馬ミシュラン
第114回 『3日前確定のススメ』
2018.06.25
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ゴールデンウィークの4月30日と5月1日、ここ数年恒例となったダブル開催が行われた。今年度はこの後も6月26~28日、8月3日、9月26・27日、12月25・26日と全部で10日間の日程が組まれている。
「大井×船橋ゴールデンリレー2DAYS」として行われた、今年度最初のダブル開催。4月30日は昼の大井競馬が12レース、夜の船橋競馬が9レース行われ、大井競馬が入場12,474人、売上12億6,926万9,730円。船橋競馬が入場7,483人、売上9億239万2,590円を記録した。振替休日の月曜日で、JRAインターネット投票の発売日ということもあり、昼間の大井は家族連れを含む、大勢のファンで賑わった。一方、船橋の方は翌日が平日、JRAインターネット投票が1~4レースまで発売ということも重なり、入場、売上とも大台には届かなかった。
単純比較する過去のデータがないので、これが成功かどうかの裏付けはないが、9レースならまずまず売れた方だろう。しかし、船橋のある関係者は「単独で12レース組めたならもっと売れた」と、悔しい思いを滲ませていた。
続く平日の5月1日。昼間の大井競馬は8レース組まれ、入場5,186人、売上6億9,418万3,470円。夜の船橋は11レースが組まれ、入場5,451人、売上10億4,358万750円。いずれもJRAインターネット投票の発売がない中で、この数字は健闘と言っていい。平日とはいえ今年のゴールデンウィークは業種によっては9連休というところもあり、特に中日の平日は競馬三昧にはうってつけ、だったのかもしれない。
ダブル開催の新聞は、これもいつも通り大井・船橋の合併版の8ページ。お値段も据え置きでやらせて頂いた。正直なところ、1日目が合わせて2万人弱、2日目が1万人強では新聞的には全く旨みはなかった。場内の知り合いの飲食業者も期待していたほどではなかったと、残念そうな表情を浮かべていた。
競馬の開催としてはうまくいった2日間だったが、興業としては、特に出入り業者を中心に厳しいダブル開催となってしまった感がある。改めてネットのパワーを思い知らされた。
ところでこの2日間はこれまでのダブル開催と同様に出馬は3日前確定(大井2日目については一括投票の為、4日前確定)で行われた。各主催者との事前の打ち合わせで新聞協会の方から「レース数を絞ること」と「出馬の3日前確定」をお願いしていたからだ。
レース数(番組)については、協会上層部には事前の打ち合わせで現場の意向を伝えていた。通常通りの紙面を編成するならこれぐらいの分量、ということで交渉してもらったレース数だったのだが、個人的には作ろうと思えば如何様にも紙面を作れる(文章量や馬柱のサイズを調節するなど、編集作業次第でどうにでもなる)し、本来は新聞屋の都合に番組を合わせてもらうのは恐れ多い話である。
3日前確定の方はマストである。ダブル開催の場合、もっとも重要なのは騎手の調整である。そして、南関東の場合、出馬が遅れる原因は騎乗調整と地元馬の抽選もれである。3日前確定ならこの2つがクリアできるし、ダブル開催では編集作業の時間も稼げる。そしてそれは通常の開催時も有効であると感じている。
現在、大方の地方競馬は2日前確定である。元々岩手と九州の相互発売がきっかけだと記憶しているが、南関東の場外発売による輸送が、北は名寄から、南は鹿児島まで広がっていて、さらに宿毛や浦河、三陸沿岸部など陸路での輸送に時間が掛かる場所を抱えているだけに、もはやかつてのような前日確定では、物理的に間に合わない。
さらに、前述の理由で2日前確定も大幅に遅れることがあり、それをクリアするには3日前確定であれば、輸送便も定時で送り出せる。さらに我々も編集作業に余裕が持てる。
もちろん慎重な意見もあるのだが、今やJRAが日曜開催は3日前の木曜夕方に出走馬と騎手を確定させているだけに、それに準ずる方法もあると思う。今回、大井や船橋の関係者何人かに個別に聞いてみたが、「絶対反対」という意見はなかったが、走らせる側の事情は、もちろん考慮しなければならないだろう。
