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第175回 人のこころを動かすことば~あ・り・が・と・う~

2024.10.21

 女優の夏木マリさんが、先月NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演されていた際、最後のお決まりの質問である、「プロフェッショナルとは?」の問いに、少し考えながら、「ありがとう」と言われる人と定義されていました。


 その一言が妙に腑に落ちるというか、シンプルに納得でき、スッと心に入ってきたのです。


 と言うのも、毎週フジテレビでご一緒する佐野瑞樹アナも、「僕はアナウンサーの仕事とは、演者さんにオンエア後、佐野さんのおかげで助かった。ありがとうと言われること」と、以前に話されていました。


 最近、タレントのように自身のカラーを主張するアナウンサーも多い中、佐野さんの流儀は、ベースとなる時間配分やまわしができた上で、共演者それぞれの良さを引きだすポジションだと説明。


 バレーボールに例えるならば、常にトス役に徹し、所々、アタックされた演者さんのコメントをレシーブでひろい、稀に相手次第でアタックを打つような…。


 よって私も井崎先生も絶対的な安心感の下、自然体の中で1時間を過ごせ、馬券が当たった時も外れた時も、最後は笑顔で番組を終えられているのだと思います。


 また数々の名馬に乗り、GⅠを制してきた武豊騎手は、以前に、「多くのGⅠ勝利の中でも、オグリキャップやディープインパクトで勝利をした時は、ファンの方々から、おめでとうよりも、ありがとうという言葉が多く聞こえてくる」と口にされていました。


 同じ勝利でも「おめでとう」ではなく「ありがとう」。


 これもまた、トップオブトップを思わせるもので、名馬中の名馬というのは馬券を超えて、ファンの思いを一心に背負う馬なのかもしれません。


 そもそも感謝の意として使われる「ありがとう」というフレーズの中には、そこに必ず人の感情が込められており、心が動かされている証なのでしょう。


 と同時に、何事においても、人は持ちつ持たれつの関係の中で成り立っており、何においても全体的なバランスが大事なのだと感じます。


 私も、かれこれ20年近く競馬番組に出演していますが、共演者が1人変わっただけで番組内の雰囲気やバランスがガラリと変わります。これは、良くも悪くも。


 できることならば、それぞれがそれぞれの役割を認識し、互いに謙虚な気持ちで相手を尊重できる関係性が1番なのだと思いますが、ジェネレーション的なものや育ちの違いは否めず、難しいところですし、結局は、何をするか以上に、誰とするか?人が大事なのだと痛感しています。


 そう言えば、今月から放送されている武豊騎手を起用した「M&Aベストパートナーズ」の新CM、ご覧になられましたか?


 そのCM撮影現場に立ち会い、武豊騎手に幾つかの質問をしたのですが、その1つ、「ユタカさんが会社を経営されるなら、どんな会社を作りたいですか?」の問いに対する答えが、「風通しの良い会社」でした。


 通ずるものを感じるとともに、改めて人を大切にされる豊さんの生き方も伝わり、学びの多い時間となりました。この模様は、Youtubeで配信される予定ですので、よかったら、「M&Aベストパートナーズ・武豊騎手インタビュー」で検索されてみてください。


 それでは、また来月お逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ。

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