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第159回 『新スタンド見学』

2022.03.25
 2月14日(月)の船橋初日より、新スタンドA棟の使用が開始された。新スタンドのオープンは、最近では2015年竣工の大井競馬2号スタンド(G-FRONT)や、2019年竣工の浦和競馬場2号スタンド。いずれも観客席中心である。
 だいぶ減ってはきたが、競馬場は昭和40~50年代に建てられた施設が多く、耐震性の向上や時代に合わせた設備の更新などが目的だ。

 特に設備面ではバリアフリー化、女性トイレの充実(スタンドが建てられた当時はこれほど女性客が増えることは想定されていなかった)や、客席の座席の更新(プロ野球のスタジアム等と同様に、ベンチタイプから、一般席でも背もたれの付いたセパレートタイプが主流に)が目立つ。

 また、スタンド自体も大屋根の付いたスタジアム型から、全面ガラス張りの層塔型が近年では主流となっている。

 今回の計画は2019年に制定された「船橋競馬経営計画(Advance2023)」に基づくもので、施設面だけで言えば、概算予算約100億円で、1967年完成の第1期スタンドを解体、1969年、1971年完成の第2期、第3期スタンドをコンパクト化して改築し、他に事務棟や調整ルームなどの施設の建て替え、隣接する商業施設側に入場門を新設するなど、ほぼ全面改装と言っていい内容だ。

 以前にもこの欄で書いたが、船橋競馬場は京成船橋競馬場駅、JR京葉線南船橋駅から徒歩で行くことができ、道路を挟んでららぽーとやIKEAなどの大型商業施設が立ち並ぶ「好立地」と言われているが、平均入場は3,000人台(2017年当時)と、住宅地の中にある浦和競馬場と3~4位を争っていた。

 一方でウインズ新橋内(~2014)に「新橋場外」(1994~2014)を開設するなど、早くから場外戦略も進めてきた。また、2006年から年間2~6開催を薄暮競馬で行ったりもしたが、思うようには本場入場者は伸びなかった。

 2015年にナイター照明設備が完成し、ナイター競馬「ハートビートナイター」がスタート。1日の入場者数は下げ止まるも、場内購買単価は伸び悩んでいるのが現状であった。

 今回の全面リニューアルは、打つ手を全て打った感が強いだけに、我々場内で商売している出入り業者としても、大いに期待している。

 オープン初日(といってもいわゆるこけら落としではなく、暫定)の14日、早速新スタンドA棟に行ってきた。今回完成した部分は主に業務にかかわる部分の一部と、来賓席、馬主席、特観席と思われる部分などなど。

 工事現場の扉をくぐると、中も工事現場。矢印通りに進むとパドックのスタンド側に出る。馬道のような通路があり、パドックの囲いが取れると、札幌競馬場や函館競馬場の花道のようになるそうだ。そしてパドックにはひな壇が作られた。これだけ高さと角度のあるひな壇は地方競馬にはなく、2階以上のデッキ部分も含め、どこからでもよく見えるし、近い。

 通路を抜けてコース側に出ると、まだ工事中。「この辺が検量で、この辺があれで」と説明を受けたが、文字では説明しづらいので割愛。上のデッキ部分からファンにほぼ丸見えなのは今のトレンド。プレスの控室もあり。1階部分が業務エリアで、2階以上が観戦エリアのようだ。

 スタンド内に戻り受付へ。カウンターがありエレベーターが1つなのは旧スタンドと一緒。やはり気になるのは記者席だ。

 部屋を探すとありました「専門誌記者室」。なんか違う気がするが気にしない。中に入ると広い空間にポツンと弊社TMが。まだ机が届いておらず、とりあえず椅子に座っている姿はシュールだ。ルーターや電話も床に置いてある。隣の日刊紙さんは、どこからか折り畳みテーブルを調達してきたらしい。「狭くなった」と言うが仕方ない。かつては6紙だったのが、今は4紙なのだから。それと、記者席の空調が独立なのは嬉しい。これまでは船橋だけは全館空調だったので、夏暑く、冬寒かったが、もう電気ストーブも扇風機も必要ない。

 他の部屋も見学したが、いずれもまだ仮設状態だったり、調整が必要というところが多かった。ゴール前の照明も仮設だった。仮オープンなので当然だが、本格稼働すると開催中はお邪魔できなくなるので、来賓席から馬主席まで、見学できるところは全て見学した。

 やはり新しいスタンドは良いものだ。全面完成は2024年春の予定。これが本場入場増加の起爆剤になってくれればと願うばかりである。
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