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馬ミシュラン

小山内完友 馬ミシュラン

第65回 『今年こそ悲願の達成を』

 今年も「いや~な」ナイター競馬の季節がやってきた。お客さんも入って昼開催よりも場内は賑わうし、新聞も売れるから商売的にはもちろん大歓迎なのだが、会社員としての拘束時間も当然長くなる。筆者は埼玉県に住んでいて、会社は東京都にある。トゥインクルレースが行われる大井競馬場は会社の至近で、スパーキングナイターが行われる川崎競馬場も会社から近い。ただ、帰りはひじょうに大変だ。

 川崎競馬場のある川崎市は神奈川県だ。筆者の住む埼玉県の隣さらに隣の県である。首都圏は電車等交通機関が充実しているから、あまり気にすることはなかったが、調べて見ると自宅まで約40キロもある。往復で約80キロ。あまり実感したことはないが、毎晩往復していたらしんどいし、距離を知ってしんどさが増した気がする。

 3月30日にトゥインクルレースが開幕し、4月14日にスパーキングナイターが開幕した。例年、事務所の方々が人事異動するため、新旧の方々にご挨拶に伺うのだが、今年は増税とか何とかで忙しくて時間的な余裕がなく、大井は次開催に持ち越してしまった。今年の自身初ナイターは4月16日の川崎競馬ということになった。

 現在南関東の各競馬場では各種施設工事が盛んで、浦和は正門をリニューアル。新聞売場もLED照明になった(笑)。船橋は駐車場の本厩側にスーパー(オーケーストア)を建設中。ららぽーと沿いのセブンイレブン等の店舗で実績を挙げた土地活用の一環である。大井はワイドサイズの新ビジョンが竣工し、2・3号スタンドの建替えを控えている。川崎競馬場も老朽化により閉鎖中の3号スタンドを解体、床面積延べ3万㎡の商業施設を併設する。スタンドの軒先は照明塔も兼ねていたが、既に仮設照明を設置、スタンド自体も囲いが施され、間もなく解体が始まるとのことだ。それにともない、我々の新聞売場もパドック脇の第2入場門脇に移転となっている。オープンは2015年夏頃の予定である。

 さて、年度替り最初の開催で予算十分だからと言うわけでもないだろうが、この開催の川崎は砂がたっぷり投入され、開催初日から時計ひとつ掛かっていた。また、逃げ、先行脚質が活躍し、前残りの競馬で好配当となるレースが多く見受けられた。いつもの様に口取り撮影で馬場に入ると、予想通り砂が多くフワフワの馬場であった。

 メインレースは東京ダービートライアルのクラウンカップ。重賞未勝利ながら、全日本2歳優駿3着、京浜盃3着のサーモピレーが1番人気に推され、2番人気にはデビュー戦は2着も、以降水沢、大井と5連勝中のワットロンクン。3番人気はそのワットロンクンに前走の君子蘭特別でクビ差敗れたジュリエットレター。

 クラシック第一冠の羽田盃を7日後に控え東京ダービートライアルとはいささか切ない感じもするが、上位2頭に与えられる東京ダービーの優先出走権はひじょうに大きいだけに、各陣営とも力の入った仕上げで臨んできた。

 この日、逃げ先行で決まったレースは直前の10Rまでで2レースだけ。先行争いが厳しくなりかえって好位~中団からの競馬で決まっていた。クラウンカップも同様で、逃げたワットロンクンにビルスが絡み36.2-50.0-61.8のハイペース。これではお終いまで持たない。4番手にいた1番人気のサーモピレーが4コーナーで先頭に立とうとするところ、外からワタリキングオーが進出。ゴール前まで続いた接戦をクビ差制した。

 57歳7ヵ月と9日。ワタリキングオーに騎乗した的場文男騎手は、なんとこのレースに勝ち地方競馬最高齢重賞勝利の記録を更新した。相変わらず元気だ。参考までにこれまでは上山の海方昭三騎手が1993年の蔵王賞をルビーキャップで、また鉄人・佐々木竹見騎手が1999年のフロンティアスプリント盃をキャニオンロマンで制した、いずれも57歳4ヵ月19日が記録であった。

 最高齢勝利、騎乗は山中利夫騎手のそれぞれ62歳、63歳だが、的場騎手なら記録更新出来そうな気がする。調べた限り世界記録はアイルランドのハリー・ビーズリー騎手が83歳で騎乗している。しかも障害である。いくら的場騎手が元気でも、それはさすがに厳しいか。

 その前に。今年こそ「悲願の東京ダービー制覇」をワタリキングオーで!と願わずにはいられない、そんな季節でもある。