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第155回 今年もGⅠ初制覇ジョッキーの誕生を願う ~馬作りは人作りの船橋競馬~

2023.02.17
 2023年が始まりましたが、昨年のGⅠ戦線を振りかえると、初GⅠ制覇を成し遂げた騎手が5人もいたことが実に印象的かつ嬉しく思う年でした。
 騎手7年目・荻野極騎手、同じく7年目の坂井瑠星騎手、9年目・石川裕紀人騎手、12年目の横山和生騎手、そして16年目・丸田恭介騎手と、外国人騎手の短期免許や地方競馬からのトップジョッキーの移籍がある中で手にした価値と重みある勝利。

 本人はもちろんのこと、若手騎手など、周りにとっても良い意味で与える影響も大きかったように思えますし、後日、若手騎手に会うと、調整ルームやジョッキールームでは、レースに騎乗をしていない騎手たちが一丸となって声援を送り、かなり盛り上がっていたとの話も耳にしました。

 皆、騎手になりたいと夢を見、競馬学校での3年間を過ごし、そしてトレセン社会に入っての日々の中、競馬だけでなく人間関係など、様々なことで戦い、学びながら人間関係を構築。また1人だけの力ではどうしようもできない騎乗馬確保など、騎手を続けていくことは大変な状況。

 今は、応援や声援、また願うことしかできませんが、今年もまた新たなGⅠジョッキーが誕生することを祈るばかりです。

 さて話は変わり、年明けに船橋所属のジョッキー、森泰斗騎手・本田正重騎手・本橋孝太騎手・川島正太郎騎手、笠野雄大騎手の5人と、船橋競馬における「過去・現在・未来」をテーマに座談会を行いました。

 私はJRA出身で、地方競馬のことは分からないことが多いのですが、船橋と言えば偉大なる調教師・川島正行氏が思い起こされ、近年ではミューチャリーがJBC制覇を成し遂げ、JRAから移籍したフィールドセンスが交流重賞を制するなど、そのイズムが継承され続けている地。

 昨年から船橋所属の騎手の方々と対談をしているのですが、「厩務員さん方の腕が凄い。時間のかけ方など。また川島厩舎にいた腕利きと言われる方々が、今もなお新たな厩舎で活躍馬を作りあげてもいる」と、皆、口を揃えます。そして騎手においても、非常にまとまりがあり、各々がそれぞれの個性や歩みを理解し、時には助言を、そして時にはリスペクトや感謝の言葉も口にされるのです。

 その背景には馬を育てるように、人も育てるという諸先輩方からの教えや、名手であり6,000勝以上の勝利を収めた石崎隆之元騎手においては、調整ルームの際、奥様が皆に手料理をふるまわれていたとのこと。

 2024年にテーマパークのような競馬場に生まれ変わる船橋競馬場、先輩方から脈々と受け継がれた深き土台と人材によって、今後、どう発展していくのか、非常に楽しみであり魅了されます。

 それでは皆さん、また来月、お目にかかりましょう。ホソジュンでしたぁ。
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