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第62回『2歳の年度代表馬』

2014.02.19
 『NARグランプリ2013』の受賞者・受賞馬が発表された。今年も全国公営競馬専門紙協会推薦の優秀馬選定委員として、末席に名を連ねさせていただいた。
 まず2歳最優秀牡馬。これは改めて説明する必要もなく、JpnⅠ全日本2歳優駿と、JpnⅢ北海道2歳優駿を制した北海道のハッピースプリントで決まり。各委員からも全く異論なく、委員12人全員一致の満票で選定となった。

 続いて2歳最優秀牝馬。この部門は候補馬だったノットオーソリティ、ラブミーブルー、クライリングが大晦日に大井競馬場で行われる、東京2歳優駿牝馬に出走予定であったこともあり「結果待ち」であったが、クライリング3着、ノットオーソリティ5着、ラブミーブルー16着という結果に。候補馬だったGRANDAME-JAPAN2歳シーズンの優勝馬カクシアジの他に、新たに大晦日の勝ち馬ブルーセレブ等を加えての審議となった。

 ダートグレード競走の成績を重視するならJpnⅢエーデルワイス賞2着のラブミーブルーだが、直接対決の東京2歳優駿牝馬で最下位。また、そもそも東京2歳優駿牝馬をチャンピオン競走と見なすかどうかも含め議論され、採決となった。2度の採決でブルーセレブとラブミーブルーの2頭が同数となり、最後は座長の1票が加わり、最優秀2歳牝馬には川崎のブルーセレブが選定された。

 東京2歳優駿牝馬は、エーデルワイス賞と同額の1着賞金2,000万円であり、また、これまでも地方競馬全国交流競走としてダートグレード競走に匹敵するメンバーが集まる。チャンピオン競走として相応しいレースであると思う。

 3歳最優秀牡馬はインサイドザパーク、アウトジェネラルなど船橋の4頭と、3歳馬ながら道営記念を制したレオニダスの5頭が候補。インサイドザパーク、アウトジェネラル、ジェネラルグラント、トラバージョについて東京ダービー、ジャパンダートダービーでの直接対決の結果も含め審議され、採決により船橋のインサイドザパークが満票で選定された。

 3歳最優秀牝馬はカイカヨソウ、ハードデイズナイト、ピッチシフターが候補に。いずれもダートグレード競走1・2着はなく、地方競馬全国交流競走に勝っている。中でもピッチシフターは古馬相手の全国交流・秋桜賞に勝ち、JBCレディスクラシックでも地方馬最先着の5着と健闘。採決の結果、愛知のピッチシフターが選定された。

 4歳以上は無風。牡馬はJpnⅢオーバルスプリントを制した大井のセイントメモリーが、牝馬はJpnⅢ東京スプリントとJpnⅢクラスターカップを制した笠松のラブミーチャンが、それぞれ満票で選出された。

 ばんえい最優秀馬も、既に引退しているが、ばんえい記念と帯広記念を制したカネサブラックを超える馬が見当たらず、満票で選定された。

 最優秀短距離馬はラブミーチャンとセイントメモリーが候補に挙げられたが、満票でラブミーチャンが選定。最優秀ターフ馬は盛岡のジュニアグランプリに勝ち、また、東京スポーツ杯2歳ステークスを2歳1800mの日本レコードで制したイスラボニータの2着に敗れたものの、クビ差の接戦を演じたプレイアンドリアルが選定された。

 最後に年度代表馬の選定。フリオーソが引退し、2013年は4歳以上の部門を担うはずだったラブミーチャンもJBCを目前に引退、3歳勢にも夏以降新星は現れず。年間を通してみても、JpnⅠに勝ったのはハッピースプリントしか居らず、他にJpnⅢがハッピースプリントの北海道2歳優駿、ラブミーチャンの東京スプリント・クラスターカップと、セイントメモリーのオーバルスプリントの計4勝という寂しい状況の中、唯一のJpnⅠ勝ち馬であるハッピースプリントが選定された。2歳馬の年度代表馬は、2009年のラブミーチャン以来2度目。3歳となった今年も、昨年同様、いやそれ以上の活躍を期待している。

 ダートグレード競走最優秀馬はかしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典とGⅠ(JpnⅠ)4勝のホッコータルマエが文句なしの選定。

 特別表彰はトーホウエンペラー、フリオーソで計6度のNARグランプリ年度代表馬を輩出した種牡馬ブライアンズタイム(USA)と、地方競馬初となるJBCスプリントを制したフジノウェーブが受賞した。
 受賞馬関係者の皆様、おめでとうございます。
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