今のところ、こちらの「一方的な要望」レベルではあるのだが、日刊紙の中にも同様の見方をする向きもあるだけに、今後も根気強く3日前確定を訴えかけていきたいとは思っている。
「大井×船橋ゴールデンリレー2DAYS」として行われた、今年度最初のダブル開催。4月30日は昼の大井競馬が12レース、夜の船橋競馬が9レース行われ、大井競馬が入場12,474人、売上12億6,926万9,730円。船橋競馬が入場7,483人、売上9億239万2,590円を記録した。振替休日の月曜日で、JRAインターネット投票の発売日ということもあり、昼間の大井は家族連れを含む、大勢のファンで賑わった。一方、船橋の方は翌日が平日、JRAインターネット投票が1~4レースまで発売ということも重なり、入場、売上とも大台には届かなかった。
単純比較する過去のデータがないので、これが成功かどうかの裏付けはないが、9レースならまずまず売れた方だろう。しかし、船橋のある関係者は「単独で12レース組めたならもっと売れた」と、悔しい思いを滲ませていた。
続く平日の5月1日。昼間の大井競馬は8レース組まれ、入場5,186人、売上6億9,418万3,470円。夜の船橋は11レースが組まれ、入場5,451人、売上10億4,358万750円。いずれもJRAインターネット投票の発売がない中で、この数字は健闘と言っていい。平日とはいえ今年のゴールデンウィークは業種によっては9連休というところもあり、特に中日の平日は競馬三昧にはうってつけ、だったのかもしれない。
ダブル開催の新聞は、これもいつも通り大井・船橋の合併版の8ページ。お値段も据え置きでやらせて頂いた。正直なところ、1日目が合わせて2万人弱、2日目が1万人強では新聞的には全く旨みはなかった。場内の知り合いの飲食業者も期待していたほどではなかったと、残念そうな表情を浮かべていた。
競馬の開催としてはうまくいった2日間だったが、興業としては、特に出入り業者を中心に厳しいダブル開催となってしまった感がある。改めてネットのパワーを思い知らされた。
ところでこの2日間はこれまでのダブル開催と同様に出馬は3日前確定(大井2日目については一括投票の為、4日前確定)で行われた。各主催者との事前の打ち合わせで新聞協会の方から「レース数を絞ること」と「出馬の3日前確定」をお願いしていたからだ。
レース数(番組)については、協会上層部には事前の打ち合わせで現場の意向を伝えていた。通常通りの紙面を編成するならこれぐらいの分量、ということで交渉してもらったレース数だったのだが、個人的には作ろうと思えば如何様にも紙面を作れる(文章量や馬柱のサイズを調節するなど、編集作業次第でどうにでもなる)し、本来は新聞屋の都合に番組を合わせてもらうのは恐れ多い話である。
3日前確定の方はマストである。ダブル開催の場合、もっとも重要なのは騎手の調整である。そして、南関東の場合、出馬が遅れる原因は騎乗調整と地元馬の抽選もれである。3日前確定ならこの2つがクリアできるし、ダブル開催では編集作業の時間も稼げる。そしてそれは通常の開催時も有効であると感じている。
現在、大方の地方競馬は2日前確定である。元々岩手と九州の相互発売がきっかけだと記憶しているが、南関東の場外発売による輸送が、北は名寄から、南は鹿児島まで広がっていて、さらに宿毛や浦河、三陸沿岸部など陸路での輸送に時間が掛かる場所を抱えているだけに、もはやかつてのような前日確定では、物理的に間に合わない。
さらに、前述の理由で2日前確定も大幅に遅れることがあり、それをクリアするには3日前確定であれば、輸送便も定時で送り出せる。さらに我々も編集作業に余裕が持てる。
もちろん慎重な意見もあるのだが、今やJRAが日曜開催は3日前の木曜夕方に出走馬と騎手を確定させているだけに、それに準ずる方法もあると思う。今回、大井や船橋の関係者何人かに個別に聞いてみたが、「絶対反対」という意見はなかったが、走らせる側の事情は、もちろん考慮しなければならないだろう。
今のところ、こちらの「一方的な要望」レベルではあるのだが、日刊紙の中にも同様の見方をする向きもあるだけに、今後も根気強く3日前確定を訴えかけていきたいとは思っている。