地方馬の出走は減少傾向だ。多くの方が何度も言っているJRA枠の問題も含め「番組の常識」に必ずしも拘る必要はないのかもしれない。
逆に地方競馬全国交流は、1着賞金1000万円以上の南関東を中心に、今後更なる盛り上がりを見せるだろう。それがいいかどうかは別だが。