ホソジュンのウマなりトーク
第2回 勝利を生み出す 馬と人との絆
2010.05.10
Tweet
桜花賞・皐月賞が終わりましたが,ともに素晴らしいレースでしたね~。
まず桜花賞,2歳女王アパパネが他馬を力でねじ伏せるレース振りで勝利。改めてこの馬の強さを感じると同時に,G1制覇に向け,綿密な調整過程の中,馬作りをされてきた国枝厩舎の手腕を感じました。さて今,最も勢いのある国枝厩舎ですが,その強さの秘密とは?!
師の人柄が生み出すチームワーク,逆算された馬作り,日々進化する栄養面,調教方法などなど・・・・きっとその理由を挙げればきりがないと思うのですが,栗東遠征における際の師の考えに,その要因の一つを感じました。
それは,「栗東という環境をより分かっている人間が馬の傍にいることが大切」というもの。砕いて言えば,知らない環境下に移った際,傍にいる人間をより頼ろうとする馬に対し,その人間がアタフタしていたら,馬は余計にナーバスになり,迷ってしまう。
ということで,国枝厩舎が栗東遠征をする際は,美浦での担当者にこだわることなく,栗東での滞在歴ナンバー1の持ち乗り助手・福田さんが担当するケースが多いのです。このアパパネに関してもそう。阪神JFの時も,そして今回も栗東遠征には福田さんが付き添いました。
もちろん,デビュー前から手掛けた方にとっては,心配で不安に感じることもあるでしょうし,任された福田さんにとっても大きな責任を感じること。しかし仲間を信じ,師の考えに賛同できるからこそ成しえ,そして結果も残す。そういった意味でも,栗東遠征において勝利したマイネルキッツ,アパパネのGⅠ・2勝というのは,国枝厩舎にとって非常に価値のあるものだったように感じます。
そしてそして,先月のこのコラムで書いた・バゴ(FR)産駒のオウケンサクラちゃん。ハードなローテーションというこもあってか,当日はいつもより,イライラ感が・・・。
しかし,さすが名手アンカツさん。馬の気持ちを察し,気分よく走れる形へと促し,2着。中1週,中1週,中2週の中,ほんとよく踏ん張ったサクラちゃん。感動でした。
さて一方,オトコ馬の戦い皐月賞ですが,こちらは,岩田騎手の腹をくくった乗り方に,シビレマシタ~。デビューからのこれまで,特に前走の弥生賞が活きたレース内容でしたが,初コンビであの大胆かつ落ち着きある騎乗をしてしまう岩田騎手,本当にかっこよかった~。当日私は,岡部幸雄さんとレースを観戦していたのですが,岡部さんも,「いいレースだった」と,興奮気味。素晴らしいものを見せてもらい感謝です。
後日,岩田騎手にレース前の心境をお聞きすると,「ゲートの中で,ヴィクトワールピサが俺の顔をみたの。その目が,(さぁ今からレースだよ,大丈夫だよ)と言っているかのようで,凄いなピサと思うとともに,馬から自信・勇気をもらった」と。ゲート内というあの狭い空間で,心と心が触れあい行われた2人の会話,その時,岩田騎手とピサは既に人馬一体となっていたのでしょうね。
また,4着と敗れてしまったものの,2歳王者・ローズキングダムも,ゴール板まで勝利を諦めない必死の走り。前走に引き続き,体重が減ってしまった中で,あれほどまでに一生懸命に走る姿には,心打たれるものがありました。
さて5月からいよいよ6週にわたるG1レースとなります。5週連続となる東京競馬場では,毎週TIMさんと,お笑い界のステキなゲストの方とともに,予想検討会・レース回顧を行って参ります。是非,東京競馬場に遊びに来て下さ~い。
それでは皆さん,ステキな日々をお過ごし下さい。ホソジュンでした。
JBBA NEWS 2010年5月号より転載
まず桜花賞,2歳女王アパパネが他馬を力でねじ伏せるレース振りで勝利。改めてこの馬の強さを感じると同時に,G1制覇に向け,綿密な調整過程の中,馬作りをされてきた国枝厩舎の手腕を感じました。さて今,最も勢いのある国枝厩舎ですが,その強さの秘密とは?!
師の人柄が生み出すチームワーク,逆算された馬作り,日々進化する栄養面,調教方法などなど・・・・きっとその理由を挙げればきりがないと思うのですが,栗東遠征における際の師の考えに,その要因の一つを感じました。
それは,「栗東という環境をより分かっている人間が馬の傍にいることが大切」というもの。砕いて言えば,知らない環境下に移った際,傍にいる人間をより頼ろうとする馬に対し,その人間がアタフタしていたら,馬は余計にナーバスになり,迷ってしまう。
ということで,国枝厩舎が栗東遠征をする際は,美浦での担当者にこだわることなく,栗東での滞在歴ナンバー1の持ち乗り助手・福田さんが担当するケースが多いのです。このアパパネに関してもそう。阪神JFの時も,そして今回も栗東遠征には福田さんが付き添いました。
もちろん,デビュー前から手掛けた方にとっては,心配で不安に感じることもあるでしょうし,任された福田さんにとっても大きな責任を感じること。しかし仲間を信じ,師の考えに賛同できるからこそ成しえ,そして結果も残す。そういった意味でも,栗東遠征において勝利したマイネルキッツ,アパパネのGⅠ・2勝というのは,国枝厩舎にとって非常に価値のあるものだったように感じます。
そしてそして,先月のこのコラムで書いた・バゴ(FR)産駒のオウケンサクラちゃん。ハードなローテーションというこもあってか,当日はいつもより,イライラ感が・・・。
しかし,さすが名手アンカツさん。馬の気持ちを察し,気分よく走れる形へと促し,2着。中1週,中1週,中2週の中,ほんとよく踏ん張ったサクラちゃん。感動でした。
さて一方,オトコ馬の戦い皐月賞ですが,こちらは,岩田騎手の腹をくくった乗り方に,シビレマシタ~。デビューからのこれまで,特に前走の弥生賞が活きたレース内容でしたが,初コンビであの大胆かつ落ち着きある騎乗をしてしまう岩田騎手,本当にかっこよかった~。当日私は,岡部幸雄さんとレースを観戦していたのですが,岡部さんも,「いいレースだった」と,興奮気味。素晴らしいものを見せてもらい感謝です。
後日,岩田騎手にレース前の心境をお聞きすると,「ゲートの中で,ヴィクトワールピサが俺の顔をみたの。その目が,(さぁ今からレースだよ,大丈夫だよ)と言っているかのようで,凄いなピサと思うとともに,馬から自信・勇気をもらった」と。ゲート内というあの狭い空間で,心と心が触れあい行われた2人の会話,その時,岩田騎手とピサは既に人馬一体となっていたのでしょうね。
また,4着と敗れてしまったものの,2歳王者・ローズキングダムも,ゴール板まで勝利を諦めない必死の走り。前走に引き続き,体重が減ってしまった中で,あれほどまでに一生懸命に走る姿には,心打たれるものがありました。
さて5月からいよいよ6週にわたるG1レースとなります。5週連続となる東京競馬場では,毎週TIMさんと,お笑い界のステキなゲストの方とともに,予想検討会・レース回顧を行って参ります。是非,東京競馬場に遊びに来て下さ~い。
それでは皆さん,ステキな日々をお過ごし下さい。ホソジュンでした。
JBBA NEWS 2010年5月号より転載