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第54回『フェイスブック』

2013.06.14
 「フェイスブック始めました」どこかラーメン店や中華料理店のメニューにそろそろ加わってくる、「冷やし中華始めました」とイメージが重なってしまうが、正確な時系列を踏まえた場合、「フェイスブック始めてました」と書くべきなのだろう。
 友達になっていただいた、ごく一部の関係者の方はご存じかと思うが、友人に誘っていただく形で、一昨年の12月からフェイスブックに参加している。

 以前、仕事でブログを始めたことがあるが、あまりにも平凡な日常に辟易して、いつの間にか更新を止めてしまっていた。そんな自分がフェイスブックを活用できるのだろうか?と参加し始めの頃は考えていたのだが、今では友人や知人たちの近況を垣間見ることや、そして「いいね!」を押すことが楽しくなっている。

 それでも、友人を余り増やそうとはせず、ブログと同様に自分の近況を書くこともそれほどないのだが、それでも取材の合間に撮った写真を更新して、「いいね!」を押してもらえた時には素直に嬉しくなる。

 最近では個人だけでなく、フェイスブックに参加する企業も増えてきた。しかも企業だけではなく、なんとフェイスブックに牧場も参加するようになり、四季の風景や仕事の内容などを、自分を上回るペースでアップし続けている。

 フェイスブックに参加した代表的な牧場と言えば社台ファームだろう。5月上旬の時点で、「いいね!」を押した人の数はなんと3,200人を突破。話題にしている人の数も2,000人を超えている。またビッグレッドファームも「いいね!」を押した人の数が間もなく2,000人となるなど、フェイスブックに登録する競馬ファンを中心に支持を集めている。

 社台ファームがフェイスブックに参加したのは昨年の12月から。その理由とは、厳冬期の牧場や馬はどうしているんですか?というファンや関係者の声に応えるべく、牧場の日常を更新し始めたのがきっかけだという。

 当初は除雪の様子や冬期間の放牧や調教風景などが更新されていたが、春先になると出産を迎えた繁殖牝馬や子馬の様子や、その週に行われたレースの話なども加わっていく。最近では飼い葉や馬の歯科医の話など、自分が連載をさせてもらっている某コラムで取り上げたかったテーマまでもが取り上げられると、まさに馬産地ライター泣かせと言える内容の充実ぶりだ。

 馬の写真をメインに取り上げているのがビッグレッドファーム。こちらは牧場内にスタリオンがあることを有効に使い、ステイゴールドといった人気種牡馬の写真をアップさせている。距離や時間の制約もあって牧場見学になかなか行けなかったり、自分の応援していた馬の今の姿を知りたいファンにとっては有り難いことこの上ないはずだ。

 この2つの牧場に共通しているのは、日本語で書かれた日記の下に英訳や、写真のキャプションに英語表記に直した馬名も書かれていること。ビッグレッドファームにはコンデュイット(IRE)、アイルハヴアナザー(USA)といった世界的な名馬も繋養されており、日本の競馬ファンだけでなく、海外の競馬ファンもまた、元気そうな姿を知ることができて、「いいね!」を押したのではないだろうか。

 世界の名牝が集まり始めた感もある社台ファームには、「繁殖入りしたあの牝馬はどうしていますか?」という海外からのメッセージが届いたという。社台ファームのスタッフはそのメッセージを受けて、次の日には牝馬の写真と記事を英訳入りでアップ。メッセージを送ったファンはとても喜んだに違いない。

 社台ファームやビッグレッドファームのページを見て、改めて思うのがフェイスブックの更新がファンサービスに繋がるだけでなく、インターネットという繋がりを通して、日本の競馬(生産界)を世界にアピールすることができるということだ。こうした個々の馬の情報や牧場の風景の他にも、海外の競馬ファンが求めている、日本の競馬に関する情報はまだまだあるのだろう。

 そう思うと、フェイスブックに参加しながら、あまり他者との交流を深めようとしない自分が小さく思えてきて仕方がない。ここは社台ファームやビッグレッドファームを見習って、自分の書いた近況を英訳するところから始めてみよう!と思ったのだが、「飯塚オートレースの宮本隆与アナウンサーの実況が面白い!」なんてことを、英訳したところで海外の方が興味を引かれるわけがない...。

 あ、今興味を持ったそこのあなた。残念ながらこの近況は僕の友人にならないと読めませんので、「馬産地ファイターズ読みました!」というメッセージと共に、友達申請お待ちしております!
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