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第54回『地方競馬のサンデー』

2013.06.12
 サンデーサンレンス(USA)と言えば、もはや説明の必要もないだろう。種牡馬としてリーディングサイアー13回など、数々の記録を更新している。
 またステイゴールドなどその産駒も種牡馬として活躍している。つい最近、ある新聞が再び「マル父」表記を付け始めたが、特に「サンデー系」があまりにも多すぎて、ほとんどの馬に「マル父」マークが付いていて、見ていてうるさく感じるレースも多々あるぐらいだ。

 サンデー産駒は我々地方競馬の担当者にはあまり縁がなく、1994年から2012年までの中央競馬が出走回数22,761回なのに対し、地方競馬は6,197回しかない。重賞勝鞍も中央307勝に対し、地方競馬ではダートグレード競走を含めても24勝である。2005年の兵庫ジュニアグランプリに勝ったモエレソーブラッズとか、2002年のクイーン賞に勝ったビーポジティブだとか、1998年の北海道3歳優駿に勝ったキングオブサンデーだとか、そもそも、サンデー産駒を目の前のレースで観る機会自体が少なかった。

 サンデーサイレンス産駒が中央競馬でバリバリ走っていた時期、我々の目の前でバリバリ走っていたのがアジュディケーティング(USA)産駒だった。日刊紙に「大井のサンデー」などと書かれていたりもしたが、2001年から2008年まで地方競馬のリーディングサイアーとして君臨している。代表的な産駒と言えば、やはりアジュディミツオーだろう。南関東生え抜きで、帝王賞、東京大賞典、川崎記念、かしわ記念の「4大GI競走」を制したのは、この馬とアブクマポーロ(ただし、かしわ記念は当時交流GⅢだった)しかいない。

 地方競馬の種牡馬リーディングは、どうしてもダートグレード競走の影響を受けやすく、2009年はマコトスパルビエロなどが重賞13勝を挙げたブライアンズタイム(USA)がリーディング種牡馬となっている。しかし、勝利数では235勝を挙げたアジュディケーティングが最多であった。前述のアジュディケーティングもアジュディミツオーを筆頭に代表産駒の活躍がリーディングを大きく左右する。そういう意味では2010年の1位ゴールドアリュールにはスマートファルコン、2位ブライアンズタイムにはフリオーソという代表馬がいた。勝利数ではキングヘイローが246勝で1位、アジュディケーティングが204勝で手堅く2位、3位にはアグネスデジタル(USA)が前年の145勝から203勝と数字を伸ばしている。キングヘイローやアグネスデジタルは現役時、2歳重賞に勝てる仕上がりの早さ、様々な距離で走れる融通性、レコードで駆けるスピードがあった。産駒も様々なタイプがいたし、なによりも産駒の数が多かった。

 2012年の地方競馬サイアーリーディングはサウスヴィグラス(USA)。勝利数ではジャングルポケットが3勝差の247勝で勝ったが、地方競馬で産駒が200勝以上した種牡馬が8頭いる戦国時代に突入したと言える。(200勝以上の種牡馬は2010年3頭、2011年2頭だった)

 サウスヴィグラスはここ数年上位に名を連ねていたが、ラブミーチャンの活躍もあり、遂にリーディングを獲得した。特徴とすれば2歳時からバリバリ走り、マイルまでの短い距離に適性があり、特に渋った馬場で強い。こういった特徴はアジュディケーティングに似ている。

 地方競馬は距離のバラエティに乏しい。一部例外もあるが、概ね800~1200mの新馬戦でデビューし、格が上がるごとに距離が延び、マイル以上の距離はほとんどが上級格付け、2000m以上となるとほとんど重賞競走である。そして距離が長い競走も、勝負処までは超スローペースで流れ、最終的にはスプリント勝負となることが多い。故に短距離血統でも活躍するケースが多い。つい先日、2600mの大井記念でサウスヴィグラス産駒のビービーガザリアスが、仕掛けのタイミングで2着に好走している。しかし、ダートグレード競走でとなるとさすがに難しいだろう。

 実際のところ大井や門別、盛岡などを除けば1周1000~1200mでまともなマイルが取りづらく、どうしても1400m前後の番組が多くなる。短距離シリーズなども組まれ、充実してきた。そういった事情にマッチしていたのがサウスヴィグラスだったのではないかと思われる。

 サウスヴィグラスには「地方競馬のサンデー」になれる可能性があるのではないかと思う。
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