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馬ミシュラン

小山内完友 馬ミシュラン

第113回 『祝!浦和JBC開催!』

 この中間最大の出来事は、浦和競馬でJBCが開催されることが決まったというニュースだろう。

 JBCの開催地は我々の間でも毎年最大の関心事で、2018年のJRA京都開催も噂では耳にしていた。2019年の開催地に関しても、噂では開催経験豊富な某競馬場だろうという噂だったのだが、やっぱり噂は噂に過ぎなかった。

 もちろん浦和競馬がJBC開催に向け準備していたことは知ってはいたが、次の次か、あるいは次の次の次ぐらいだろうと思っていたのだが。競馬場関係者が「悲願の」という割には、あっさりと決まった感じがした。もちろん裏ではしっかり準備していたことも知ってはいるが。

 関係者も余程嬉しかったのか、某会長も正式発表前の内示の段階で「祝!JBC開催」の張り紙を野田トレセン内のある場所に貼り(もちろん一般の人は入れない場所)、そして貼った挙句「まだ正式発表前だから見るな!」とか、そういう乱暴で微笑ましいエピソードもあったとか。

 浦和競馬場は長らく南関東では入場、売上ともに4番手が定位置であったが、近年は船橋を抜き3番手に上がることもしばしばあった。お酒や焼き鳥、揚げ物をほお張りながらのレース観戦は、真っ昼間から飲酒して馬券を買っている背徳感、居心地の良い狭さ、誰かしら知り合いがいる環境がなんともたまらない快感をもたらすようだ。

 夏の冷やしきゅうりや黄色いカレーなど名物もあり、さらに近年は埼玉県内の自治体PRを兼ねたグルメ(主にB級)の出店が定番となり、東松山のやきとり(焼き鳥と言いつつ豚肉)や行田のゼリーフライなど、我々出入り業者も毎年それらを楽しみにしている。

 浦和競馬には大井の東京都競馬や川崎、船橋のよみうりランドのような施設会社がなく、職員を中心に場内の運営を行っているが、手作り感みたいなものがウケているのだろう。

 詳しくは最終的な実施計画が出てからになるが、JBCクラシックは2000m、JBCスプリントとJBCレディスクラシックが1400mで行われることになる。まず気になるのはフルゲート。浦和コースは向正面~3コーナーが狭く、スタンド前発走の1300、1400、1500mはフルゲート12頭だが、それ以外の向正面発走のレースはフルゲート11頭で行われている。今回該当するのはJBCクラシックの2000mだが、向正面の幅員を外側に約1m広げ16.5mとし、フルゲートを12頭に増やす予定だという。また、狭く落馬事故も多い3コーナーは内側に広げ、最も広い地点の15.8mを20.6mに、最も狭い地点を13.6mから16mに拡張、さらにスパイラルカーブを採用することで、コーナリングを改善するとのこと。

 不安があるのは観客エリアだ。現在建築中の新2号スタンドは651席で来年の7月に完成する予定だが、既存の3号スタンドを合わせても、収容人数はそう多くはない。昨年の1日あたりの入場者数は3,439人、浦和記念当日で6,881人だったが、JBCとなると首都圏の昼間で行われた場合、2010年の船橋が30,109人、2016年の川崎が28,718人である。かつて正月開催があった頃は1万人以上のファンで溢れかえっていたが、今はスタンド、発売所はダウンサイジングされているだけに、3万人が来場した場合、券売機の数も含め、あの敷地とスタンドで捌ききれるかどうか、不安がある。

 また、現在JR南浦和駅から無料バスが運行されているが、帰りは混雑するため、住宅街を歩くお客さんが多く、近隣住民から苦情が寄せられることがあるという。浦和の常連客は紳士的なファンが多く、ごみを捨てたり、放尿したりなどはないが、3万人となるとどうなるか。

 渋滞も問題だ。競馬場は埼玉県を南北に通る産業道路と大宮バイパスを東西に結ぶ幹線沿いにあり、常に渋滞している。当日、駐車場は別な場所に確保するという話も耳にするが、なるべく公共交通機関で来場することが望ましいだろう。

 それから待機馬房の問題。交流競走用の馬房はあるが、JpnⅠ3レースとなると足りず、また地元馬は装鞍所が空くまで馬運車待機である。住宅に囲まれこれ以上の敷地拡張の余地もない。野田TCからピストン輸送と、馬運車の駐車場敷地に増設する方向で進められているとのことだ。

 クリアしなければならないと予想される課題は、挙げればキリがないのだが、それをどう克服するのか楽しみでもある。我々的にも浦和で行われるJBCには大いに期待しているし、必ず成功するものと信じている。