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馬ミシュラン

小山内完友 馬ミシュラン

第21回 新しいメディア

 今年に入って「Twitter」そして,「USTREAM」という言葉を目にすることが多くなった。今年のセレクトセールやセレクションセールに於いても,この2つを駆使した特設サイトが作られて,結構な盛り上がりをみせていた。特にUSTREAMでの中継は,実際にご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思う。

 そもそもそれは何?という方に解説させて頂くと,まずTwitterとは,ツイートと呼ばれる短い文章(ひとりごと)を投稿(つぶやき)。そのつぶやきを発信するひとをフォロー(購読)したり,そのつぶやきにリツイート(返信)したりして,ゆるいつながりが発生するコミュニケーションツール,である。ミニブログとも呼ばれている。

 そしてUSTREAMとは,動画共有サービスである。元々はイラクに派兵された友人たちと,家族のコミュニケーションツールで,創業者は陸軍士官学校の仲間だった。パソコンに接続されたカメラや,携帯のカメラから生中継ができ,また視聴者とのチャット機能や,投票機能などもある。この2つを同時に使用したのが前述のセールで,同じ映像を見ながら,あれこれ意見を投稿できたのである。もちろん,我々競馬専門紙も,こういった新しいメディアを積極的に活用しようと考えてはいる。

 Twitterは既に多くの方が毎日つぶやいている。芸能人からスポーツ選手,政治家,そして一般の方々まで。一時のブログブームと同様に,日常のコミュニケーションツールとしての地位を固めつつある。広報目的のオフィシャルツイートも,多くの企業が利用している。日刊競馬でもつぶやいているし,大井競馬場,そしてJRAも函館や阪神,京都競馬場のお知らせをつぶやいている。前述の通りJBIS-Searchさんも。

 つぶやいていて思うのだが,果たしてこれがファンサービスや宣伝広報活動になっているのかどうか,さっぱり手応えがない。元々は目下売り出し中のPDF新聞の販促用にとアカウントを取得した。当初は露骨なリンク誘導もしてみたりはしたが,それではイマイチ受けが良くない。むしろ露骨な宣伝は嫌われる傾向にある。フォロワー(発言を定期購読してくれるひと)も伸びなかった。リアルタイムでのパドック解説なども考えてみたが,これはさすがに運用面で厳しい。

 様々な企業の運用例や,代理店の方のやり方や意見を聞いて,また,自ら運用してみてひとつ気付いたのは,読者との交流である。競馬専門紙の日々の活動をつぶやいてみた。出馬が遅ければ,TCKのホームページにTL(発言の流れ)がわざと流れるように「出馬遅いよ」と流すとウケた。他紙の読者の質問にも答えるし,専門紙は買わないというファンの意見にも答えた。

 そうしているうちに反応も違ってきた。「普段は他紙を読んでいますが,今度日刊を買ってみます」と。ここ田口トモロヲ氏に読んで欲しいぐらいの台詞だが,改めて「ゆるく繋がる」ということがどういうことなのか,分かった気がした。さすがにひとりでは厳しいので,「中の人」を増員して,公称90人体制でつぶやき続けている。

 USTREAMは,日刊競馬ではまだ試験段階である。1度競馬場や他紙とのフットサル大会を中継してみた程度である。どちらかと言うと,今のところは余所の反応を見ている段階だ。

 セールや競馬の中継を初めて観たという方の反応がかなりあった。競走馬のせりの映像を見ることは滅多にはないだろうし,ホッカイドウ競馬の中継は画質が凄くいい。スカパー!の専門チャンネルだと観たい人しか観ないが,ネットの中継なら,テレビの地上波同様,たまたま目にする人も多い。しかも,地上波よりも低い予算で映像を流すことができるのである。

 岩手では,ダートグレードレース等の前夜に展望番組を中継している。もし本格的にやるとしたら,そういう形になるだろうとは思う。ただ,権利や予算やスキルの関係で,グリーンチャンネルの展望番組のような作り込んだものは無理だ。新聞とのリンクを考えれば,購読者向けに新聞の解説もいいかもしれない。ラジオ講座みたいな。

 いずれにせよ,こういった新しい媒体をどうやって商売に繋げていくか,暫くは手探りの状態が続くだろう。少なくとも,映像やつぶやきは,競馬には向いているのではないか,そう思う。